回路図公開のLinux端末『Mecha Comet』が2万円台で登場!スマホサイズにM.2スロットと物理キーボード換装を凝縮し、改造自由度は無限大

米Mecha Systemsは、本体の下半分を物理的に交換することで、QWERTYキーボードやゲームパッド、電子工作用のピンなどを自由に切り替えられるLinux端末『Mecha Comet』のKickstarterキャンペーンを開始しました。 スマートフォンと同じくらいのサイズに、鮮やかな3.92インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載。単なる小型PCではなく、ハードウェア構成そのものをユーザーが決められるのが特徴です。設計図の公開も予定されており、ハードウェアの改造やLinuxを愛するユーザーにとって、見逃せない一台となるはずです。

パーツ交換で形を変えられるユニークな仕組み

『Mecha Comet』最大の特徴は、ディスプレイの下にある「入力部分」を、カートリッジのように交換できるモジュール構造です。 ベースとなる本体には3.92インチ、解像度1080×1240(タッチ対応)のAMOLEDディスプレイが搭載されており、最大輝度500ニトと明るさも十分です。この本体に、ユーザーは別売りのモジュールを合体させて使用します。

用意されているモジュールは、往年のBlackBerryを思わせるQWERTYキーボード(25ドル)、携帯ゲーム機として使うためのゲームパッド(20ドル)、そして開発用途に使える40ピンのI/Oボード(15ドル)などがあります。 本体サイズは155 x 73 x 14mm、重さは225gと「少し分厚いスマートフォン」程度ですが、用途に合わせて姿を変えられる点は、他のUMPCや携帯ゲーム機とは明確に違います。

信頼性の高いプロセッサ採用と、改造しやすい拡張性

内部のスペックには、産業機器などで実績のあるNXP製のSoCを採用しています。 エントリーモデル(189ドル〜)にはクアッドコアの「i.MX8M Plus」、2GBメモリ、64GBストレージを搭載。上位モデルでは、より高性能なヘキサコアの「i.MX 95」に加え、最大8GBのメモリと128GB SSDを選択可能です。

特筆すべきは、その拡張性の高さです。本体にはUSB Type-C×2、HDMI、イヤホンジャックに加え、内部には通信モジュール用のスロット(M.2 3042 B-Key)を備えています。これにより、4G/5Gモデムを追加したり、変換アダプタを使ってSSDを増設したりすることが可能です。 OSはLinuxベースで、メーカーはソフトウェアのソースコードだけでなく、将来的には基板や本体の設計データも公開するとしています。ハードウェアレベルでの改造やカスタマイズを好む層には、非常に相性の良い仕様です。

好き者にはたまらない「ポケット・コンピュータ」として有力な一台

本機は、標準モデルが6月、上位モデルが9月の出荷を予定しています。 AndroidやiOSといったスマホOSの制限を受けず、純粋なLinux環境をポケットサイズで持ち運べる点は大きな魅力です。また、これだけのギミックと有機EL画面を備えながら、ベースモデルが189ドル(約2.8万円)からという価格は、現在の円安を考えてもコストパフォーマンスに優れています。

モジュールが別売りである点や、最新のハイエンドスマホのような処理速度はない点には注意が必要です。しかし、自作ハードウェアのベースとして、あるいは外出先でのプログラミングやレトロゲーム機として、自分だけの端末を作り上げたいエンジニアや愛好家にとっては、理想的な一台です。