インテルのCore UltraシリーズCPUが登場し、モバイルノートパソコンでは処理性能だけでなくモビリティの面でも進化が見られます。
また、ディスプレイベゼルが狭くなっていることで、従来の13インチ筐体で、より広い14インチディスプレイを搭載することが一般化しています。
たとえばVAIO SX14やThinkPad X1 Carbonは、それぞれシリーズ初となる1kg切りモデルが登場しました。
モバイラーとしては嬉しい限りですが、選択肢が増えるとどれを買うのがよいか迷うところです。
というわけで今回は、2024年に登場した最新の1kg切りハイエンドモバイルノートパソコン5機種を比較したいと思います。
全部買って比較するのが一番良いですが、そもそも今回の企画は、デイリーガジェット編集部でどれを買えば良いか迷ったのでスペックや価格を比較したのがきっかけ。
せっかく情報を集めて比較したので、我々が購入してウハウハするだけでなく、記事で配信して皆様の選択のお役に立てればと思った次第です。
ちなみにVAIO SX14-Rがローンチされる直前だったこともあり、編集部ではThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionを購入することにしました。が、VAIOが出た後でしたら、VAIOにした可能性も十分あります。
今回は、先日登場したVAIO SX14-Rを含めた全5機種の比較になります。
それでは、見ていきましょう!
まずは登場選手、スペックと価格の比較
今回の登場選手と、スペック一覧をまずは見ておきます。
選手は、VAIOのSX14-R、レノボのThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition(名前長すぎ)、富士通のLIFEBOOK WU2/J3、dynabook RZ/MX、hpのPavilion Aero 13です。
選抜基準は、現在購入できる各社の最新モデルであること、重量が1kgを切っていること、ハイエンドCPUを搭載した13-14インチモバイルノートパソコンであることです。
つまりは持ち運んで使うのに最強の特徴を兼ね備えた最新モデルたちということです。
たとえばASUSのExpertbookは記事執筆時点でCore Ultra機がまだ購入不可、MacBook Airは1kgオーバー、LAVIE NEXTREME CarbonはCore Ultra機が未発表ということで、いずれも有名なハイエンドモバイルノートパソコンのシリーズではありますが、対象外になっています。
続いて、選手たちのスペックと価格をまとめたものが下記になります。
価格については、最低構成の他に、Core Ultra 7/32GB/1TB構成の場合を書いています。後者は、ハード構成が実質1種類であるX1 Carbonに合わせることで比較しやすくするために入れています。
hpのPavilion Aero 13のみRyzen搭載機で、他はCore Ultra 7機となっています。Pavilion Aero 13は一番安い一方、ベンチマークスコアを見るとCPUパフォーマンスは、シングルコア性能はCore Ultra 7 155Hよりも数%高く、マルチコア性能は15〜20%低くなっています。
また、X1 CarbonのみCore Ultra シリーズ2となるCore Ultra 7 258Vですが、これは他の機種が搭載するCore Ultra 7 155Hと比べて、こちらの情報などからシングルコア性能が若干高く、マルチコア性能やGPU性能が若干低くなっています。が、総じてほとんど同じくらいのパフォーマンスです。
そのほか細かい違いはあるもの、いずれもモバイルノートパソコンとしては最高峰の性能を持った各社の代表選手たちとなっています。
というわけで続いては、各機種の特徴を簡単に書いておきます。
1kg切りVAIO!構成も幅広く選べるオールマイティSX14-R
比較抜きで即購入という方も多いであろう、待望の1kg切りSX14シリーズです。
VAIOで定評のある使い勝手の良さに加え、メモリだけでなくディスプレイ解像度、また大容量バッテリーやLTEなど、構成の選択肢が広いのも特徴です。大容量バッテリーにすると1kgを超えてしまうので上述の表には入れていませんが、1.1kgほどでバッテリー駆動時間は圧倒的に長くなるのでその方がありがたいという方もいるでしょう。
カラバリについても、ベース4色のほか、おなじみ勝色やALL BLACK EDITIONもラインナップされています。
難点はCore Ultra 7/32GB/1TB構成にすると他機種と比べて価格がかなり上がってしまうところ。ストレージを256GBや512GBにすれば、そこまで大きくは変わりません。
家電量販店、VAIO直販(こちら)、ソニーストアで購入できます。12月19日午前9:59までの期間、発売キャンペーンとして10%OFFで購入できます。
こちらも初の1kg切りX1 Carbon!キーボードに定評
続いてもシリーズ初となる1kg切りThinkPad X1 Carbon。
こちらもキーボードやタッチパッドの使い勝手には定評のある、鉄板のビジネスモバイルノートパソコンです。
パフォーマンスはほぼ変わらないとはいえCore Ultra シリーズ2を搭載していたり、ディスプレイが有機ELパネルだったり、スペック構成が32GB/1TB一択だったりと、魂のこもったX1 Carbonです。
32GB/1TB構成としては比較的安めというのも魅力的。
デイリーガジェット編集部はこいつにしました。(VAIO SX14-Rが発表前だったこともあり)
レノボ公式ストアのこちらのページで販売中。
軽さ最重視ならLIFEBOOK一択
軽さはぶっちぎり世界一の富士通LIFEBOOKです。
堅牢性やパフォーマンスを犠牲にせず、VAIOやX1 Carbonがようやくギリギリ1kgを切って980〜990g前後という中、バッテリー駆動時間が他社と同等の64Wh版で868gと頭一つ抜けています。(シルバーホワイトとフロストグレーは878g。バッテリー駆動時間が短い31Whであれば744〜754g)
バッテリー駆動時間が短いので上述の選択肢には入れませんでしたが、634g(ムサシ)という異次元のWU5/J3もあります。
また、価格も安めとなっています。
一方で、これは好みによりますが、キーボードやタッチパッドの使い勝手が個人的に合わず、今回は購入しませんでした。(これまで第8世代・第12世代・第13世代機を購入して全部ダメでした)
どう合わないかというと、キーの誤入力(入力されない/チャタリングのように複数回入力されてしまう)が多くなってしまうのと、タッチパッドの追従が悪い気がする(タッチサンプリングレートの問題か、タッチパッドの表面がザラザラだからか、カーソルの動きに違和感がある)のです。NECのNEXTREME CarbonとLIFEBOOK以外のノートではこういうことは起こりません。
ぶっちぎりの軽さは非常に魅力的であり、いつも「今度こそは!」と思って買うのですが、そのたびに1週間ほどで失望とともに手放してきました。
ただ繰り返しますが、本機のキーボード・タッチパッドを高く評価するレビュワーもいますので、これはあくまで個人の主観です。
家電量販店のほか、富士通直販サイトのこちらで販売されています。
634gのWU5/J3(FMV Zero)はこちら。
軽さ・スペック・価格のバランス最強なdynabook
続いてはdynabookのRZ/MXです。
富士通のLIFEBOOKに隠れて目立たないですが、本機も900g切りで他社ノートよりもワンランク上の軽さを実現しています。
構成の選択肢の広さもあり、また同スペックでは価格も安いので、軽さ・スペック・価格いずれも優秀なシリーズです。
重量は999gと上がりますが、コラボモデルのRZ/EXもあります。
家電量販店のほか、dynabook直販サイト(こちら)で販売されています。
ぶっちぎりで一番安い1kg切りハイエンド機Pavilion
hpのPavilion Aero 13は、他の4機種とは少し毛色の異なる1kg切りハイエンドモバイルノートパソコンです。
CPUがRyzenで、ディスプレイが13.3インチです。そのため、筐体も一番コンパクト。
そして最大の特徴は価格で、Ryzenパワーなのかいずれも定価で10万円台。さらに現在は27%〜30%OFFセールを実施していて、Ryzen 7 8840U/16GB/1TBモデルが142,800円で購入可能です。
hpのノートPCは、Enterの右にPg Upなどが並ぶ配列が悪名高かった(少なくとも編集部周辺では)のですが、13インチの本機の配列はそれもありません。
性能十分、1kg切りで10万円台ということで、コスパ観点ではもっとも魅力的な選択肢になるでしょう。
家電量販店のほか、直販サイトのこちらのページでセール販売されています。
以上、ハイパフォーマンスで13〜14インチ高解像度ディスプレイで1kg切りという、一昔前からは夢のようなハイエンドモバイルノートパソコンの比較でした。
持ち運びやすくて爆速なノートパソコンをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください!
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