
One Netbook社は、次世代のハイエンドタブレット「ONEXPLAYER Super X」のクラウドファンディングを開始しました。
本機は14インチのOLEDディスプレイを備えた3-in-1タブレットでありながら、AMDの最新APU「Strix Halo(Ryzen AI Maxシリーズ)」を搭載し、モバイルワークステーション級の性能を標榜しています。
最大の特徴は、外付けの水冷ユニットを接続することでTDPを120Wまで引き上げられる点にあり、既存のタブレットPCの常識を覆す設計がなされています。
次世代APU「Strix Halo」と120Hz OLEDがもたらすデスクトップ級の体験
ONEXPLAYER Super Xの中核を成すのは、AMDが発表したばかりの怪物級APU「Strix Halo」です。最上位構成では「Ryzen AI Max+ 395」プロセッサを採用しており、統合グラフィックスにはディスクリートGPUクラスの性能を持つ「Radeon 8060S」を搭載しています。メモリにはLPDDR5x-8000という超高速規格を採用し、最大128GBまでの構成が選択可能です。ただし、メモリはオンボード実装のため購入後の増設は不可となっており、初期構成の選択が非常に重要となります。
ディスプレイには14インチの3K(2880×1800)OLEDパネルを採用しており、リフレッシュレートは120Hzに対応しています。これはゲーミング用途だけでなく、クリエイティブワークにおいても高い没入感と正確な色再現性を提供する仕様です。ストレージ面では、メインのPCIe 4.0 x4 NVMe SSDスロット(最大7100MB/s)に加え、独自規格の「ミニSSDスロット」を搭載しており、専用カードを用いた高速なリムーバブルストレージの運用が可能である点も、週末のアキバ・ハッカー層の心をくすぐるギミックと言えるでしょう。
ASUS ROG Flow Z13への挑戦状と「水冷合体」による排熱革命
本機の直接的な競合となるのは、ASUSの「ROG Flow Z13」です。One Netbook社は、ROG Flow Z13と比較して「より薄型でありながら、より大画面かつ大容量バッテリーを搭載している」と主張しています。確かに国内サポート体制ではASUSに分がありますが、ハードウェアの実験的な試みにおいてはONEXPLAYERが一歩先を行っている印象を受けます。
その象徴が「水冷システム」の導入です。標準モデルの空冷(ベイパーチャンバー+デュアルファン)でもTDP 80Wまでの動作をサポートしていますが、「Liquid Cooled」モデルを選択することで背面に専用ポートが追加されます。ここに別売りの外付け水冷ユニット「Frost Bay」(約199ドル)を接続することで、冷却液を循環させ、TDPを最大120Wまで引き上げることが可能です。なお、水冷対応モデルの本体価格は標準モデルより60ドル高価ですが、これにはユニット自体は含まれず、あくまで「接続ポートの追加費用」である点には注意が必要です。
| モデル構成 | プロセッサ | RAM / ストレージ | 価格(Kickstarter) |
| Standard | Ryzen AI Max 385 | 32GB / 1TB | $1899 |
| Liquid Cooled | Ryzen AI Max 385 | 32GB / 1TB | $1959 |
| Standard | Ryzen AI Max+ 395 | 128GB / 1TB | $2699 |
| Liquid Cooled | Ryzen AI Max+ 395 | 128GB / 1TB | $2759 |
2026年出荷というタイムラインとハイエンドUMPC市場への示唆
本製品の価格は、Ryzen AI Max 385搭載のベースモデルで1899ドル(クラウドファンディング価格)からとなっており、一般販売時にはさらに200〜300ドルの上乗せが予定されています。日本円換算では30万円に迫る、あるいは超える価格帯となるため、決して安価なデバイスではありません。
また、出荷予定が「2026年2月」とアナウンスされている点は、購入判断における最大のハードルとなるでしょう。テクノロジーの進化が早いモバイル業界において、1年以上先の納品を待つことはリスクを伴います。しかし、Strix Haloという未体験のパフォーマンスを、タブレットという極薄のフォームファクタで持ち運べるロマンは、他には代えがたい魅力です。エミュレーターを駆使するレトロゲーマーから、出先でヘビーなAI処理を行いたいエンジニアまで、特定のニーズを持つパワーユーザーにとっては、唯一無二の「母艦」となるポテンシャルを秘めた一台と言えます。








