Unisoc「T9300」発表、200MP&衛星通信対応の新ミドルレンジ5G SoC

Unisocが、新型ミドルレンジ向け5G SoC「T9300」を発表しました。6nmプロセス採用で省電力性を高めつつ、200MPカメラや144Hzディスプレイ、3GPP R17準拠の衛星通信(NR NTN)など、従来より大幅に機能強化されています。

T8300からの世代交代でありながら、スペック面ではミドルレンジ帯としては珍しい要素が多く、今後の低価格スマートフォンに大きな影響を与える可能性があります。

省電力化と144Hz表示に対応した新世代チップ

T9300は6nmプロセス製造の8コア構成で、Cortex-A78(最大2.4GHz)とCortex-A55を組み合わせたCPUを採用しています。GPUはデュアルコア構成のMali-G57です。

前世代比でエネルギー効率が約38%向上しており、AnTuTu V10では約55万点を記録すると報じられています。メモリはLPDDR4X、ストレージはUFS 2.2まで対応。

ディスプレイは以下の構成に対応します:

  • FHD+/144Hz または 1.5K/90Hz

  • HDR10+再生

  • VideoPQやVRRなどの映像補正機能

  • ブルーライト軽減などの視覚負荷低減モード

Unisoc独自の「Miracle Gamingエンジン」も搭載しており、ミドルレンジ帯でも一定のゲーミング性能を想定しています。

200MPカメラとAI撮影強化で写真品質を向上

T9300では、Unisocの第7世代「Vivimagic」イメージングエンジンが採用され、最大200MPメインカメラに対応します。ISPはクアッドコア構成に強化され、以下の技術が含まれています:

  • ハードウェアMFNR/TNRによるノイズ低減

  • 新「3Aアルゴリズム5.0」によるフォーカス&ダイナミックレンジ改善

  • AIポートレート精度向上

  • RAW領域で処理する夜景特化アルゴリズム「XDRマルチフレームナイトモード」

これにより、低照度撮影や人物撮影などでも従来より高精度な画質が期待できます。

3GPP R17準拠の衛星通信対応が最大の特徴

T9300の最も大きな進化はNR NTN衛星通信の統合です。これは3GPP Release 17に準拠した規格で、通常のセルラー網がつながらない環境でも衛星と直接通信できる仕組みです。

接続面では以下をサポートしています:

  • 2G〜5Gのマルチモード

  • SA/NSAデュアル5G

  • デュアルSIMデュアルVoNR

  • 100MHz帯域通信

  • 5G通信消費電力20%以上改善(従来比)

OSはAndroid 16に対応しており、今後発表されるミドルレンジ端末に採用される見込みです。現時点では日本向けモデルの発表はありません。

価格帯を考えると妥当な設計か

T9300は「ミドルレンジの価格帯でハイエンド級機能を提供する」という方向性が明確です。特に衛星通信対応、200MPクラスのカメラ搭載、144Hz表示は、これまで上位機でしか見られないものでした。

一方で、メモリやストレージ対応がLPDDR4X/UFS 2.2にとどまっている点を見ると、価格帯はあくまで中堅を想定していると考えられます。

ミドルレンジ市場でも独自性のあるモデルを求めるユーザーにとって、今後このT9300搭載機は注目する価値がありそうです。日本発売は未定ですが、海外モデルがAliExpressなどで流通する可能性もあります。