OpenAIが「ペン型」のAIデバイスを開発中との報道。コードネームはGumdrop、iPod shuffle並みのサイズ感か

OpenAIが、iPhoneやMacBookに並ぶ「第3のコアデバイス」と位置づける独自のハードウェア開発に着手しているとの報道がなされました。コードネーム「Gumdrop」と呼ばれるこのデバイスは、元Appleの伝説的デザイナーであるジョナサン・アイブ氏が関与するペン型端末であるとされています。Humane AI PinやRabbit r1といった先行製品が市場定着に苦戦する中、AI業界の巨人が満を持して投入するハードウェアは、LLM(大規模言語モデル)と現実世界を繋ぐ新たなインターフェースとなる可能性があります。

コードネーム「Gumdrop」はiPod Shuffle級の小型筐体か:Jony Ive氏も参画

報道によると、OpenAIが開発中のAIデバイスは「Gumdrop(ガムドロップ)」というコードネームで呼ばれており、iPod Shuffleに匹敵する小型サイズになると予測されています。特筆すべきは、デザインの共同設計者として、元Appleの最高デザイン責任者(CDO)であるジョナサン・アイブ氏の名前が挙がっている点です。

デバイスの形状は「ペン型」とされており、マイクとカメラを統合しています。主な機能として、音声コマンドの処理に加え、カメラを通じて手書きのメモをデジタルテキストに変換し、ChatGPTへ直接アップロードする機能が搭載されると言われています。これまでのAIデバイスが音声対話に特化していたのに対し、視覚情報の取り込みやアナログな筆記動作との連携を重視している点が特徴的です。

製造はFoxconnが担当し非中国拠点で生産へ:発売は2026年から2027年と予測

台湾の経済日報(Taiwan Economic Daily)の情報として、製造パートナーに関する具体的な動向も報じられています。当初は中国のLuxshareが製造委託先として検討されていましたが、OpenAI側が中国本土での製造を回避する意向を示したため、Foxconn(鴻海精密工業)が採用される見通しとなりました。生産拠点は米国またはベトナムになると伝えられています。

また、本デバイスは現在デザインの初期段階にあり、市場投入は早くとも2026年から2027年頃になると予測されています。Humane AI Pinが発売から1年足らずで商業的な苦境に立たされ、HPによる資産買収に至った事例を踏まえ、OpenAIはハードウェアの完成度と供給体制の構築に慎重な姿勢を見せていることが伺えます。

iPhone、MacBookに並ぶ「第3のコアデバイス」としての可能性とLLM学習への寄与

OpenAIはこのデバイスを、iPhoneやMacBookと共存する「第3の主要デバイス」と定義付けようとしています。しかし、スマートフォン単体で高度なAI処理が可能になりつつある現在、専用ハードウェアの優位性をどこに見出すかが課題となります。

一つの可能性として指摘されているのが、LLMのトレーニングデータを収集するための「Reality Scraper(現実のスクレイピング装置)」としての側面です。Web上のテキストデータを学習し尽くしたAI企業にとって、現実世界の映像や音声といった「有機的なデータ」の獲得は急務となっています。ユーザーが日常的に携帯するウェアラブルデバイスを通じて、合成データではないリアルな情報を収集し、次世代モデルの精度向上に役立てる狙いがあるとも考えられます。