GPDが発表し、2019年にIndiegogo上でクラウドファンディングを開始する予定のGPD MicroPC。新型のUMPC(超小型PC)です。
デイリーガジェットでも、下記の通り何度も記事でご紹介してきました。
その公式ファンディングページがオープンしました。
まずヒーローショットに衝撃を受けました。
それが↓です。
そうです。
勘のいい読者ならお分かりかと思いますが、まんまSONYのVAIO Type-Pです笑
しかも当時ツッコミが入ったType-P以上にポケットに入り切れてないじゃないか!
Type-Pについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
ちょっと笑わせてもらいましたが、このGPD MicroPC、思ったよりも面白いマシンです。
当初は、廉価でやたらポートが多いだけの、IT専門家向けのニッチ端末かと思っていたのですが、公式情報により、様相が変わってきました。
なんと、GPDが掲げる本機の想定ライバルは「Microsoft Surface Go」だというのです。
いきなりSurface Goとの比較から入る解説
ご存じSurface Goは、Microsoftがリリースした10インチの小型Surfaceです。
GPDはUMPC(超小型クラムシェル)を強みとしており、2-in-1のSurface Goは同じカテゴリではありません。
ただ、小型でモビリティの高い端末という意味では、ターゲット層はバッティングするのかもしれません。
そして、GPD MicroPCのIndiegogoページは、いきなりSurface Goとの比較から話を始めるほどの意識っぷりです。
曰く、GPD MicroPCは、Microsoft Surface Goよりも小型で、ポートがたくさんついていて、安くて、パワフルだと。
そして、GPD MicroPCだけのスペック表より前に、Surface Goとの比較スペック表を出しています。
色々と味わい深く面白い表なのですが、ただGPDが何を意識して作っているのかはよく分かります。
Surface Goに対し、小ささ、拡張性、価格の3点で対抗しようとしているということです。
GPD MicroPCのスペック詳細と特徴
本体の詳細レンダリングも、下記の通り出ています。
拡張性を強みの一つとしているだけあって、さすがにこのサイズではあり得ないほどのポートの数です。
また、「Fan On/Off」「TouchPad」とありますが、より細かく見たものが下記になります。
タッチパッドは、キーボード右上部にあり、もちろん面積は小さいものの、タッチスクリーンよりもタッチパッドの方が好みの層は一定数存在しそうです。
ただし注意したいのは、GPD MicroPCは、タッチパネルには非対応、ということです。
つまり、ポインティングについては、この小さなタッチパッドのみになります。
スペックは、下記になります。
すでにご紹介していた情報と変わりませんが、あらためて公式から詳細なものが出たという形です。
そして、本機の拡張性を象徴するようなポートについての拡大レンダリングも紹介されています。
まずは有線LANポートでしょう。
つづいて、RS-232シリアルポート。これは、近年のノートパソコンには搭載されなくなりましたが、業務用には今でも根強く使われています。
GPD MicroPCがIT専門家に向けたPCだということがよく分かります。
そして、MicroSDスロットも搭載しています。
さて、以上は、昨年から明らかになっていた情報で、デイリーガジェットの記事でもすでに紹介していた内容です。
ですが、今回、公式のIndiegogoがオープンしたことで、新たに判明した事実もあります。
それを次にご紹介します。
ユニークな特徴 〜新たに判明した事実
まず、背面にネジ穴が2つついているということです。
これはとても面白く、つまり上の写真にあるように、アームや壁などに取り付けやすくするためのものです。
これも、完全に業務向け端末をターゲティングしていることの表れでしょう。
また、耐久性にも相当なこだわりを持っているようです。
航空機レベルの耐衝撃ABS合成樹脂を採用しており、高い難燃性、耐熱性、耐衝撃性能、耐UV性能などを持つとのことです。
また、人によっては重要そうな新事実として、ストラップを付ける穴が端にあるようです。
キーボードについては、デイリーガジェットとしては、タッチタイプがギリギリできれば嬉しいなと思っていました。
下記の通り、両手持ち親指打ちの画像もある一方、
下記の通り、タッチタイプ打ちの紹介画像もあります。
そのため、タッチタイプは絶対無理、というわけではないんじゃないかと期待しております。
Surface Goとのベンチマーク比較
仮想敵として設定しているSurface Goとのベンチマーク比較もあります。
まずメモリのRW速度ですが、下記の通りGPD MicroPCの方がパフォーマンスが高いようです。
また、CPUに関しては、シングルスレッドではSurface GoのPentium Goldの方が高性能な一方、マルチスレッドのスコアでは、GPD MicroPCのCeleron N4100の方が若干高くなるようです。
ターゲットカスタマーの設定
このパソコンは、一体誰に向けて作ったモノなんだ? というポイントについて、やはりユーザー同様、GPDも色々と考えたようです。
下記の通り、非常に様々なターゲットカスタマーやユースケースを提示しています。
IT技術者、製造業のラインマネジメント、倉庫やロジ管理、教育、金融系、メディカル系、電力、掘削、考古学者、ビジネスプレゼン、軍事用、とても小さな家庭PC、車への搭載などなど、まったく脈絡はありませんが、なんとなく小さくて衝撃に強くて拡張性があるパソコンが当てはまりそうな用途です。
いずれにせよ、これまでのGPD製品とは、明らかにターゲット層や想定用途が異なる製品のようです。
Surface Goを意識しつつも差別化を狙っており、GPD自身もまだ明確な方向性や回答を持っていないのではないかと思います。
ただ、Panasonicのタフブックやタフパッドなど耐衝撃性能をウリにしている製品もほぼB2B向けということもあり、本機もSurface Goというよりは、パナソニックや京セラの耐衝撃製品群に近いポジションの製品なのかなと思いました。
おわり