今回は、9月1日に発売されたサムスンの新型Androidタブレット「Galaxy Tab S9」を購入したので、レビューしていきたいと思います。
Snapdragon 8 Gen 2 Platform for Galaxy搭載で、まごうことなきAndroidタブレット世界最高峰の性能と完成度です。
ペンが付属し、別売りのキーボードケースと組み合わせた使い勝手も絶品です。
Galaxy Tabシリーズは、11インチの無印、12.4インチの+(プラス)、14.6インチのUltraがあります。
昨年までのS8では、なぜか日本では無印のみ展開がなかったのですが、今年のS9ではめでたく無印も含め全展開。
というわけで今回は、11インチのGalaxy Tab S9無印のレビューになります。
アマゾンでは売り切れていて(そのうち補充されると思います)、Galaxyのオンラインストアでも売り切れています。家電量販店や楽天では現時点では売られています。
本機は↓で動画も配信しています。
外観とスペック
まず、3兄弟のスペックと価格を見ておきましょう。
Galaxy Tab S9 Ultra |
Galaxy Tab S9+ |
Galaxy Tab S9 |
|
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 Platform for Galaxy | Snapdragon 8 Gen 2 Platform for Galaxy | Snapdragon 8 Gen 2 Platform for Galaxy |
画面サイズ | 14.6インチ | 12.4インチ | 11インチ |
解像度 | 2960×1848 | 2800×1752 | 2560×1600 |
RAM/ROM | 12GB/512GB | 12GB/256GB | 8GB/128GB |
カメラ(リア) | 13MP広角 8MP超広角 |
13MP広角 8MP超広角 |
13MP広角 |
カメラ(フロント) | 12MP広角 12MP超広角 |
12MP超広角 | 12MP超広角 |
バッテリー容量 | 11,200mAh | 10,090mAh | 8,400mAh |
厚さ | 208.6 x 326.4 x 5.5mm | 185.4 x 285.4 x 5.7mm | 165.8 x 254.3 x 5.9mm |
重量(5G/Wi-Fi) | 737g/732g | 586g/581g | 500g/498g |
防水防塵 | IP68 | IP68 | IP68 |
microSD | 対応(最大1TB) | 対応(最大1TB) | 対応(最大1TB) |
Sペン | 同梱 | 同梱 | 同梱 |
センサ | 加速度・指紋・ジャイロ・地磁気・ホール・照度 | 加速度・指紋・ジャイロ・地磁気・ホール・RGB照度 | 加速度・指紋・ジャイロ・地磁気・ホール・RGB照度 |
USBバージョン | USB3.2 Gen1 | USB3.2 Gen1 | USB3.2 Gen1 |
GPS | 対応 | 対応 | 対応 |
価格 (サムスン直販) |
209,799円 | 162,599円 | 124,799円 |
大きな違いは、画面サイズ、メモリ、カメラの数です。
SoCは同じなので、処理性能は変わりません。自身のタブレット用途と予算状況に照らし合わせて、ベストなものを選びましょう。
なお、S9からは防水対応になっています。
続いて同梱物ですが、↓のようにタブレット本体のほかに、SペンとmicroSDスロットピン、USB-Cケーブル、マニュアル類です。
後述するようにGalaxy Tab S9のUIはペンやキーボードと完全シームレスに一体化しており、タブレットの使い勝手がかなり向上します。
動画やゲーム目的であれば不要ですが、そもそも10万円超えのタブレットを購入するという方は大半がお仕事やお絵描きなど何らかアウトプットのためというのがほとんどでしょう。
その場合は、本機はペンやキーボードをフル活用しましょう。(ただ、Book Cover Keyboardは無印~Ultraそれぞれ2~3万円と、それなりにインパクトのある価格です)
Dynamic AMOLED 2X(有機EL)ディスプレイの表示品質は、言うまでもなく非常に美しいです。リフレッシュレートは120Hz、HDR10+対応。ベゼルも狭く、11インチでも広く感じます。
手に取ってまず一番驚くのが、その薄さです。わずか5.9mmと、衝撃の6mm切り。一般的なAndroidタブレットは、安いものが8mm、薄さを訴求したもので7mm台で、6mm台だと相当薄い方ですが、本機はさらに5mm台。一線を越えています。過去Xperia Tablet以外ではお目にかかったことのない薄さです。
短辺にはそれぞれ片側2スピーカーのクアッド構成。AKGのクアッドスピーカーシステムに、Dolby Atmosサラウンド対応です。
上部には電源ボタンと音量ボタン、microSDカードスロットとマイク穴。
底面にはキーボードケースに接続する端子です。
背面にはスピーカーシステムのAKGロゴとSamsungロゴ。ちなみに上部のスリットは、Sペン装着箇所です。
付属のSペンを、↓のように装着します。自動でペアリングと充電が行われます。
下記でレビューした「Xiaomi Pad 6」は安くて良いのですが、ペンの装着磁力が弱く、すぐに外れるのが難点でした。
その点Galaxy Tab S9の磁力は強力で、(やらないですが)タブレットを振り回しても落ちません。
なお、ペンの使い勝手は後述しますが、↓のように1ボタン式。
続いて別売りのキーボードケース「Galaxy Tab S9 Book Cover Keyboard」を見ておきます。
高いだけあって品質は上質です。タッチパッドは付いていません。
外側から見ると↓の通り。
↓のように立てかけて使います。
確度は↓の通り。
ちなみにペンは↓のようにカバー上部が折れ曲がってカバーしてくれます。
この機構は素晴らしく、側面装着式で落とす不安がつきまとうiPad Pro/AirやXiaomi Pad 6よりも明確に優れたポイント。
本体の重量は実測で500g。10インチクラスですと400g台が多いのでそれよりは重いですが、11インチで超薄型なので、とても軽く感じます。
ペンを入れると509g。
さらにキーボードケースを加えると791gです。
キーボードケースとペンがセットで800gを切っているので、軽量な2-in-1マシンといえます。
iPad Airと並べたところが↓。他Androidタブレット同様に、iPad Airよりも長辺が長く短辺が短いです。
11インチのXiaomi Pad 6と並べると、ほとんど同じサイズ・縦横比。
ほぼ11インチのPixel Tabletともだいたい同じくらいです。
Galaxy Tab S9と持ち比べると、特にPixel Tabletの重さと分厚さが際立ちます。
完成度高すぎなキーボードとペン
続いては、本機の真骨頂ともいえるキーボードとペンの使い勝手を見ていきましょう。
PCライクに、どころか作業によってはPCよりも素早く効率的に使えます。
キーボード配列は↓の通り英字配列。変則的な部分も少なく、素直な配列です。
キーピッチは17mmなので狭めです。
ですが大きめの手でも問題なくタッチタイピング可能です。難点を挙げるとすれば、ハイフン位置が左寄りなので、慣れるまで「=」記号と打ち間違えが何度かありました。
キーボードを接続すると、Samsung DeXというモードに切り替えられます。(切り替えないことも、またキーボード無しで切り替えることもできます)
このモードはAndroidをPCのように使える機能で、Galaxyスマートフォンの上位機種にも搭載されています。スマホの方では、外部ディスプレイ出力した際などにこのモードに切り替わります。
アプリを開くとウィンドウに表示され、重ね合わせなどがまさにWindowsのようになります。
ペンとの相性も良く、ウィンドウの大きさ変更や各種操作はペンでも快適です。
また、キーボードソフトはGboardでなくSamsungキーボードがデフォルトです。(もちろんGboardを使うこともできます)
ただ、本機のキーボードと組み合わせるのであれば、Samsungキーボードがベストです。
たとえばスペース右の「Lang」キーを押すと日本語・英語切り替えができたり、入力時にファンクションキーが使えたりと病みつきになります。
なお、パスワードの自動入力もデフォルトでは「Samsung Pass」というアプリですが、さすがにGalaxyだけ使っているわけではないのでこれはGoogleの方が便利。
「設定」→「一般管理」→「パスワードと自動入力」で下記画面が開き、ここの「自動入力サービス」を「Google」に変えればOKです。
Samsungキーボードを使うと、入力時に↓のように画面下部にファンクションが表示され、ファンクションキー(Fn+数字)で様々なショートカットとして機能します。
ペンによる手書き入力は、ペンタップしてFn+5でスムーズ。
Sペンは、↓の一番右です。左からXiaomi Pen、第2世代Apple Pencil、初代Apple Pencil、Sペンです。Sペンは一番短く、一番軽いです。
追随性は高く、遅延などはほとんど感じません。
Galaxy Noteシリーズから受け継いだSペンの使い勝手は洗練されています。
画面右にペンアイコンが薄く表示されていて(見えなくなったらペンのボタンを押すとアイコンが震えて場所を示してくれます)、ペンでタップするとスクリーンキャプチャや手書きノートなどに一発アクセス可能。
キャプチャを取って、それをノートに貼り付けてメモ書きをして、といった作業がとてもスムーズに行えます。
できることは複雑なのですが、迷わず様々な操作ができるよう、UIの随所に工夫が凝らされています。
UIの作り込みがすごい
UIの話になったので、UIの作り込みについて見ていきましょう。
↓の設定画面を見ても分かるように、完全にタブレット利用のために作り込まれたUIになっています。ここまできちんとカスタムされたタブレットの設定アプリはほとんど見たことがありません。
ブラウザを見ていても、PCと変わりなく閲覧できますし、
分割画面操作もGalaxyのOneUIオリジナル。
たとえば通常固定されていることが多い分割比率ですが、本機は自由な比率で割ることができます。
もちろんフローティングウィンドウもできますし、分割画面とフローティングウィンドウの切り替えもスムーズ。
他タブレットではYouTubeが分割に対応していなかったりするのですが、Galaxy Tab S9では非対応のアプリが今のところありません。
ちなみに本機は画面内指紋認証対応です。アンロックからの立ち上げがスムーズなのも素晴らしいポイント。
爆速性能を堪能
Snapdragon 8 Gen 2搭載ということで、性能は言うまでもなく現行最高クラスです。
Geekbench 6のスコアは、シングルコアが2,063、マルチコアが5,431でした。
GPUスコアは9538。
ストレージ読み書きも爆速で、シーケンシャルリードは1.25GB/sとなっています。廉価スマホの10倍くらい速いです。
原神のデフォルトは画質「中」ですが、もちろん「最高」でも動きます。
「最高」にして再起動しても、ヌルサク快適です。
ペンを片手にブラウジングも電子書籍も快適そのもの
ペンでスクロール、ボタンを押しながらペンでなぞると文字選択、気になった場所はキャプチャしてメモアプリに貼り付けなど、ペンを使いながらの読書やブラウジングは、慣れれば慣れるほど快適になります。
YouTubeは↓のように16:9で上下黒帯がつきます。
活字本を見開きにしても、11インチでは問題なく読めます。
マンガも横持ち快適です。
一応写真も
13MPのシングルカメラですが、撮影品質はそこそこ悪くありません。
↓はPixel 7 Pro。
↓まで迫れます。
↓の暗所も、
ナイトモードにすれば明るく撮れます。↓
まあ、タブレットですし、そこまで高いカメラ性能は期待せず、メモ程度に考えておいた方が良いでしょう。商品ページでも特に大きくは訴求されていません。
不満ナシなAndroidタブレットならこれ一択
以上、色々と見てきたGalaxy Tab S9。
最新最高チップセットSnapdragon 8 Gen 2搭載の唯一のタブレットです。
処理性能だけでなく、ディスプレイ品質やサウンド品質、キーボードやペンの使い勝手、UIの作り込みなど、全方位でまさに最強至高のAndroidタブレットです。
これに対抗できるものは、iPad ProやiPad Airだけでしょう。
というわけで、最高品質のAndroidタブレットをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください!
お値段に見合ったクオリティです。
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