スマートフォンの世界では、折りたたみ式ディスプレイがすでに数年前から存在しており、一部のPCメーカーも折りたたみ式のノートPCを発表しています。
そんな中、「折りたたみ可能な電子書籍リーダー」が発表されました。
MooInk Vは、8インチのカラー電子ペーパーディスプレイ(E Ink Gallery)を備え、まるで本のように折りたたむことができる電子書籍リーダーです。台湾の電子書籍企業ReadmooとE Ink社が共同開発したこの製品は、世界初の折りたたみ式電子書籍リーダーとして、今週「Touch Taiwan Exhibition」で初披露されました。
Readmooによると、MooInk Vは折りたたむことで「スーツの内ポケットやジーンズのポケットにもすっきり収まる」コンパクトサイズになりますが、開いた状態では「教科書や漫画、絵本などの閲覧に十分な画面サイズ」を提供します。
重量は約255グラム(約9オンス)で、アルミニウムとマグネシウムの合金製ボディにはシルバーメタリック塗装が施されています。
多くの折りたたみデバイスがOLEDパネルを採用している中、MooInk Vはより紙に近い表示体験が可能なE Inkディスプレイを採用しています。E Inkは消費電力が少なく、自然光だけでも見やすいという利点があります。しかし、OLEDよりもディスプレイが厚いため、Readmooは「今回使用されたE Ink Galleryパネルは、新素材の開発、積層構造の最適化、20万回に及ぶ折り曲げテストを経て量産に至った」と説明しています。
E Ink Galleryパネルは、E Inkの従来技術であるKaleidoと比べて色の鮮やかさや文字・画像のシャープさが優れており、5万色までの表示に対応し、白黒・カラーともに300ppiの解像度を実現します。
一方、Kaleido 3は4096色までの表示にとどまり、300ppiの白黒表示は可能ですが、カラー表示時は150ppiに落ちてしまいます。
ただし、E Ink Gallery 3には画面のリフレッシュレートが低いという弱点があり、このため一般消費者向けデバイスでの採用はまだ限られています。
なお、ReadmooはMooInk Vの発売時期や価格については、現時点で発表していません。
電子ペーパーと折りたたみ技術の融合は、まさに「電子書籍が紙の本に限りなく近づく」進化だと感じました。
特に、カラー表示に対応しながらも自然光での読みやすさを保ち、かつポケットに収まるサイズ感というのは、読書習慣を持つビジネスパーソンや学生にとって大きな魅力です。
一方で、リフレッシュレートの低さは漫画や雑誌のようなページめくり頻度が高い用途ではやや不安もあり、用途を選ぶ製品にはなりそうです。
とはいえ、紙のようなディスプレイを持ち運べる未来がすぐそこまで来ていることに、ワクワクしますね。
【出典・引用:liliputing】
デイリーガジェットYouTubeチャンネル!
(”ほぼ”毎日更新中!)
デイリーガジェットでは、UMPC(超小型PC)、スマホ、タブレット、レトロPCをはじめとして、商品のレビューやインタビューの動画を、YouTubeに”ほぼ”毎日公開しています。
デイリーガジェット動画部のVTuberである風林火山朱音とケンがゆるい感じにレポートしています。
ぜひ↓からチャンネル登録をお願いします!