Linux標準「Slimbook One」登場!Ryzen AI 9 HX 370とOCuLink搭載で999ドル、エンジニア待望の仕様が熱い

スペインのハードウェアメーカーSlimbookから、Linuxを標準搭載した新型ミニPC「Slimbook One」が発表されました。AMDの最新アーキテクチャ「Zen 5」を採用したRyzen AI 9 HX 370を搭載し、最大128GBのメモリに対応するなど、デスクトップ機に迫る性能を凝縮しています。さらにOCuLinkポートやデュアル2.5G LANを備えるなど、インターフェース面でも競合製品と一線を画しています。一般のWindowsミニPCとは異なる、エンジニアやパワーユーザーに向けた本機の仕様と市場価値について解説します。

Zen 5アーキテクチャと最大128GBメモリによる圧倒的な処理性能

本機の最上位モデルには、AMDの最新APU「Ryzen AI 9 HX 370」が搭載されています。これは「Zen 5」アーキテクチャに基づいた12コアのプロセッサで、内蔵GPUにはRadeon 890Mを採用しています。前世代のRadeon 780Mと比較してゲーム性能が20%から30%向上しているとされ、iGPU単体でもカジュアルなゲームプレイや軽量なワークロードであれば快適にこなせる実力を持っています。また、Zen 4世代のRyzen 7(Hawk Point)を搭載した下位モデルも用意されており、予算や用途に応じた選択が可能です。

特筆すべきは、メモリとストレージの拡張性です。DDR5-5600規格のデュアルSO-DIMMスロットを備え、最大128GBまでメモリを増設できます。ストレージに関しても、PCIe 4.0 x4接続のM.2スロットを2基搭載しており、最大16TBという広大な領域を確保可能です。筐体サイズは130 x 158 x 53 mm、重量約0.7kgとコンパクトながら、ワークステーション並みのリソースを詰め込める点は、本機の大きな魅力と言えるでしょう。

OCuLink搭載とLinux標準採用で差別化された「玄人向け」仕様

「Slimbook One」が他のミニPCと明確に異なる点は、そのインターフェース構成とOSの選択にあります。本機は、帯域幅においてThunderbolt 4等を凌ぐ外部GPU接続規格「OCuLink」ポートを標準搭載しています。これにより、内蔵GPUの性能に満足できないユーザーは、外付けGPU(eGPU)を利用してハイエンドなゲーミング環境やAI演算環境を構築することができます。

ポート類も非常に充実しており、以下の仕様となっています。

  • USB4 Type-C ×2

  • USB 3.2 Gen 2 Type-A ×2、USB 2.0 ×2

  • HDMI 2.1、DisplayPort 2.0

  • OCuLink

  • 2.5G Ethernet ×2

特に2.5G LANを2ポート備えている点は、ホームサーバーやルーター自作などの用途を想定する方にとって見逃せないポイントです。また、多くのミニPCがWindowsをプリインストールする中で、本機はLinuxを標準採用しています。ドライバ周りの不安なくLinux環境を即座に利用できる点は、開発者やFOSS愛好家にとって代えがたい利点となるはずです。

ハイスペックなLinuxマシンの有力候補

価格は、Ryzen 7(Zen 4)搭載モデルが699ドル、Ryzen AI 9 HX 370搭載モデルが999ドルに設定されています。市場には既に「GMKtec Evo-X1」や「Minisforum AI X1 Pro」、「Beelink SER9 Pro」といった競合機が存在し、激しいシェア争いが繰り広げられています。

しかし、OCuLinkとデュアル2.5G LANを兼ね備え、かつ公式にLinuxサポートを謳う製品は多くありません。Windowsライセンス料が含まれていない分、ハードウェアのビルドクオリティや冷却機構、ポートの質にコストが配分されていると考えられます。単なる安価なミニPCではなく、「母艦」として使えるパワフルなLinuxマシンを探しているユーザーや、自分好みのネットワーク環境を構築したいエンジニアにとって、本機は有力な候補となるはずです。