電子ペーパーディスプレイで知られるE Ink社が、ノートパソコン向けの新しいタッチパッドを開発しています。この新型タッチパッドは、E Inkディスプレイを内蔵しており、デザインをワンタッチで切り替えられるというユニークな機能を備えています。
従来のタッチパッド搭載スクリーンといえば、たとえば「ASUS Zenbook 14」のScreenPadのような例がありますが、E Inkが提案するのは一味違います。その最大の特長は、非常に低い消費電力です。E Inkの電子ペーパーは、表示を切り替える時のみ電力を消費する仕組みのため、タッチパッドの表示を変えてもバッテリーへの影響が極めて少なく済みます。
このePaperタッチパッドでは、天気予報ウィジェットやメモ機能などを表示できるほか、AIアプリケーションとの連携で、会議やビデオチャット中の文字起こしや要約などもリアルタイムで表示可能とのこと。また、頻繁に使うアプリやOS機能へのショートカットも配置できるため、実用性も期待されます。
ただし、E Inkならではの白黒表示限定や応答速度の遅さといった制限もあり、動画表示などには不向きです。また、バックライトがないため、暗所での視認性に課題が残る点も留意が必要です。
現在、このタッチパッドが市販のノートPCに搭載されるかどうか、またその時期については明らかにされていませんが、Intel Smart Baseプラットフォーム向けの「超薄型モジュール」として、既存のIntel搭載ノートへの組み込みは容易だとE Inkはアピールしています。