新感覚のデジカメ。スイス発「Await Camera」はデジタルながらプリントが届くまで写真が見られないアナログ体験が魅力!価格は70ドルから

スイスのRolling Square社が、デジタルとアナログの境界線を再定義する新型カメラ「Await Camera」を発表しました。本製品はデジタルカメラでありながら、撮影した画像をその場で見ることはできず、24枚撮りの「デジタルフィルム」を使い切った後にプリントを注文することで初めて写真を目にできるという、とてもユニークな撮影体験を提供します。利便性をあえて削ぎ落とし、「写真が届くのを待つ」という時間の価値に焦点を当てた、現代のガジェット市場において一線を画したプロダクトとなっています。

撮影体験を物理的なプリントに限定する超小型の透明ボディと仕様

Await Cameraの筐体は、98 x 68 x 15ミリ、重量96グラムと非常にコンパクトで、ポケットに収まるサイズ感を実現しています。外観は内部構造が透けて見える透明なデザインを採用しており、前面にはレンズ、光学ファインダー、フラッシュのみが配置されています。背面に搭載された小型ディスプレイは、バッテリー残量や「フィルム」の残り枚数、スマートフォンとの接続状況を表示するためだけに機能し、撮影した画像を確認するための背面モニターは一切備えていません。

ハードウェア構成については、USB-Cによる充電に対応している点を除き、詳細なセンサー仕様などは非公開となっています。ピント合わせや露出設定といったマニュアル操作も排除されており、ユーザーは構図を決めてシャッターを切るという、かつての使い捨てカメラのようなシンプルな操作を求められます。デジタル技術を用いながらも、撮影のプロセスそのものを楽しむためのハードウェア設計と言えます。

24枚1セットの「デジタルフィルム」がもたらす新たな撮影プロセス

本製品の最大の特徴は、撮影後のプロセスにあります。ユーザーは専用のスマートフォンアプリを通じて、24枚撮りの「デジタルフィルム」を購入・ロードして撮影を行います。24枚を撮り終えるまで写真は一切閲覧できず、撮り終えた後にアプリからプリントを注文することで、自宅に現像された写真が配送される仕組みです。

このビジネスモデルは、富士フイルムのデジタルカメラに搭載されているフィルムシミュレーション等の機能よりもさらに踏み込んでおり、デジタルデータとしての即時性を完全に排除しています。フィルム1本分に相当する24枚のプリント代と配送手数料を含めて9.99ドル(約1,500円)という価格設定は、1枚あたりの単価に換算すると現在のインスタントカメラ市場と同等か、やや安価な水準に設定されています。撮影の失敗が許されない緊張感と、現像を待つ高揚感をデジタルで再現しようとする試みです。

写真を「待つ」時間も楽しむ人にとって唯一無二の選択肢となる一台

Await Cameraは、2026年3月から4月にかけて世界市場での発売が予定されています。本体価格は70ドルから100ドル(約10,500円〜15,000円)を見込んでおり、本格的なデジタルカメラと比較して導入のハードルは低く抑えられています。「Await Camera」は、かつての「写ルンです」が持っていた「不自由さによる楽しさ」を、現代のデジタル技術と物流サービスで再現したガジェットだと言えます。

「現像所に持っていく手間」を「アプリでの注文」に置き換えつつ、写真が手元に届くまでのワクワク感を物理的なプリントという形で見事に残しています。利便性を追求するデジタルカメラとは真逆のベクトルに振った、非常に趣味性の高い一台です。