Huaweiが、6月20日に開催した年次開発者会議にて、独自OSの最新版「HarmonyOS 6」のベータ版を正式に発表しました。
今バージョンでは、Androidアプリのサポートを完全に廃止し、AI統合と開発者支援に重点を置いた設計が特徴です。
中心となるのは「Harmony Agent Framework(HMAF)」と呼ばれる新たなAIフレームワーク。
HMAFは、システムレベルでの認識・計画・実行を備えたネイティブAIエージェントをHarmonyOSに導入するもので、従来のエッジAIエージェントを超える体験を目指しています。
Huaweiによれば、このAIは20兆トークンという膨大なデータで訓練されており、今後の展開が注目されます。
実際のデモでは、音声エージェント「Xiaoya」に「西洋美術史に関するポッドキャストを探して」と指示することで、ユーザーの意図を自然言語で理解し、対話を通じてさらに内容を絞り込んでいく様子が披露されました。
Honorが開発中のAIエージェントに似たアプローチで、Huaweiは現在、50種類以上のインテリジェントエージェントの開発を進めているとしています。
アプリエコシステムに関しては、HarmonyOS上で現在3万本以上のアプリ・メタサービスが稼働しており、オープンソース版「OpenHarmony」を用いたソフトウェアも1,200本を超えたとのこと。
ただし、Huaweiが掲げる2025年までに10万アプリという目標にはまだ遠く、AppleのApp Store(開発者数3,400万人超、年間取引額1.3兆ドル)といった競合エコシステムとの差は大きいのが現実です。
開発者支援策としては、AIによるコード生成支援ツール「DevEco CodeGenie」も新たに発表。HarmonyOS特化の知識ベースを活用し、コード補完や文法エラーの解消、QA支援などを提供するもので、開発効率の向上が期待されています。
Huaweiによると、Syntaxエラーの約70%を解決し、機能的なコード継続生成も40%の確率で行えるとのことです。
今後のHarmonyOSとそのAI基盤の進化に期待したいところです。