
一般的なFDM(熱溶解積層)やSLA(光造形)方式とは一線を画す、プロフェッショナル向けの新たな選択肢が登場しました。「Loopzizo K-100」は、産業用途で主流のSLS(選択的レーザー焼結)技術を採用したデスクトップ3Dプリンターです。粉末材料をレーザーで焼結させるこの方式は、サポート材を必要とせず、極めて複雑な構造の造形を可能にします。エンジニアリンググレードの強度と精度を兼ね備えながら、個人や小規模オフィスでも導入可能なサイズ感を実現した本機は、プロトタイピングの現場に革新をもたらす可能性を秘めています。
デスクトップ領域に降りてきたSLS技術と基本スペック
「Loopzizo K-100」最大の特徴は、従来は高額な産業用機器に限られていたSLS技術を、17.7 x 14.6 x 39.4インチ(約45 x 37 x 100 cm)という比較的コンパクトな筐体に収めた点にあります。本機は出力5W、波長450nmのレーザーを用いて粉末素材を層ごとに焼結・固化させる仕組みを採用しています。
造形ボリュームは使用する素材によって異なり、ポリアミド12(PA12)使用時は120 x 120 x 130 mm、TPU(熱可塑性ポリウレタン)使用時は130 x 130 x 130 mmの領域が確保されています。決して広大とは言えませんが、精密部品や機能的なプロトタイプを作成するには十分なサイズ感と言えるでしょう。また、タッチスクリーンによる直感的な操作系を備え、複数の小型部品を一度のプロセスで製造するバッチ生産にも対応しており、実用性を重視した設計が見て取れます。
サポート材不要が生み出す設計の自由度と高い機械的特性
SLS方式の最大のメリットは、造形中のモデルが未焼結の粉末によって支えられるため、別途「サポート材」を必要としない点です。これにより、従来のFDMやSLA方式では困難だった、急なオーバーハングや複雑に入り組んだ内部構造を持つモデルも、設計データ通りに出力することが可能です。
メーカー公称値によると、造形精度は100µmを誇り、ねじ切り加工が必要な部品もそのまま出力できるとしています。さらに、生成された部品は最大120°Cの耐熱性を持ち、ねじり強度は50MPaに達します。これにより、単なる形状確認用のモックアップにとどまらず、機械工学分野における機能試作や、実際の負荷がかかる最終部品としての利用も視野に入ります。
高価な初期投資に見合うプロシューマー向けの新たな選択肢
現在、Kickstarterでのキャンペーン価格は送料別で5,199ドル(執筆時点)からとされています。数万円で購入可能なFDMプリンターと比較すれば高額ですが、数百万円クラスが一般的であったSLSプリンターの市場相場を鑑みれば、価格破壊とも言えるプライシングです。











