DDR5高騰が影響しAMD Ryzen 5000シリーズの価格が急騰中、Ryzen 7 5700Xは最安値から70%以上の値上がりを記録

昨今のDRAM供給不足に伴うDDR5メモリの価格高騰を受け、安価なDDR4メモリに対応するAMDの旧世代プラットフォーム「AM4」への需要が再燃しています。これに伴い、Zen 3アーキテクチャを採用した「Ryzen 7 5700X」などの主要CPUが、過去の最安値と比較して大幅な値上がりを見せています。本記事では、市場で起きている価格変動の詳細と、その背景にあるメモリ規格の事情について解説します。

DDR5高騰に伴うAM4プラットフォームへの需要回帰と価格変動

DRAM市場における供給不足はDDR5メモリの価格高騰を招いており、現在、16GBのDDR5キットの平均価格は100ドルを大きく超える水準で推移しています。こうした状況下で、消費者の関心は相対的に安価なDDR4メモリを使用できる旧世代のCPUへと向かっており、結果としてAMDのZen 3世代CPUに対する需要が急増しています。

TechEpiphanyのデータによると、特に8コアCPUである「Ryzen 7 5700X」の価格上昇が顕著です。欧州市場においては、昨年10月時点で140ユーロ未満で販売されていた同製品が、現在は180ユーロ近くまで上昇しています。この傾向は米国市場でも同様で、Amazon.comにおける価格は約220ドルに達しました。価格追跡サイトCamelcamelcamelの履歴によれば、2025年5月に記録した過去最安値の128ドルと比較して、現在の価格は約72%も高い水準となっています。

同様の現象は「Ryzen 7 5800XT」でも確認されており、現在のAmazon価格は219ドルです。こちらも2025年5月の最安値である125ドルと比較して、75%以上の価格上昇を記録しており、旧世代製品でありながら市場価値が反転上昇するという異例の事態となっています。

競合となるIntel第13・14世代CPUのコストパフォーマンス

AMDのAM4プラットフォームへの回帰が進む一方で、DDR4メモリに対応するIntel製CPUの存在感も相対的に高まっています。Intelは依然としてDDR4をサポートする第13世代および第14世代Coreプロセッサを販売しており、これらは新規にゲーミングPCを構築するユーザーにとって有力な選択肢となり得ます。

例えば、「Intel Core i5-14600KF」は現在Amazonにて228ドル前後で販売されています。価格帯としては値上がりしたRyzen 7 5700Xに近いですが、シングルコアおよびマルチコア性能においてはCore i5-14600KFがRyzen 7 5700Xを大きく上回るパフォーマンスを発揮します。AMD製品の価格上昇により、かつての「安価なAM4構成」という優位性が薄れつつある中、絶対的な性能とコストのバランスにおいて、Intelプラットフォームが再評価される局面にあります。

予算重視のゲーマーに向けたAM4製品再投入の必要性

DDR4メモリ対応のデスクトップCPUに対する需要増は、AMDにとって廃番となったAM4 CPUを再リリースする十分な理由となり得ます。特に「Ryzen 7 5800X3D」のような3D V-Cache搭載モデルは、現在でもゲーミング用途において高い競争力を有しています。

予算を重視するゲーマー層が最新プラットフォームへの移行を躊躇せざるを得ない現状において、これらの高性能かつ安価なメモリで運用できるCPUの供給は、市場から歓迎される可能性が高いでしょう。DRAM供給の問題が長期化すれば、旧世代プラットフォームの寿命は予想以上に延びることになりそうです。