ソニーが6月14日に発売した新型スマートフォンの「Xperia 1」。2019年夏モデルとして、ドコモ・KDDI・ソフトバンクから発売されました。
デイリーガジェットではXperia1を発売日に購入し、これまで1週間使い倒してきましたので、レビューとしてまとめたいと思います。
結論としては、Xperia1のこのスペック・形状は、かつてあった「ズルトラ」こと「Xperia Z Ultra」に代表される、スマホとタブレットの中間サイズの「ファブレット」の一つの理想型なのではないか、と考えています。
まずはスペックおさらい
スペックは下記の通り。
スペックモリモリで、完全なハイエンド機です。
- サイズ:72×167×8.2mm(最厚部 9.0mm)
- 重量:178g
- バッテリー容量:3,200mAh
- 外部メモリ最大:512GB microSDXC
- RAM:6GB
- ストレージ:64GB
- ディスプレイ:6.5インチ 有機EL(3840×1644:4K)
- 防水・防塵対応
- 指紋認証
- OS:Android™ 9 Pie
- CPU:Snapdragon855 2.8GHz/1+2.4GHz/3+1.7GHz/4
- メインカメラ:約1,220万画素/約1,220万画素/約1,220万画素
- サブカメラ:約800万画素
- 静止画最大撮影サイズ:4,032×3,024
- 動画最大撮影サイズ:3,840×2,160
- 静止画ズーム:10倍
- 動画ズーム:10倍
同時期に発売されたSamsung Galaxy S10/S10+などと並び、2019年夏モデルの最高スペックを持つグループの一つです。
それでは、良い点、悪い点をそれぞれまとめていきたいと思います。
良い点
21:9のディスプレイ
最大の特徴がこれでしょう。
Xperia1は実機を見れば分かりますが、異様なまでに縦長です。実際、21:9というアスペクト比は、本機以外に存在しません。
世界で一番「縦長な」スマホなのです。
これによる最大のメリットは、当たり前ですが画面に表示される情報量が多いことです。
下は、左からiPhoneXS、Xperia1、Xperia XZ3で、デイリーガジェットの画面を表示したところです。
見たら分かるように、iPhoneXSとXperia XZ3は4記事分の表示に対し、Xperia1は5記事以上分が表示されています。
「それなら、大画面のタブレットを持てばいいのでは?」と思われるかもしれません。
ただ、Xperia1を使っていると、「そうではない」ことが分かってきます。
Xperia1は、縦は長いですが、横幅は72mmと、一般的なスマホと変わりません。Xperia XZ3よりも細身なくらいです。
iPadなどのタブレットを使っていると、横に間延びしたように感じることがありませんか?
モバイルOSやウェブサイトのモバイル表示、アプリなど、ほとんどはスマホの幅に最適化されています。
そのため、単純に縦も横も伸ばしたタブレットでは、横幅方向に冗長で、無駄に幅が取られてしまうのです。
表示する情報量が同じなのに、幅だけが伸びているイメージです。
それに対してXperia1は、幅は通常のスマホと同じで縦だけが長いので、見た目は綺麗に収まっているのに、上下スクロールで見られる情報量がとても多いのです。
しかも、幅が同じということは、手に持った時にも掌に収まりやすいのです。
持ちやすく、表示できる情報量が多い。これがXperia1最大の強みです。
これにより、たとえばウェブサイト閲覧、LINEやWhat’s appなどのメッセンジャー、マップなど、多くのモバイルサイトやアプリを、広々と表示して使うことができます。
縦に長いと、こんなにも広く感じるのか、と新鮮な気持ちです。
映画のような21:9表示の動画はまだ多くはありませんが、通常の16:9動画では、左右に余白ができ、ベゼルが狭い分持ちやすくなっています。
基本性能の高さ
フラッグシップ機なので、基本性能はとても高いです。
Snapdragon 855、RAM6GBなど、現在存在するスマートフォンの中では最高峰のスペックを持ったうちの一台です。
ゲーム、高解像度動画など、何をやるにもストレスを感じることはありません。
カメラ
Xperia1の背面は、三つのカメラが並んでいます。
画質の良さはもちろんのこと、光学式・量子式ハイブリット手ぶれ補正により、ズームしたときの安定感がすごいです。
歩きながら動画撮影したときなど、「ああ、ブレブレだろうなあ」と思って再生してみると、驚くほど安定した画が撮れています。
また、暗所撮影も美しいです。
Android9.0との相性
Androidは画面上部のステータスバーから指を下にスワイプさせると、通知画面が出てきます。
その画面上で、Wi-FiやテザリングなどのON/OFFや画面回転ON/OFFをはじめとした基本的な設定も切り替えられるため、Androidユーザーにとっては多用する機能の一つです。
Xperia1が採用するAndroid9.0では、わざわざステータスバーからスワイプさせなくても、画面のどこでも下にスワイプすると通知管理画面が出てきます。
また、Android9.0では画面下に並ぶボタンのうち、一番右のメニューボタンが廃止され、ホームボタンの操作で兼用するようになっています。
上記はいずれもAndroid9.0の機能ですが、Xperia1はこれらの特徴を上手く使って、縦長でも片手で操作しやすくなっています。
美しいデザイン
Xperiaといえばパープル、というイメージを持った方は多いと思います。
Xperia1で復活したパープルは、ケバケバしさがなく上品でとても美しいです。
悪い点
さて、良かった点の次に、気になった点も書いていきたいと思います。
21:9ディスプレイ
良い点でも挙げた21:9縦長ディスプレイですが、唯一、縦持ちの時に横向きアプリを表示したときは、画面の広さを盛大に無駄にしているように感じてしまいます笑
↑はYouTube動画を縦向きで観ているのですが、動画は上の方にちょこっとあるだけですね。
スクリーンショットは↓です。
ただ、幅が狭いということはなく、他のスマホと同じサイズで見られるためよいのですが、気になる方は気になるかもしれません。
Xperia1では画面分割を推しており、上のように横向きYouTube動画を表示し、下にはウェブサイトを表示する、といった使い方が便利です。
その場合、なんと上も下もどちらも16:9で表示できます。(16:9と9:16)
つまり、一般的なスマホでウェブサイトを見ている上に、横向き再生のYouTube動画が乗っかったようなイメージです。
バッテリー
Xperia XZ3よりは多少良くなりましたが、依然としてバッテリーの持ちは良いとはいえません。
ゲームなどでヘビーに使っていると、一日はまず持ちません。
このあたりはSamsungのGalaxyに軍配が上がります。
指紋認証
Xperia1の指紋認証は、XZ1の頃の側面認証に戻りました。
Xperia XZ2、XZ3が背面認証だったのに比べて、認証エリアが狭く、きちんと認証されないストレスがたまります。
XZ3の背面認証は、はじめこそカメラ位置と近くて戸惑ったのですが、慣れると大変快適でした。
ただ、指の大きさにもよりますが、Xperia1の側面認証は認証が通らないことがかなり多いように感じます。
ポケットに入れると不安
慣れもあると思いますが、縦長なXperia1はポケットに入れると「頭一つ分」飛び出てしまうので、落としてしまわないか不安です。
おわりに
色々書いてきましたが、Xperia1は近年のXperiaの中では抜群に使い勝手が良いモデルです。
これは、「名機」入りも堅いかもしれません。
使っていて日々、「いいなあ」と思う点が出てきますので、使えば使うほど手になじんでくるようなスマホですね。
かつての「ファブレット」からそのデメリットを落とし、メリットや理想だけを抽出したようなまさに「理想型」かもしれません。
スマホの買い換えを考えているかたは、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
おわり