スマートリング市場を牽引するOuraが、新たなウェアラブルデバイスの開発に着手している可能性が浮上しました。
新たに公開された特許情報によると、同社は「スマートリングと連携するAR(拡張現実)グラス」の構想を持っている模様です。
この技術が実現すれば、スマートフォンを取り出すことなく、リングで計測した心拍数などのバイタルデータをメガネ型のディスプレイで即座に確認できるようになります。

Geminiによる生成画像
本記事では、特許資料から読み取れるOuraの技術的な狙いと、将来的な製品化の可能性について解説します。
スマートリングと連携するARグラスの技術的詳細
米国特許商標庁で公開された特許資料(番号:20260023426)には、複数のウェアラブルデバイスが相互に作用する仕組みが図示されています。Ouraはこの中で、スマートリングとメガネ型デバイス(スマートグラス)の組み合わせについて明確に言及しています。
具体的には、スマートリングに搭載されたセンサーが計測した心拍数などのデータを、接続されたスマートグラス上にリアルタイムで表示するシステムが想定されています。これにより、ランニングやトレーニング中のユーザーは、視線を大きく動かすことなく自身の運動強度を確認し、ペース配分を調整することが可能になります。
また、操作系においては、接続されたスマートリングを活用したハンドジェスチャーによるコントロールも記述されています。リング内蔵の加速度センサーやジャイロセンサーを利用することで、グラス上の表示を切り替えるといった直感的な操作が期待されます。
XRアプリケーションへの展開と現実的な実装
特許資料では、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、VR(仮想現実)といったXRアプリケーションへの対応についても言及されています。これには、現実世界の物体に対する仮想的なオーバーレイ表示が含まれる可能性があります。
ただし、資料内での用語の使用は広義に渡っており、必ずしも高度な3Dオブジェクトの投影のみを指すわけではありません。例えば、現実の視界の端に心拍数をシンプルに表示する機能も、技術的には「現実の拡張」に含まれます。一方で、レストランのメニューを翻訳して重ねて表示するといった、より視覚的な情報付加も将来的には視野に入れていると考えられます。
Ouraにとって、主力製品であるスマートリングは画面を持たないデバイスです。そのため、データを可視化するにはスマートフォンアプリが必須でしたが、このARグラスが実現すれば、情報の閲覧性を劇的に向上させるアクセサリとして機能することになります。
特許に見るOuraの技術開発方針と製品化の行方
今回の情報はあくまで特許申請に基づくものであり、直ちに製品として発売されることを保証するものではありません。しかし、この資料は少なくとも2025年中盤まで、Ouraがこの種の技術開発に取り組んでいたことを示唆しています。
スマートリング市場では、競合他社もエコシステムの拡大を図っており、単体での健康管理から、他のデバイスとの連携へと競争の軸が移りつつあります。Ouraが画面を持たないという特性を補完し、さらにユーザー体験を向上させるために「視覚情報を提供するデバイス」を模索していることは、同社の技術戦略において重要な意味を持ちます。このコンセプトが実際に製品化されるか、あるいは将来のデバイスへの機能統合という形で結実するか、今後の動向が注目されます。




