あの形状がAndroidで復活?Anbernic『RG Vita』はT618搭載。本家動作は厳しくとも、PSP/レトロゲーを「最高の握り心地」で遊ぶ新たな選択肢

中華ゲーム機メーカーの雄、Anbernicが、ゲーマーの心を鷲掴みにする新型機を準備しています。その名も『Anbernic RG Vita』。名前と外観から一目瞭然、かつて携帯ゲーム機の歴史に名を刻んだソニーの「PlayStation Vita」への強烈なオマージュが捧げられたモデルです。

海外レビュアーThe Phawx氏の先行情報によると、本機はAndroid 12を採用し、心臓部には実績ある「Unisoc T618」を搭載。最新のハイエンドスペックではありませんが、そんな細かいことはどうでもよくなるほど、この「デザインの復活」にはロマンがあります。ついに現代の技術で、あの素晴らしい携帯体験が蘇るのです。本稿では、公開された情報から、そのワクワクする可能性を紐解いていきます。

デザインは「名機」を再現。操作系は本家超えの進化も

『RG Vita』最大の魅力はその筐体デザインです。多くのゲーマーが「最も持ちやすい携帯機」と評した、あの有機的で手に吸い付くような楕円形のフォルムが再現されています。ディスプレイは本家(5インチ)より一回り大きい、5.46インチのIPS液晶(1280×720)を搭載。より大きく、美しい画面でゲーム没入感が高まるのは間違いありません。

そして、単なる模倣に留まらないのがAnbernicの面白いところです。特筆すべきは「ホールセンサースティック」の採用でしょう。磁気センサーを用いることで物理的な摩耗がなく、アナログスティックの宿命であるドリフト現象を克服しています。耐久性においては、本家超えを実現しているのです。

十字キーはドームスイッチではなくメンブレン方式となるようですが、馴染み深い操作感で長時間のプレイも快適にこなせるはずです。背面タッチパッドは潔く排除されており、レトロゲーム用途に特化した実用的な仕様と言えます。

Vita動作への過度な期待は禁物。だが「最高のPSP互換機」になり得る

搭載されるSoCは、中華機では定番の「Unisoc Tiger T618」です。メモリは3GBとなっています。正直に言えば、2026年の視点で見ると決して新しいスペックではありません。

検証動画によれば、外観はVitaそのものですが、PS Vitaの高負荷なタイトル(『アンチャーテッド』など)を快適に動かすのは難しいのが現実です。ここは期待しすぎないよう注意が必要です。

しかし、視点を変えてみましょう。T618は、PSP、ドリームキャスト、NINTENDO64といった少し前の世代のゲームを動かすには十分すぎるパワーを持っています。特にPSPタイトルは、実機の数倍の解像度でアップスケーリング表示してもヌルヌルと動作します。

つまり、本機は「PS Vitaのエミュ機」ではなく、「PS Vitaの完璧な持ち心地で、PSPやレトロゲームを最高画質で遊ぶためのマシン」として輝くのです。16:9の画面比率はPSPと相性抜群であり、この筐体で『モンスターハンター』や『ゴッド・オブ・ウォー』を快適に遊べるとなれば、それだけで財布の紐が緩む方も多いのではないでしょうか。

欠点はあるが「唯一無二」。所有欲を強烈に刺激する一台

OSが最新のAndroid 14ではなく12である点や、SoCが型落ちである点など、スペック表だけを見ればツッコミどころはあります。しかし、ガジェットの魅力はスペックだけではありません。

「このデザインで遊びたい」という強烈な欲求に応えてくれる、握りやすいグリップ、美しい大画面、そして信頼性の高いホールセンサースティック。これらが揃ったAndroid端末が手に入るというだけで、ワクワクが止まらないはずです。

価格次第ではありますが、レトロゲーマーのサブ機として、あるいは寝転がって遊ぶための専用機として、非常に魅力的な選択肢になります。「細かいスペックよりも、このロマンに投資したい」と考える方にとって、間違いなく刺さる一台です。続報を楽しみに待ちましょう。