
往年のレトロPCファンにとって、現代の「ミニコンソール」におけるディスプレイ環境の構築は一つの課題です。YouTubeチャンネル「Press any Key to Continue」は、Amiga A500 MiniやC64 Miniにサイズ感を合わせた「Commodore 1084」モニターのミニチュア版を製作し、そのプロセスを公開しました。3Dプリンティング技術と汎用LCDを組み合わせ、当時の象徴的なデザインを忠実に再現したこのプロジェクトは、レトロハードウェア愛好家に新たなモッド(改造)の可能性を提示しています。
汎用8インチLCDと3Dプリンタを活用した現代的な設計手法
今回のプロジェクトの核となっているのは、Amazon等で約70ドルで入手可能なカメラ用8インチLCDモニターです。このパネルはHDMI入力、アナログ接続、内蔵スピーカーを備えており、現代の映像出力環境に対応しています。製作者はこのLCDを分解し、付属のリモコン受光部をミニモニターのベゼル内に埋め込むことで、機能性を損なうことなく筐体への統合を実現しました。
筐体の設計にはCADソフト「Fusion 360」が使用され、「Bambu Lab A1」プリンタによって出力されています。構成パーツはグレーのフレーム、スライド式シャーシ、スピーカーマウント付きの背面カバー、コネクタカバーなどで構成されており、サポート材を除去した後はスムーズに組み立てが可能な設計となっています。
往年の名機「1084」を彷彿とさせるディテールと実用性
製作者がモデルに選んだのは、Commodore 64やAmiga時代を象徴するモニター「1081」および「1084」バリエーションです。完成したミニモニターは、コモドールのロゴや型番を記したステッカーで装飾され、オリジナルハードウェアの雰囲気を忠実にトレースしています。
視覚体験に関しては、当時のCRT(ブラウン管)特有の柔らかい発光(グロー)こそありませんが、8インチLCDによるシャープな映像表示を実現しています。小型ながら機能的なスピーカーも内蔵されており、Amiga A500 Miniのような現代の復刻系ミニコンソールと組み合わせた際、デスクトップ上で完結するコンパクトかつ没入感のある環境を提供します。
レトロハードウェアコミュニティにおけるDIY文化の展望
今回のプロジェクトにおいて、製作者は具体的なSTLファイル(3Dプリント用データ)の配布は行っていませんが、モデリングのヒントから印刷設定、組み立てに至るまでの全工程を動画内で詳解しています。
こうした「現代の技術でノスタルジーを再構築する」試みはレトロ愛好家の間で活発化しており、Thingiverseなどの共有サイトでは、C64 Mini用の「Commodore 1701」ミニモニターなど、類似の3Dプリント用ファイルがすでに流通しています。今回の事例は、既製品のミニコンソールを楽しむだけでなく、周辺機器を含めたトータルデザインをDIYで構築する文化が、今後さらに成熟していくことを示唆しています。











