VHS再生機能とLCDを融合したレトロデザインTV「RetroBox」が米国で登場。現代的なHDMI入力も備え399ドルから販売開始

かつてのリビングの主役であったブラウン管テレビとVHSデッキの魅力を、現代の技術で再構築したユニークなプロダクトが登場しました。米国のスタートアップが開発した「RetroBox」は、往年の4:3比率のディスプレイとVHS再生機能を一体化させつつ、HDMI入力を搭載することで現代のストリーミングサービスやゲーム機との接続も可能にしています。本記事では、レトロな外観に秘められたスペックの詳細と、現代の視聴環境における本製品の立ち位置について解説します。

現代技術でブラウン管の質感を再現したLCDパネルとVHSデッキの融合

「RetroBox」の最大の特徴は、そのノスタルジックな外観と機能の融合にあります。一見するとクラシックなブラウン管(CRT)テレビのように見えますが、実際には現代的なLCDパネルが採用されています。開発元の米国スタートアップは、LCDパネルに特殊なフィルターを適用することで、CRT特有の走査線や発色といった質感をシミュレートしています。

ディスプレイのアスペクト比は往年のテレビ放送と同じ4:3を採用し、リフレッシュレートは60Hz、解像度は240pまたは480iに対応しています。これにより、内蔵されたVHSプレイヤーでビデオテープを再生した際、当時の雰囲気を損なうことなく映像を楽しむことが可能です。ただし、本製品は米国のNTSC規格をベースに設計されているため、欧州市場などで主流だったPAL規格(50Hz、288p/576i)には対応していません。現時点では米国国内のみの展開となっており、真正なレトロハードウェアを求める層にとっては、LCDベースである点が評価の分かれるポイントとなるでしょう。

PS5も接続可能な豊富なインターフェースと価格設定

レトロなコンセプトでありながら、インターフェース類は驚くほど充実しています。コンポジット入力やコンポーネント入力、S-Video端子といったアナログ接続に加え、現代の標準規格であるHDMIポートも搭載されています。これにより、古いゲームコンソールだけでなく、Sony PlayStation 5のような最新のゲーム機やセットトップボックスを接続し、Netflixなどの動画配信サービスを「レトロな画面」で視聴するという新しい体験が可能になります。

ただし、HD画質の信号を入力した際に、ディスプレイ側の低解像度(480i等)に合わせて適切にダウンスケーリング処理が行われるかについては、現段階では明らかにされていません。価格は本体単体で399ドル(約6万円)、ランダムなVHS映画5本が付属するバンドル版が425ドル(約6万4000円)に設定されており、現在は米国内の住所への発送のみ対応しています。

物理メディア回帰の潮流とニッチな需要への応答

音楽業界におけるカセットテープやレコードのリバイバルと同様に、映像分野でもVHSという物理メディアへの再評価が進みつつあることを象徴する製品と言えるでしょう。「RetroBox」は、単に古い技術を復活させるのではなく、HDMI接続による利便性を確保することで、実用的なエンターテインメントデバイスとしての地位を確立しようとしています。

現時点では米国限定の販売ですが、日本国内にも多くのレトロゲームファンやVHS愛好家が存在するため、今後の展開やNTSC(日本も同方式)圏内への出荷拡大が期待されます。真正なブラウン管の維持が難しくなる中、メンテナンス性に優れるLCDを用いたこのようなアプローチは、レトロカルチャーを楽しむ一つの現実的な選択肢となっていくことでしょう。

詳しくはRetro box公式サイトのこちらのページで確認可能です。