ModRetroからレトロゲーム機「Chromatic Anduril Edition」が登場!軍事用ドローン素材を採用など特異な仕様あり

FPGAを用いたハードウェアエミュレーションにより、ゲームボーイ互換機の新たな基準を打ち立てた「ModRetro Chromatic」。

そのラインナップに、軍事技術を直接転用した異色のモデル「Anduril Edition」が加わりました。軍需企業Anduril Industriesの攻撃用ドローンと同じ素材・コーティングを採用した本機は、創業者のPalmer Luckey氏が双方の企業を率いているからこそ実現した製品です。圧倒的な堅牢性を誇る一方で、兵器製造との密接な関わりがレトロゲームコミュニティや一部メディアで波紋を広げています。本稿では、その仕様の特異性と市場への影響について詳報します。

軍事用ドローンと同一のマテリアルを採用した「究極の堅牢性」

今回発表された「Chromatic Anduril Edition」の最大の特徴は、その筐体素材にあります。ModRetroの公式発表によれば、本機には防衛技術企業Anduril Industriesが製造する攻撃用ドローンと全く同じ「マグネシウムアルミニウム合金」が使用されています。一般的なコンシューマーエレクトロニクス製品の枠を超えた、極めて高い剛性と軽量性を両立させていると考えられます。

さらに、筐体表面には「セラミックポリマー・フォーミュレーション」によるコーティングが施されています。これはAnduril社の主力自律飛行型航空機(Autonomous Air Vehicle)である「Ghost」を保護するために用いられているものと同一であり、過酷な環境下での使用を想定した軍事レベルの耐久性を備えています。

本体にはAnduril社のロゴが刻印され、同社のロゴチャームも付属します。ModRetroは本製品について「あらゆる条件下での性能と信頼性を必要とするユーザーのための製品」と位置づけており、単なるカラーバリエーションではなく、実用的な堅牢性を追求した「ミルスペック(Military Specification)」に準ずるハイエンドモデルと言えるでしょう。

FPGA技術と創業者Palmer Luckey氏がもたらす独自のエコシステム

ハードウェアとしての「Chromatic」は、ソフトウェアエミュレーションではなく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いることでオリジナルのゲームボーイおよびゲームボーイカラーの挙動を物理回路レベルで完全に再現するデバイスです。IPS液晶ではなく、あえてオリジナルに近い画素構造を持つディスプレイを採用するなど、その設計思想は極めてマニアックであり、レトロゲーム愛好家から高い評価を得てきました。

今回の「Anduril Edition」が実現した背景には、Oculus VRの創業者としても知られるPalmer Luckey氏の存在があります。彼は現在、ModRetroのオーナーであると同時に、防衛テクノロジー企業Anduril IndustriesのCEOも務めています。この二つの全く異なる事業領域(レトロゲームと防衛産業)が、一人の人物によって接続されたことで生まれたのが本製品です。

しかし、この「兵器産業との直接的な結びつき」は、平和的な趣味の領域であるレトロゲームコミュニティにおいて複雑な反応を引き起こしています。Time Extensionなどの一部の主要な海外ゲームメディアは、兵器製造メーカーとの関連性を理由に、今後ModRetro製品を取り扱わない方針を表明しました。技術的な完成度の高さと、その出自における倫理的な議論が同時に進行しているのが現状です。

究極の堅牢性と倫理的議論が交錯するコレクターズアイテムとしての価値

「Chromatic Anduril Edition」は、単なる携帯ゲーム機として見ればオーバースペックとも言える素材選定ですが、ハードウェアのビルドクオリティや「モノとしての所有感」を重視する人には見逃せない一台となる可能性があります。特に、軍事グレードの素材がコンシューマー製品にそのまま転用されるケースは極めて稀であり、その希少性は計り知れません。