タフネススマートフォンで知られるOukitelから、デザインに特化した新型エントリーモデル「P1 Pro」が登場しました。Amazon.comでの販売価格は209ドル(約3万円)という低価格ながら、iPhone 17 Pro を意識したとされる外観と、120Hz駆動のAMOLEDディスプレイを採用している点が特徴です。5G非対応という明確な割り切りがある一方で、Sony製イメージセンサーや最新のAndroid 15を搭載するなど、単なる廉価機には留まらない仕様となっています。スペックの詳細を解説します。
デザイン重視ながらIMX766とAMOLEDを採用した実力派の構成
「P1 Pro」の最大のトピックは、その筐体デザインとディスプレイ仕様です。厚さ約8.1mm(0.32インチ)、重量約187g(6.6オンス)という薄型軽量ボディに、6.7インチのAMOLED(有機EL)パネルを搭載しています。このクラスのスマートフォンでは液晶パネルが採用されることも多いなか、FHD+解像度(1080 x 2412)かつリフレッシュレート120Hzに対応している点は、コンテンツ消費用端末として一定の評価ができます。ただし、標準輝度は500ニトに留まっており、屋外での視認性には限界があるスペックです。
心臓部となるSoCには、MediaTek製の「Helio G100」を採用しています。これは4G通信に特化したチップセットであり、重い3Dゲームの動作には不向きですが日常的なブラウジングやSNSの閲覧には十分な性能を持ちます。メモリ(RAM)は4GBまたは8GB、ストレージは256GBまたは512GB(UFS 2.2)が用意されており、エントリークラスとしては十分な容量を確保しています。
特筆すべきはカメラ構成で、メインカメラには定評のあるSony製センサー「IMX766」(5000万画素)を採用しています。多くのミドルレンジ機で採用実績のあるセンサーであり、ソフトウェア処理次第では価格以上の画質が期待できます。これに加え、200万画素のマクロカメラと深度センサー、フロントには3200万画素のカメラを搭載しています。
5G非対応とアップデートの課題、拡張性で見る「割り切り」
本機を検討する上で避けて通れないのが、通信規格とソフトウェアの課題です。「Helio G100」の採用により、本機は5G通信に対応しておらず、4G LTEまでのサポートとなります。都市部で高速通信を常用するユーザーにとっては、メイン端末としての使用は厳しいと言わざるを得ません。
また、OSには最新の「Android 15」ベースのシステムがプリインストールされていますが、Oukitelのような中小規模メーカーのエントリーモデルでは、メジャーOSアップデートや長期的なセキュリティパッチの提供が保証されないケースが一般的です。この点において、長期間メイン機として利用するには少し不安が残ります。
一方で、物理的な拡張性は確保されています。デュアルSIMスロットの一方はハイブリッド仕様となっており、microSDカードによるストレージ拡張が可能です。また、画面内指紋認証センサーを搭載するなど、使い勝手の面では現代的な水準を満たしています。「iPhone 17 Proに似たデザイン」という触れ込みについては、背面カメラユニットの配置などにその影響が見て取れますが、LEDフラッシュの位置など細部は異なり、あくまで「インスパイアされたデザイン」と捉えるべきでしょう。
サブ機としての適正と国内ユーザーへの推奨度
現在のところ日本国内での正式な発売アナウンスはありませんが、グローバルECサイト等を通じて入手可能となるケースが多いメーカーです。約3万円という価格設定は、円安傾向が続く現在の状況においても、SIMフリーのエントリー機として競争力を持ちます。
ただし、これを「iPhoneの代わり」として購入するのは推奨できません。ビルドクオリティやOSの挙動、そして何より処理性能において明確な差が存在するためです。しかし、この価格で「120Hzの有機ELディスプレイ」と「IMX766センサー」、そして「大容量ストレージ」が手に入る点は魅力的です。
結論として、本機はメインのスマートフォンとしてではなく、動画視聴や電子書籍閲覧を主目的とした「リッチなメディアプレイヤー」あるいは「Wi-Fi運用前提のサブ機」として割り切れるユーザーにとって、有力な候補となるはずです。特に、microSDカードスロットを備えた安価なAndroid端末を探しており、かつデザインにも一定のこだわりを持ちたい層にとっては、コストパフォーマンスの高い一台となるでしょう。


