国内市場で「GeForce RTX 5070 Ti」などが急騰、1週間で約1.5万円の値上がりを記録。DRAMコスト増による価格上昇の波紋

これまで国内市場において、希望小売価格(MSRP)を下回る水準で推移していたNVIDIAのミドルハイレンジGPU「GeForce RTX 5070」シリーズの実売価格に異変が生じています。

特に上位モデルである「RTX 5070 Ti」は、わずか1週間で約15,000円もの価格上昇が確認されました。背景には世界的なDRAMおよびGDDRメモリの供給不足とコスト増があると見られ、自作PCユーザーやゲーマーにとって無視できない「買い時」の変化が訪れています。

「RTX 5070 Ti」が1週間で約1.5万円の高騰、国内最安値が大きく変動

国内の主要PCパーツショップであるドスパラやパソコン工房などの販売データによると、GeForce RTX 5070シリーズの価格設定に明確な上昇トレンドが発生しています。 特に顕著な動きを見せているのが「RTX 5070 Ti」です。

同モデルは発売当初148,800円で登場した後、市場競争により一時126,000円前後まで下落していました。しかし、直近1週間の価格改定により、現在の最安値は約141,980円へと急騰しています。

これは短期間で約15,000円の値上がりを意味し、これまで割安感のあった価格メリットが急速に薄れつつあります。現在、この価格帯で入手可能なモデルはPalit製「Gaming Pro-S」などに限られており、他のモデルに関しては発売当初の価格に近い148,800円前後まで戻りつつあるのが現状です。 また、下位モデルである「RTX 5070」についても、最安値であった約82,000円から現在は94,980円前後まで上昇しており、シリーズ全体で価格の下限が切り上がり始めています。

背景にDRAMコストの上昇と供給懸念、かつての「悪夢」再来のリスクも

今回の価格上昇の主因として指摘されているのが、GPUの主要部材であるDRAM(GDDRメモリ)のコスト増と供給不足です。 報道によると、GDDR6およびGDDR7メモリの不足が複数のソースから報告されており、これが小売価格への転嫁として表面化し始めています。北米市場(NA)では、Amazonなどで一部モデルが依然としてMSRP以下で販売されているケースも見受けられますが、日本国内市場においては、為替や流通コストの影響も相まって、より敏感に部材コストの上昇が反映されていると考えられます。

市場関係者の間では、この傾向が一時的なものではなく、かつてのマイニングブーム時のような世界的な価格高騰サイクル(Crypto-like pricing cycle)の再来に繋がるのではないかという懸念も浮上しています。特にメモリ価格の高騰はPCパーツ全般に波及する性質を持つため、GPU単体の需給バランスを超えた構造的な値上げ圧力となる可能性が高いと言えます。

実売価格の上昇トレンドは継続か、自作PCユーザーに迫られる購入判断

現在の市場状況を分析すると、日本国内におけるRTX 5070シリーズの「底値」はすでに過ぎ去ったと言わざるを得ません。 RTX 5070 Tiに関してはMSRPに近い水準まで価格が戻っており、RTX 5070についても徐々にその差を埋める動きを見せています。北米市場との価格差や、メモリ市場の逼迫した状況を鑑みると、今後短期間で再び大幅な値下げに転じる可能性は低いと考えられます。

「様子見」をしている間にさらなる値上がりが進行するリスクも否定できないため、特定のモデルを狙っている場合は、現在の在庫価格を確認した上で、早めの購入判断を下すことが、結果としてコストパフォーマンスを守る最善策となるかもしれません。