ハードとソフトを一体で開発しているAppleのiOSと異なり、Androidは多くの端末で最新OSが使えるわけではありません。
Googleは、Androidバージョンアップのサポートを基本的には端末メーカーや通信キャリアに任せており、メジャーバージョンアップは2回、多くても3回が一般的です。
一方、近年は中古スマートフォン市場が活況を呈しています。
そこでは、3大キャリア向け、SIMフリー、Android、iOSと様々なメーカーの様々な条件の端末が販売されています。
そこで、スペックと価格のバランスを見て、どうしても欲しい端末に搭載されているOSが古いAndroidになることもあると思います。
Android 8や9ならまだしも、6以前のバージョンであれば、「使いたいアプリは動くのか?」が気になるところです。
Google Playストアを見ても、対応バージョンが書かれているものもありますが、書かれていないものも数多くあります。
そこで今回は、実際にAndroid 6.0以前のバージョンを搭載した複数の端末を使って、どのくらい使えるか?を検証してみたいと思います。
注意)以下、あくまで編集部の端末で動作を見たもので、当たり前ですが、何ら動作を保証するものではありません。実際に利用する際は、各アプリ配布元のサポート情報をご確認ください。
検証する端末とOSバージョン
今回、検証に用いたのは、下記の端末です。
- Life Touch Note(Androidバージョン2.2)2011年発売
- Galaxy Note(Androidバージョン4.0.4)2012年発売
- Galaxy Note 3(Androidバージョン5.0)2013年発売
- Xperia J1 Compact(Androidバージョン4.4.4)2015年発売
- Xperia Z4(Androidバージョン5.0.2)2015年発売
- Xperia Z5(Androidバージョン6.0)2015年発売
古いですねえ!とはいえ、いずれもまだ10年経っていません。
もっとも古いLife Touch Noteでも、まだリリースから9年です。
それぞれ、初期化したうえで、Google Playストアから新規にアプリをインストールして、検証しました。
検証するアプリ
今回、検証したのは、多くのユーザーが日常的に使っていると考えられる下記アプリです。
- Google系アプリ
- Google Chrome
- YouTube
- Gメール
- Googleマップ
- Googleフォト
- Googleドキュメント
- Googleドライブ
- コンテンツ系アプリ
- Netflix
- Kindle
- ツール, オフィス系アプリ
- Yahoo! 乗換案内
- Microsoft Office(Word, Excel, Powerpoint)
- ゲーム系アプリ
- Call of Duty mobile
- 黒い砂漠
- モンスターストライク
- SNS, メッセンジャー系アプリ
- LINE
- Facebook messenger
- 決裁系アプリ
- Google Pay
- おサイフケータイ
端末を初期化後、Wi-Fi設定とGoogleアカウントの設定のみを行い、Google Playストアからダウンロードしました。
検証結果
では、古いOSから順に、検証結果を見ていきましょう。
Android 2.2 Froyo
まず10年前のAndroid 2.2ですが、これは全く使えません。
そもそもPlayストア(「マーケット」というアプリ名)のサポートが終了しているため、起動するとサーバエラーとなり、新しいアプリを入れられません。
プリインアプリで試すしかありませんが、YouTubeなどほとんどが「原因不明のエラー」や「サーバエラー」、「ネットワークエラー」などが表示され、動きません。
ブラウザがhttps接続のページを表示できないため、ブラウジングすらまともにできません。
唯一、Gメールと、Googleマップが若干挙動がおかしいながらなんとか動きました。
あとは全滅です。
Android 4.0.4 Ice Cream Sandwich
今回試した中で、一番微妙なバージョンが4.0系です。
この4.0系は、Playストアのサポートが公式に終了しています。
ただ、少なくともGalaxy NoteではPlayストアが起動でき、アプリのインストールや更新ができました。
下記、○になっているアプリは、インストールできたアプリです。
- Google系アプリ
- ○:Google Chrome
- ○:YouTube
- ○:Gメール
- ○:Googleマップ
- ○:Googleフォト
- ×:Googleドキュメント
- ○:Googleドライブ
- コンテンツ系アプリ
- ○:Netflix
- ○:Kindle
- ツール, オフィス系アプリ
- ×:Yahoo! 乗換案内
- ×:Microsoft Office(Word, Excel, Powerpoint)
- ゲーム系アプリ
- ×:Call of Duty mobile
- ×:黒い砂漠
- ×:モンスターストライク
- SNS, メッセンジャー系アプリ
- ×:LINE
- ○:Facebook messenger
- 決裁系アプリ
- ×:Google Pay
- ○:おサイフケータイ
インストールができたものについては、絶望的に遅いながらもきちんと動作はしました。
特にGoogle系アプリについてはほとんどが動きます。
NetflixやKindleも動いたため、コンテンツ視聴にはもしかしたらまだ使えるかもしれません。
ただ、3rdパーティ製はほとんどがインストール不可になっていますので、普段使いは難しいでしょう。
Android 4.4.4 KitKat ~ 6.0 Marshmallow
Android 4.1以降は、Playストアのサポート終了は明言されておらず、今回検証した4.4.4では多くのアプリが動きました。
一部、5以降や6以降があるので、まとめて結果を書きます。
- Google系アプリ
- ○:Google Chrome
- ○:YouTube
- ○:Gメール
- ○:Googleマップ
- ○:Googleフォト
- ○:Googleドキュメント
- ○:Googleドライブ
- コンテンツ系アプリ
- ○:Netflix
- ○:Kindle
- ツール, オフィス系アプリ
- ○:Yahoo! 乗換案内
- 4,5×、6○:Microsoft Office(Word, Excel, Powerpoint)
- ゲーム系アプリ
- 4×、5, 6○:Call of Duty mobile
- 4,5×、6○:黒い砂漠
- ○:モンスターストライク
- SNS, メッセンジャー系アプリ
- ○:LINE
- ○:Facebook messenger
- 決裁系アプリ
- 4×、5, 6○:Google Pay
- ○:おサイフケータイ
Android 4.0系までの絶望的な結果と比べると、天国のように感じました。
まず、Googleのアプリについては、Google Payが4.4.4で使えないほかは、すべて動きました。
Google Payが使えなくても、おサイフケータイアプリはかなり古い機種まで使えますので(そもそもフィーチャーフォンからありましたし)、ドコモモデルであれば電子決済に困ることはなさそうです。
アプリの見た目や挙動も、↓のようにいずれのバージョンもほぼ同じです。(写真はGメール)
もちろんYouTubeを見ても、↓のように同じく再生できます。
ゲームはさすがに差が出ており、Call of Duty mobileは4.4.4が、黒い砂漠は5についてもインストールできませんでした。
そもそもインストールできたとしても、まともに動くかどうかは別問題です。
そんな中、モンストについては、4.4.4でも起動に時間がかかりますが、起動したあとは問題なくプレイできました。↓
いわゆるソシャゲと呼ばれるジャンルは、ツムツムもパズドラも、古いAndroidでも問題なく動くものが多かったです。
そもそも重くない+ユーザーの裾野をなるべく拡げたい、という理由で、サポート範囲を拡げているのかもしれません。
Microsoft Officeについては、公式にはメジャー4バージョンサポートとなっているため、Android 10がリリースされた現在は7以降の対応となるはずですが、今現在は6でも使えるようです。
まとめ
当然と言えば当然ですが、当該AndroidバージョンがGoogle Playストアのサポート対象となっているかが、天国と地獄の分かれ目です。
つまりAndroid 4.0 Ice Cream Sandwich以前か、それより後か、の境界線です。
ゲームは本体のパフォーマンスにも大きく左右されますが、その他アプリが動くかどうかでいえば、Playストアのサポートが公式には終了していないAndroid 4.4系以降であれば、少なくともメジャーどころは多くのアプリが動作しそうです。
6.0であれば、少なくとも2020年2月現在の利用で、不自由することはあまりなさそうです。
ただ、もちろん今後1年、2年と経っていけば、徐々にサポートが終了していくため、どのくらいの期間不自由なく使えれば良いかという判断になっていきます。
また、Androidの月次セキュリティパッチは、現在8以降の配布となっています。
セキュリティ観点からは、いま使えれば良いという場合でも、8以降の利用が望ましいのは言うまでもありません。
今回の検証をして、あらためて「やっぱり新しい端末は早くていいなあ」と感じました。
おわり
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