なんじゃこれ?ほんとに金ピカなミニPC「H3C MegaCube」が登場。NVIDIA GB10搭載 x 128GBメモリと10GbEを備えた超高性能AIミニPCの実力とは

中国H3Cは、NVIDIAの最新アーキテクチャ「Grace Blackwell」を採用した新型ミニPC「H3C MegaCube」を発表しました。わずか15cm四方のコンパクトな筐体に、128GBもの大容量メモリと10Gbpsイーサネットを搭載し、AI開発やエッジコンピューティングに特化したモンスターマシンとして設計されています。コンシューマー向けのミニPCとは一線を画す、その圧倒的なスペックと、約80万円という価格設定が示す「本気度」について解説します。

Grace Blackwellアーキテクチャ採用「GB10」チップセットの驚異的性能

本機の最大の特徴は、NVIDIAの「GB10」チップセットを心臓部に採用している点です。このSoCは、10基のARM Cortex-X925と10基のCortex-A725という計20コア構成のCPUに加え、6,144基のCUDAコアを持つBlackwellベースのGPUを統合しています。

H3Cの公称値によれば、Tensorコアのパフォーマンスは最大1ペタフロップス(FP4)に達するとされており、これは理論値とはいえ、デスクトップPCを遥かに凌駕するAI推論能力を示唆しています。また、メモリには128GBのLPDDR5Xを採用しており、大規模な言語モデル(LLM)のローカル動作や、高負荷なデータ処理においてもボトルネックが生じにくい構成と言えます。筐体サイズは150 × 150 × 50.5 mmと極めてコンパクトですが、中身はまさにワークステーション級の密度です。

拡張性と独自のエコシステム:2台連結機能とDGX OS

「H3C MegaCube」は単なるスタンドアロンのミニPCに留まりません。特筆すべき機能として、2台のユニットをペアリングして動作させる機能を有しており、演算能力の拡張が可能とされています。インターフェース面では、業務用途を意識した10Gbpsイーサネットに加え、最新規格のWi-Fi 7、USB Type-C、HDMI 2.1aを装備しており、次世代の通信環境にも完全対応しています。

また、OSにはNVIDIAの「DGX OS」(Ubuntuベース)がプリインストールされています。これはAI研究やデータサイエンスの分野で標準的に利用される環境であり、一般的なWindowsミニPCとはターゲット層が明確に異なります。開発者やエンジニアにとっては、セットアップの手間なく即座にNVIDIAのエコシステムを活用できる点が大きなメリットとなるでしょう。

プロフェッショナルを見据えた価格設定と市場での立ち位置

その性能に比例して、価格もコンシューマー製品の枠を超えています。現在、JD.comでは36,999人民元(約5,240ドル、日本円換算で約78万円前後)で販売されており、導入には明確な目的意識が求められる価格帯です。

この価格と仕様は、MSIの「EdgeXpert AI」やNVIDIAの「DGX Spark」といった競合製品と同様に、個人のホビー用途というよりは、企業の研究開発部門や、最先端のAI技術を追究するハイエンドユーザーを対象としています。しかしながら、これだけの演算能力と高速ネットワーク環境を、デスクの片隅に置けるサイズに凝縮した技術力は、ミニPC市場における新たな到達点と言えるでしょう。日本国内での正規展開は未定ですが、エッジAI分野における重要な選択肢の一つとして注目されます。