Windows PC向けの本格的な外付けトラックパッドとして話題を集めていた「HyperSpace TrackPad Pro」の出荷が、無期限で延期されることがわかりました。開発元のHyperはKickstarterの支援者に対し、全額返金またはストアクレジット(+50ドルのおまけ付き)での補償を用意しています。Bluetooth 5.2、240Hzレスポンスレート、ピエゾ触覚エンジンなど、Windows Precisionドライバー対応の外付けトラックパッドとしては他にないスペックだっただけに、残念なニュースです。

サプライチェーンの問題で出荷は白紙に――返金の中身は?
HyperSpace TrackPad Proは、2025年秋にKickstarterでのクラウドファンディングをスタートし、2026年3月に届く予定でした。ところがHyperが支援者に向けて出したアップデートによると、海外の部品サプライヤーとの間でトラブルが起き、調達先の見直しが必要になったとのことです。新しい出荷時期のめどは立っておらず、実質的に「いつ届くかわからない」状態になっています。
これを受けてHyperは、2つの返金方法を提示しています。ひとつは支援額をそのまま現金で返すパターン。もうひとつはHyper Shopで使えるストアクレジットとして返すパターンで、こちらを選ぶと50ドル分のボーナスが上乗せされます。ボーナスはHyperが販売しているドック、充電器、キーボード、マウスなどに使えます。クラウドファンディングでは製品も返金も手に入らないケースが珍しくないので、この対応はかなり良心的と言えるでしょう。
「他に選べるものがない」からこそ注目されていたスペック
HyperSpace TrackPad Proがここまで期待されていた背景には、Windows PC向けのまともな外付けトラックパッドがほとんどないという事情があります。macOSにはApple純正のMagic Trackpadがありますが、Windowsで「つないですぐ使える」ものを探すと、オープンソースのPloopy TrackPadか、AliExpress・Amazonで売られている当たりはずれの大きい安価な製品くらいしか見つかりません。

HyperSpace TrackPad Proのスペックは、この穴をしっかり埋める内容でした。本体は166.9 × 103.4 × 13mmで、ボディはアルミ製、表面はガラス仕上げです。ベゼルはたった0.5mmしかなく、表面のほぼ全体がタッチ操作に使えます。つなぎ方はUSB 2.0 Type-Cの有線と、Bluetooth 5.2のワイヤレスの2通り。1,000mAhのバッテリーを内蔵し、1回の充電で最大4週間もちます。
中身の機能も充実しています。Windows Precisionドライバー対応で、レスポンスレートは240Hz、パームリジェクション付き。ピエゾ素子によるハプティックフィードバックも搭載しており、軽く触れるタップと強く押し込む「ディープクリック」を使い分けられます。この圧力感知はPloopy TrackPadにはない機能です。さらに、トラックパッドの四隅にショートカットを割り当てられる「ダイナミックアクションゾーン」を最大4つまで設定できる専用アプリも用意されていました。
109ドルで手に入るチャンスは今だけかもしれない
Kickstarterでの支援価格は109ドルでしたが、サプライチェーンを一から組み直すとなると、製品版ではこの値段をキープするのは厳しいでしょう。Hyperはドックや充電器の分野で実績があるメーカーなので、プロジェクト自体がなくなる心配は少ないと考えられますが、届く時期がまったく読めない以上、待てるかどうかは人それぞれです。
それでも、Windows Precisionドライバー対応・Bluetooth接続・ハプティックフィードバック・圧力感知クリックをひとまとめにした外付けトラックパッドは、今のところ他にありません。マウスやキーボードと比べて選択肢が極端に少ないこのジャンルで、HyperSpace TrackPad Proは代わりのきかない一台です。外付けトラックパッドで快適な操作環境を作りたい方にとって、返金せずに待つのは十分アリな判断でしょう。続報は要チェックです。




