Dell製PCでWindows 11最新更新「KB5072033」によるフリーズ等の不具合が発生中。BIOS設定変更による回避策と影響範囲は?

Microsoftが2025年12月9日に配信を開始したWindows 11(24H2/25H2)向けの累積更新プログラム「KB5072033」において、Dell製PCを中心に深刻な不具合が多数報告されています。インストールの失敗やシステム全体のフリーズ、スタートメニューの機能不全といった症状が確認されており、特に企業で大量のDell端末を管理している管理者にとって警戒が必要です。本記事では、現在判明している不具合の詳細と、特定のBIOS設定を変更することでクラッシュを回避できる可能性のある「暫定的な解決策」について、技術的な観点から解説します。

インストール失敗とシステム凍結:KB5072033が引き起こす主要な症状

今回の不具合は、Windows 11のバージョン24H2および25H2を搭載したDell製デスクトップおよびラップトップPC広範で発生しています。ユーザーからの報告によると、更新プログラムのインストールプロセスが途中で停止し、エラーコード「0x800f0983」を返して失敗するケースが多発しています。

システム管理者の報告では、管理下の新規Dellシステム多数で同様の現象が確認されています。一般的なトラブルシューティング手法であるシステムファイルチェッカー(SFC)や展開イメージのサービスと管理(DISM)、さらにはWindowsの再インストールを実施しても問題が解決しないケースが報告されており、OSの深層部分またはハードウェア固有のドライバ周りに起因する問題であることが示唆されています。

また、一部の環境(Windows 11 24H2)では、アップデート適用後にスタートメニューが開かなくなる不具合も確認されています。これについては、以前の更新(KB5072911)で確認された、エクスプローラーやXAMLベースのアプリに影響を与えるバグとの関連性が疑われており、GUIシェルレベルでの不整合が起きている可能性が考えられます。

特定モデルでの深刻な凍結症状とBIOS設定による暫定的な回避策

特に状況が深刻なのが「Dell Pro Max 16250」において報告されている、インストール後のシステムフリーズです。当初、このクラッシュの原因はIntel Arcグラフィックスドライバにあると推測されていましたが、ユーザーコミュニティによる詳細な検証の結果、BIOS設定(UEFI設定)が根本原因である可能性が高まっています。

現在、有効な回避策として報告されている手順は以下の通りです。

  1. PC起動時にBIOSセットアップ画面に入る。

  2. Advanced Setup > Performance へ移動する。

  3. Enable adaptive c-States for discrete graphics」のオプションを無効化(Disable)する。

この設定は、ディスクリートGPU(独立GPU)の省電力状態(C-States)を制御する項目です。この機能を無効化することでシステムクラッシュが停止したとの報告が複数上がっており、更新プログラム「KB5072033」に含まれる電源管理ポリシーと、Dellのファームウェア制御との間で競合が発生していると推測されます。

企業管理者は適用延期を推奨:公式修正パッチの待機と今後の対応

現時点において、MicrosoftおよびDellから本件に関する公式な修正パッチや声明は発表されていません。そのため、Dell製PCを使用しているユーザー、特に大規模なフリートを管理する企業のIT管理者は、不具合が解消されるまで「KB5072033」の適用を一時的に見合わせる措置が賢明です。

すでに適用してしまい、フリーズ等の症状に悩まされている場合は、前述のBIOS設定の見直しが唯一の現実的な対処法となります。しかし、C-Statesの無効化は消費電力や発熱に影響を与える可能性があるため、あくまで公式修正がリリースされるまでの暫定措置として捉えるべきでしょう。

今回の不具合はハードウェア制御とOSアップデートの整合性という、PC運用の根幹に関わる問題です。今後リリースされるであろう修正パッチの情報や、メーカー側からのファームウェアアップデートの提供状況を注視する必要があります。