AYANEOが「Pocket S Mini」でバッテリー容量の仕様ミス発覚で補償として約90ドルの端末を無料配布、CEOが語る生産トラブルの全容と対応

AYANEOは、同社の最新Androidハンドヘルドゲーム機「AYANEO Pocket S Mini」において、重大な仕様変更が発生したことを明らかにしました。

当初6,000mAhと告知されていたバッテリー容量が、生産過程のミスにより4,700mAhの実装となっていることが判明しました。

この事態を受け、同社は購入者に対して約90ドル相当の別端末「Pocket AIR Mini」を無料で提供するという異例の補償策を発表しました。

本記事では、仕様変更に至った経緯と具体的な補償内容について解説します。

バッテリー容量が6,000mAhから4,700mAhへ縮小した経緯と生産トラブル

AYANEO Pocket S Miniは当初、6,000mAhのバッテリーを搭載して出荷される予定でした。しかし、来週から始まる春節(旧正月)前の出荷を実現するために緊急生産体制に入った際、サプライヤーとのコミュニケーションミスが発生しました。

具体的には、Pocket S Miniの初期プロトタイプ段階では4,700mAhのセルが採用されていましたが、量産化に伴い6,000mAhへ増量される計画でした。しかし、この変更情報がサプライヤー側で正しく反映されず、初期仕様のままのバッテリーが納入・実装されてしまいました。この事実は出荷直前まで気付かれることがなく、結果として小売向けの製品は4,700mAhのバッテリーを搭載した状態で完成してしまいました。

AYANEOのArthur Zhang CEOは、配信の中で「現在庫のバッテリーを6,000mAhに交換する」という選択肢についても言及しましたが、春節の影響もあり、その対応を行うと出荷が2026年第3四半期(Q3)までずれ込む可能性があると説明しました。そのため同社は、仕様を変更したまま補償を行うという決断を下しています。

購入者全員に約90ドル相当の「Pocket AIR Mini」を無料提供する異例の補償

今回の仕様変更に対する補償として、AYANEOは非常に手厚い対応策を提示しました。Pocket S Miniを注文したすべてのユーザー(今後の注文を含む)に対し、販売価格89.99ドル相当の「Pocket AIR Mini(2GB RAM + 32GB ストレージモデル)」が無料で提供されます。さらに、ユーザーは追加で10ドルを支払うことで、3GB RAM + 64GB ストレージの上位モデルへアップグレードすることも可能です。

また、今回の仕様変更に納得できないユーザーに対しては、返金対応も受け付けています。本日以前に注文を行った顧客が返金を希望する場合、3営業日以内に処理が行われるほか、同社の全製品に使用可能な20ドルのストアクーポンも送付されます。

迅速な情報開示とユーザー対応に見るAYANEOの企業姿勢

今回の事態は、クラウドファンディングでの長い待機時間を解消し、製品出荷を迅速化しようとしたAYANEOの戦略転換の最中に発生しました。結果として生産管理上のミスを招いたことは否めませんが、同社の対応速度は評価されるべき点と言えるでしょう。

過去、競合他社のハンドヘルド機においては、画面解像度の誤りやヒンジの欠陥といった問題が、製品が世界中のユーザーの手元に届いてから発覚するケースが散見されました。それに対し、AYANEOは出荷前に問題を特定し、即座に事実を公表して代替案を提示しました。今回の無料端末配布というコストを度外視した対応は、ユーザーからの信頼失墜を最小限に留めようとする同社の強い姿勢の表れであると考えられます。