デイリーガジェットも現地取材した、バルセロナで開催されたMWC2019での最大注目株は、なんといってもHuaweiとSamsungでした。
この2社は、そろって折りたたみスマホを発表し、ブースも隣り合わせ。
まさに潰し合いの様相を呈していました。
現在のグローバルの趨勢としては、Huaweiの勢いの前に、徐々にSamsungが追い詰められていっている状況だと思います。現にシェアを伸ばし続けるHuaweiに対し、Samsungはあらゆる市場でジリジリと削られていっており、シェアを落とし続けています。
現に、優等生的に順当進化のプロダクトを並べたSamsungを見ていると、かつてのSamsungにとっての日本メーカーのような、追いつけ追い越せの対象がなくなった迷いのようなものを感じました。
いずれにせよスマホ業界トップ2社のブースです。
特に尖った展示などはありませんでしたが、かなり広大な面積に、最新製品を並べていました。
折りたたみについては下記の別記事でまとめていますので、それ以外のこの2社のブースについてまとめておきます。
Samsungブース
Samsungは、モバイル製品以外にも、自動車などのブースを別に出していました。
ですが最大のものはGalaxyを展示したモバイル製品ブースなので、そちらをご紹介します。
写真で分かるでしょうか、かなり広大なブース面積でした。
まず最大の展示は、なんといってもGalaxyの最新フラッグシップ3モデルです。
- Galaxy S10 Plus:トリプルカメラ、フロント2眼、6.4インチ OLED
- Galaxy S10:トリプルカメラ、フロント1眼、6.1インチ OLED
- Galaxy S10e:2眼カメラ、フロント1眼、5.8インチ液晶
S10とS10+は、フロントカメラの数と画面サイズ以外のスペックはほぼ同じです。(S10+はストレージやRAMが多いラインナップもあります)
S10eはこの中では普及価格帯なのでしょうが、それでも税込み9万円前後になる見込みなので、一般的に見れば十分に高価格帯です。
さて、S10シリーズ最大のウリは、下記の2つでしょう。
- ピンホールタイプのフロントカメラ
- 画面指紋センサー
ピンホールタイプは、ノッチやベゼル以外のソリューションとして、新しいものです。
下記の通り見た目にも、かなりスッキリした印象を与えます。
画面タッチの指紋認証は、画面中央下部に超音波のセンサが埋め込まれており、その部分の画面を触ると指紋認証できるというものです。
使ってみると、精度は悪くありませんでした。
ですが、画面のどこでも認証できるわけではなく、あくまでセンサが埋め込まれた中央下部の決まった位置なので、ユーザーエクスペリエンスとしては、他メーカーも採用している従来通りの側面センサーや背面センサーと何も変わりません。
これは成熟して行き詰まったメーカーが陥りがちな、ユーザー体験よりも技術の高さのアピールが先行したような機能かもしれません。
つづいて、むしろデイリーガジェット的にはGalaxy S10シリーズよりも注目したのが、下記のGalaxy Tab S5eです。
10.5インチサイズの、一般的なタブレットで、スペックは下記の通りです。
- ディスプレイ:10.5インチ WQXGA(2560 x 1600)有機EL
- サイズ:245 x 160 x 5.5mm
- 重量:400g
- RAM/ストレージ:4GB/64GB or 6GB/128GB
- カメラ:13MP AF フロント:8MP
- フロントカメラ:なし
- バッテリー:7,040mAh(14.5時間のビデオ再生)
- カラバリ:ブラック、シルバー、ゴールド
スペックは悪くなく、見ての通りベゼルも薄めで、現代的なデザインです。
400gの重量は、このサイズにしては軽く感じました。
上の写真右側を見ると、アクセサリーの接続・給電ができそうな4つの穴が見えます。
AppleのiPad Proによく似ているため、純正のキーボードケースも出してくれれば、値段にもよりますが優等生なタブレットかもしれません。
Samsungブース最後は、完全ワイヤレスイヤフォン「Galaxy Buds」です。
これは、Galaxy S10からワイヤレス給電できることを全面的にアピールしていました。
ワイヤレスイヤフォンとしてのスペックは、下記の通りです。
以上が、Samsungブースです。
全体的に、順当進化の優等生的なプロダクトが並んでいました。
Huaweiブース
同じ中華系メーカーの中でも、Appleの丸パクリをし続けて大きくなってきたOPPOやXiaomi(シャオミ)と異なり、Huaweiはその技術力の高さや資金力の大きさは頭一つ抜けています。
Huaweiブースは、スマホ、タブレット、ノートPCの各モデルが1テーブルずつに割り当てられているという、ある種機械的な展示でした。
新しいものは、折りたたみのMate Xと、ノートPCのMateBook X Proです。
Mate Xは別記事でご紹介したので、ここではもう一つの新製品、MateBook X Proのご紹介をします。
MateBook X Proは、名前も外観も何もかもMacBook Proのコピー機ですが、スペックとしてはとても優秀です。
- OS:Windows 10 Home
- サイズ:304 x 217 x14.6 mm
- 重さ:1.33 kg
- カラー:スペースグレー
- CPU:
- 第8世代 インテル® Core™ i7-8550Uプロセッサー
- 第8世代 インテル® Core™ i5-8250Uプロセッサー
- ディスプレイ:13.9インチ、 解像度 3,000 x 2,000 10点タッチスクリーン
- 画面占有率: 約91%
- メモリ:
- Core™ i7モデル:16GB
- Core™ i5モデル:8 GB LPDDR3
- グラフィックス:
- Core™ i7モデル: NVIDIA® GeForce® MX150 (GDDR5 2GB)
- Core™ i5モデル: インテル® UHD Graphics 620
- サウンド:Dolby Atmos® サウンド・システム(クアッド・スピーカー)
- ストレージ:
- Core™ i7モデル:512 GB
- Core™ i5モデル: 256 GB NVMe PCIe SSD
- 指紋センサ一体型電源ボタン
- 3.5 mm ステレオ オーディオ ジャック
- USB-C x 1 (データ転送、充電、MateDook2接続)
- Thunderbolt™ 3 (USB-C) x1 (高速データ転送、充電、MateDock2接続)
- USB-A x 1 (USB3.0, 最大Output 5V/2A)
- バッテリ:
- Core™ i7モデル: 約15.8時間
- Core™ i5モデル: 約16.9時間
- チャージャー:PD対応、65 W
実物を見て特に目を引くのは、どこまでもMacBook Proそっくりの外観と、画面占有率91%のナローベゼルです。
そっくり!
おわりに
いかがでしたか?
この2社は、プロダクトの完成度はこれ以上無いほどに極まっています。
ですが新しさという意味では、なかなか難しいのかな、というのが正直な感想です。
また、完成度が高まると共に、どうしても価格も上がっていきます。
製品が魅力的であることは間違いないと思うので、発売を楽しみに待ちたいと思います。
おわり