全世界的にその登場が熱望されているSteam Deck。おなじみSteamを運営するValveが投入するポータブルゲーム機です。
人気がありすぎて入手可能になるのが2022年という状況なのですが、今回ゲーム制作会社のGamera Gameさんに、特別にSteam Deckの実機をいじらせていただきました。
システムUIの部分は開示不可で、テストプログラムの操作だけではあるものの、これまで分からなかった本機の魅力がいくつも見えたのでレポートします。
スペック等の概要は最後のセクションにまとめてありますので、Steam Deckをご存じない方は本記事の最後をご覧ください。
実機の特徴:思ったよりも軽い
本体は↓のように、ゲームギアを彷彿とさせるゴツいデザイン。
ジョイスティック、方向キー、A/B/X/Yなどは一般的なゲーム機同様なのですが、特徴として左右それぞれにタッチパッドがついています。
これで、視点移動など、通常のPCゲームではマウスを使って行う操作が、かなり滑らかにできます。
ポータブルゲーム機はマウス操作に比べて素早い視点移動が苦手だったりするのですが、そのペインポイントをこういう形で潰したのは賞賛に値します。なお、タッチパッド部もクリッカブルで振動フィードバックがありました。
開示スペックでは重量669gで意外に重いのかな?と思っていましたが、実際に持つと軽いと感じました。
さすがに約400gのSwitchなどと比べれば重量感がありますが、一般的なゲーミングUMPCと比べれば軽く感じます。
また、一見するとゴツい本体ではありますが、↓のようにグリップ部以外はかなり薄くなっています。これが軽く感じさせる理由かもしれません。
また、上に見えるとおり、上部にはL1/L2、R1/R2、音量、電源ボタンのほか、USB Type-Cポートと廃熱穴があります。
また、底面には↓のようにmicroSDカードスロットが。
背面には、L3/L4、R3/R4ボタンもあります。ほとんどのタイトルで不自由しないキー数が用意されています。
動きは滑らかでサウンドも良好
今回、テストプログラムということで、具体的な性能まで計測することはできませんでした。ただ、3Dでそれなりの負荷があるであろうプログラムでしたが、ジョイスティックやボタン操作との連動を含め、動きは滑らかでした。
意外だったのはサウンドです。2点驚きポイントがありました。
1点目は音質です。これは思ったよりも重厚なサウンド。
2点目は音量です。音量を上げていくと、このサイズにしてはかなりの音量が出ます。
ヘッドホン着用がベストではありますが、本機のスピーカーでプレイしても十分に迫力あるゲームサウンドが楽しめそうです。
純正ポーチは巨大
本体こそ想像よりもコンパクトでしたが、純正のポーチはかなり巨大です笑
パカッと開くと緩衝材に包みこむようにSteam Deckを収納できるのですが、緩衝材の体積が多く取られていることで、ポーチ全体では特に厚みが5cmほどありそう。
以上、Steam Deck実機のハンズオンでした。
特に左右タッチパッド搭載が素晴らしく、これによりポータブルゲーミングがかなり捗りそうです。
あとは本格的な有名タイトルをバリバリプレイしてみたい!というわけでこれは物欲を大いにそそられる完成度でした。
↓でお伝えしたように、microSDブートやWindows含めたマルチOSブートにも対応するなど、PCとしても面白いものになっています。
一日でも早い日本への投入を期待したいですね!
Steam Deck概要
最後に、Steam Deckのスペックその他概要をおさらいしておきます。
本機はArc LinuxベースのSteam OS 3.0が稼働し、スペックは下記の通り。
- CPU:AMD APU Zen 2(4コア8スレッド、最大448 GFlops FP32)
- GPU:8 RDNA 2 CU(最大1.6 TFlops FP32)
- RAM:16GB LPDDR5
- ストレージ:
- 64GB eMMC(PCI eGen 2 1枚)
- 256GB NVMe SSD(PCIe Gen 3 4枚)
- 512GB 高速NVMe SSD(PCIe Gen 3 4枚)
- 拡張ストレージ:microSD
- OS:SteamOS 3.0(Archベース)
- デスクトップ:KDE Plasma
- ジャイロセンサ:6軸IMU
- ディスプレイ:7インチ(1280×800)
- 外部出力:8k@60Hzまたは4k@120Hz(DP 1.4 Altモード搭載USB-C/USB3.2 Gen 2)
- 輝度:400ニト
- リフレッシュレート:60Hz
- Bluetooth:5.0
- Wi-Fi:2.4GHz/5.0GHz 2×2 MIMO
- バッテリー:40Whr
- バッテリー駆動時間:2~8時間のゲームプレイ
- サイズ:298x117x49mm
- 重量:約669g
カスタムAMD APUとなるZen 2の性能は高く、最新の3Dゲームを中~高画質でスムーズに動かす性能があります。
Steamはシームレスに一体化されており、↓のように各タイトルの検索・購入・インストール・プレイまでが快適にできます。
Steam OSはProtonベースで、ProtonはWindowsとLinuxの両方のゲームを含めたソフトウェアを動作させられるだけでなく、本機にはWindowsをインストールすることも可能であることが明らかになっています。
まず先行して発売されるのはアメリカ、カナダ、EU、イギリス。それ以外の地域は、2022年の出荷になる予定です。
現在、対象地域では、Valveのサイト上で予約を受け付けており、出荷は2021年12月予定。ただしディマンドの強さから、多くのユーザーは2021年中には入手できないだろうと予想されています。
極めつけは価格です。
3種類あり、一番低いスペックの64GBモデルが399ドル(約4万4000円)、256GBモデルが529ドル(約5万8000円)、最上位モデルの512GB版が649ドル(約7万1000円)です。
また、全モデルでmicroSDによるストレージ拡張に対応。
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