『Unity』が「プロンプトだけでゲーム生成」を実現するAIを3月に投入。アイデアを即座に形にする“AIオーサリング”が開発を加速させる!

ゲーム制作ツールの最大手であるUnityが、文字入力(プロンプト)だけでカジュアルゲームを丸ごと作れる「AIを中心にした制作機能」に力を入れていることが分かりました。

同社の2025年第4四半期の決算説明会で、CEOのマット・ブロンバーグ氏が明らかにしたものです。2026年3月に開催される開発者向けイベント「GDC」にて、そのベータ版がお披露目される予定です。単に画像やテキストなどの素材を作るだけでなく、ゲームそのものを「作り出す」というこの機能は、ゲーム作りの常識を変えるきっかけになるかもしれません。

「言葉での指示」だけでゲームが完成する仕組み

今回の発表で一番のポイントは、コードの補助や画像の生成といった部分的な手助けではなく、「自然な言葉だけで、遊べる状態のカジュアルゲームを作れる」という点です。ブロンバーグ氏はこれを「AI-driven authoring(AI主導のオーサリング)」と呼び、2026年の重要なテーマの一つに挙げています。

具体的には、新しくなったUnity AIを使うことで、プロトタイプから完成品への仕上げをスムーズに進められるようになります。このAIアシスタントは、一般的なAIとは違い、Unityのシステムやプロジェクトの状況を深く理解した上で動きます。そのため、最新の外部AIモデルと連携しながらも、Unityでの開発に最適化された、より実用的な結果を出してくれるはずです。

これまで専門的なプログラミング知識が必要だった部分をAIが肩代わりすることで、頭の中のアイデアが形になるまでの時間は大幅に短縮されるでしょう。

Googleなどの競合や、品質への懸念について

「言葉での指示からゲームを作る」という考え方は、Googleの「Project Genie」などが先に発表しており、投資家などから注目を集めています。しかし、実際に何百万人もの開発者が使っているUnityがこの機能を組み込むことの意味は、実験的なプロジェクトとは比べ物にならないほど大きいです。

ブロンバーグ氏は、この技術がゲーム作りを誰でもできるものにし、制作の過程で生じる「手間」をできる限り減らす「架け橋」になると語っています。一方で、市場には「AIで作られた質の低い量産ゲーム」が増えることへの心配も根強くあります。人の手で丁寧に作られた体験こそがゲームの価値だと考える人々に対し、Unityがどれだけの品質を示せるかが、この機能が広まるためのポイントになります。

開発者の「最初のアイデア」を形にするための現実的なツール

AIによるゲーム生成にはさまざまな意見がありますが、Unityの方法は「試作品作りのスピードアップ」という点で、現役の開発者にとっても非常に魅力的なはずです。

特に、ぼんやりとしたアイデアを、言葉だけで即座に動く状態にできるのであれば、仕様を決めたりテストプレイをしたりするサイクルは劇的に速くなります。大作ゲームのような複雑な作品がすぐにAIだけで作れるわけではありませんが、シンプルなゲームや動作確認用のモックアップ作りにおいては、作業時間を短縮する強力な武器となるでしょう。

3月のGDCで公開されるベータ版の出来栄え次第では、Unityは再び開発者にとって代わりがない唯一無二のツールとしての地位を固めることになるはずです。毎日の開発作業に追われるインディー開発者や、新しい遊び方を模索するプランナーにとって、この新機能は間違いなくチェックしておくべき重要な技術です。