今からちょうど10年ちょっと前、「ネットブック」というカテゴリのノートパソコンが流行りました。
10インチ前後と小型で、5万円以下という低価格、そしてAtomという低速なCPUを搭載しており、ネットやメールを見ることを主眼に置いた廉価で小型、そして低速なノートパソコンです。
安くて小さいので、買った当初はワクワクするのですが、使っていくと次第にその遅さがストレスとなり、ネットやメールでも遅すぎて使わなくなり、当初の期待は後悔と憎悪に変わっていくという魔力を持ったカテゴリだったので、当時買った人にとっては、あまり良い思い出ではないのではないかと思います。
今回、Jumperというメーカーから「EZbook X1」というノートパソコンが送られてきて、開封した瞬間に「あ、ネットブックっぽい」と思いました。
動作速度は使ってみないと分からないので、外観がです。つまりコンパクトだということです。
↓の写真では13インチくらいに見えるかもしれませんが、実際は想像以上にコンパクトです。
2万円台という価格、小型でコンパクトな筐体からそういった連想をしたのですが、実際の所どうなんでしょうか。
メーカーであるJumper TECHのこちらの直販サイトで、26,000円ほどで販売されています。PayPalでも購入できます。
というわけでJumper EZbook X1、レビューしていきたいと思います!
スペックと外観
同梱物ですが、コンパクトな外箱には、本体とUSB Type-C充電器、ユーザーマニュアルのみというシンプル構成。
スペックは下記の通りです。
- モデル名:Jumper EZbook X1
- CPU:Celeron N3450(Apollo Lake世代)
- RAM:6GB DDR4
- ストレージ:128GB
- ディスプレイ:11.6インチ(1920×1080)
- カメラ:2MP
- 通信:Wi-Fi 802.11ac, Bluetooth 4.0
- サイズ:274.6 x 187.7 x 13.6 mm
6GB RAM、11.6インチでFullHDというのは悪くないのですが、CPUがApollo Lake世代のCeleron N3450です。普段使いしようと思ったら、CeleronはN4100でようやく使い物になると思っていましたので、処理速度が心配です。そこは後ほど見ていきましょう。
特徴は、↓のようにディスプレイが360度回転してタブレットにもなる”Yoga”機構です。もちろんタッチ操作にも対応しています。
液晶保護フィルムは最初から貼られています。
タブレット形状にしたときは、キーボードやタッチパッドの操作が無効化されます。
もう一つの特徴は、やはりなんといってもそのコンパクトサイズ。
↓のようにスマホと比べると、その小ささがわかりやすいかも知れません。
13インチのMacBook Proと比べたら、↓のような感じ。うん、小さい。この小ささは素晴らしいです。
重量は実測で1kg少々となっています。薄くて小さいので、これよりも軽く感じますよ。
アルミ外装の天板にはJUMPERのロゴがついています。MacBookよりも縁のラウンドが平坦で、より板っぽくなっています。
そして薄い。全面にわたってほぼ均一な薄さなので、より一層「薄い板」な印象を受けます。作りはしっかりしており、安っぽいペコペコ感やプラスチッキーさは感じません。薄いアルミ外装に、しっかり「詰まっている」印象です。
ポート類は、microSDカードスロット、USB Type-C、micro USB、micro HDMIがついています。Type-CとmicroUSBの組み合わせは珍しいですね。
左側面には、電源、音量ボタンと、3.5mmイヤホンジャックです。作りはタブレットのようです。
底面には、M.2 SSDスロットがついています。また、シールには技適マークもプリントされています。
M.2 SSDスロットはプラスドライバーで簡単に開けられますが、マニュアル含めて規格が書いてありませんので、正確なTypeは分かりません。小さいので2230とかそのあたりじゃないかと思うのですが。
ベゼルですが、3辺(上左右)は1cm少々と一般的ですが、下辺は厚いです。Windowsマークがついていますが、これはスタートメニューを表示するボタンとして機能します。
フロントに2MPのwebカメラがついていますが、場所が特徴的です。右下についています。
充電は、付属の充電器もUSB Type-Cで、汎用のUSBチャージャーでも給電可能です。
キーボードは悪くない
アイソレーションのUSキーボードが搭載されています。11インチでフットプリントも狭いですが、左右に広く配列されていますので、窮屈さはあまり感じません。
キーピッチは実測で約17mmです。
フルサイズよりは2mmほど小さいですが、成人男性の手でもそれほど窮屈さを感じることなくタイピング可能です。タッチパッドもこのサイズにしては広めに取られており、コンパクトながら入力環境は比較的優秀です。
ストロークは浅く、軽い力でタイピングできます。有名どころでいえばVAIOのキーボードに打ち心地はちょっと似ています。
動作速度、使い勝手
さて、では肝心な動作速度、見ていきましょう。
まずCINEBENCH R20のスコアですが、↓のように210ptsでした。
省電力CPUで、ライト用途であれば十分な速度を持ったCeleron N4100やCore m3-8100Yが400ちょっとなので、その半分です。
これは、画像編集やゲームはもちろんのこと、一般的な用途であっても、使い方を考えないと厳しいでしょう。
具体的には、まさにかつて「ネットブック」に期待されていた使い方すなわち「ネットとメール」くらいだと思います。あとは人によってはテキスト打ちでしょう。
そのあたりは後ほどもう少し考察するとして、ストレージのスコアは↓の通り。
うん、こちらも低いですね。ストレージアクセスも、高速とはいえません。
画面は11.6インチのFullHDなので、高精細です。発色も良く、タブレットやスマホの画面をイメージすればその通りだと思います。
動画視聴も、再生が始まれば特に問題なくできます。ただ、再生が始まるまでの時間は、普段高速なPCを使っていると、やはり引っかかりを感じると思います。音質はお世辞にも良いとはいえません。
使っていると、タスクの切替やソフトウェアの起動など、CPUパワーを使う曲面で引っかかりがあります。
かつてネットブックに搭載されていた世代のAtomほどひどくはありませんが、Windows Updateにも時間がかかりますし、オフィスソフトなどの一般的なビジネスソフトの動作も遅く、快適とはいえません。
やはり使い方としては、「ネットとメール」になると思います。
ブラウジングであれば、それほど大量のタブを開かなければ許容範囲の動きにはなりますし、キーボードやタッチパッドは比較的快適なため、メールやテキスト打ち用途には悪くないと思います。
ただ、Windowsだからと、色々なソフトを入れ始めたり、クラウドサービスをバリバリ使い始めると、ストレスが溜まってしまうと思います。
ブラウザで多くのタブを開き始めても同様です。
かつてどこかの書店で、(どなたかは覚えていませんが)有名なライトノベル作家が愛用していたというノートPCが展示されており、作家らしく極限まで使い込まれたキートップはすり減っており、機種はまさにASUSのネットブックでした。
おそらくその方は、そのネットブックをまさに「テキスト打ち」のために使っていたんだと思います。
そのように、テキスト打ちや、この機種であれば軽いブラウジング、メールあたりの用途に本当に限定して使うのであれば、使えると思います。
ただし、それ以上を期待する場合、具体的にはWordやExcelなどのオフィスソフトや、ブラウジングであっても常時複数タブを開いて重めのサイトを見たり、あるいは画像閲覧・編集、複数ソフト利用などをやり始めると、かなりストレスが溜まるでしょう。
「ネットブック」としての利用に限定する方であれば、2万円台ですし、サブ機として検討してみても良いかも知れません。
「Jumper EZbook X1」は、メーカーであるJumper TECHのこちらの直販サイトで、26,000円ほどで販売されています。PayPalでも購入できます。
コメント
私の購入したJumper EZbook X1は増設用の空にM.2 2242 240GBを取り付けたらドライブ0で認識、systemはドライブ1で稼働してます。参考までに