
軽量化と引き換えに拡張性が犠牲になる昨今のモバイルノートPC市場において、スペインのPCメーカーSlimbookが投じた一石が際立っています。同社が発表した2026年モデルの「Slimbook Executive」は、わずか1.2kgの14インチ筐体に、航空機内持ち込み上限に迫る99Whの大容量バッテリーを搭載。さらに、ユーザーによる交換が可能なメモリスロットを備え、最大256GBという規格外のRAM容量に対応します。Intel Core Ultra(Arrow Lake)プロセッサとLinux OSを選択可能な柔軟性を併せ持ち、スペックに妥協したくない人にとって、見逃せない一台になるはずです。
1.2kgの筐体に99Whバッテリーと「メモリ256GB」の拡張性を凝縮
本機の最大の特徴は、携帯性とスペックの常識外れなバランスにあります。通常、1.2kgクラスの14インチノートPCであれば、搭載されるバッテリーは50Whから70Wh程度が相場です。しかしSlimbook Executiveは、この重量で99Whという巨大なバッテリーセルを内蔵しています。これは16インチ級のワークステーションに匹敵する容量であり、モバイル環境における稼働時間を劇的に延ばすはずです。
また、特に注目したいのが「改造のしやすさ」です。昨今の薄型ノートPCではオンボードメモリが主流ですが、本機はユーザー交換可能なDDR5-5600メモリスロットを装備し、最大256GBまでの増設をサポートしています。ストレージに関してもM.2スロットを2基備え、PCIe 4.0接続で最大16TBまで拡張可能です。仮想マシンを多数立ち上げる開発者や、外出先で大容量データを扱うエンジニアにとって、代わりがない一台と言えるでしょう。
Arrow Lakeプロセッサと2.8K 120Hz液晶でワークステーション級の性能
心臓部には、Intelの「Core Ultra 7 255H(Arrow Lake)」プロセッサが採用されています。2026年時点での最新世代であるPanther Lakeではありませんが、Arrow Lakeは昨年に投入された実績のあるチップであり、モバイルワークステーションとして十分な処理能力を提供します。
ディスプレイには14インチの2.8K(2880 x 1880)IPS液晶を採用。リフレッシュレートは120Hz、輝度は500nitsを確保しており、滑らかな描画と屋外での視認性を両立しています。アスペクト比の高い高解像度パネルは、コードの記述やドキュメント作成における生産性を高めるでしょう。
さらに、筐体側面には豊富なインターフェースが並びます。Thunderbolt 4に加え、USB 3.2 Gen 1 Type-Aを3基、HDMI 2.1、そしてビジネス用途で需要の高いギガビットイーサネット(RJ45)やSDカードリーダーまで完備しています。ドングルを持ち歩く必要がない点は、実用性を重視するユーザーにとって大きなメリットです。

海外市場での評価と選択の指針
OSの選択肢が豊富な点もSlimbookならではの魅力です。Windowsに加え、Debian、Ubuntu、Fedora、Linux Mintなど、主要なLinuxディストリビューションをプリインストールした状態で購入できます。無線LANカードも、Linuxでの互換性を重視したMediaTek製(Wi-Fi 7対応)か、Intel製(Wi-Fi 6E対応)を選択可能です。
価格は1326ユーロ(約1534ドル)からとなっており、このスペックとクオリティを考慮すれば、極めて競争力の高い設定です。日本国内への直接発送可否はアナウンスされていませんが、これだけの仕様を詰め込んだ14インチ端末は、グローバル市場を見渡しても稀有な存在です。既存の軽量ノートPCのバッテリー持ちや拡張性に不満を抱いていた方にとって、個人輸入の手間をかけてでも入手する価値のある、有力な候補となるはずです。



