
2026年、PC市場は深刻な価格上昇の波に直面する可能性があります。IDC(International Data Corporation)の最新予測によると、AIサーバー需要の急増やWindows 10のサポート終了に伴う更新需要が重なり、DRAMを中心としたメモリコンポーネントの供給不足が懸念されています。本記事では、主要PCメーカーも警戒する「メモリ・スーパーサイクル」の概要と、自作PCユーザーやUMPC(超小型PC)を含むガジェット愛好家への実質的な影響について詳細に解説します。
AI需要と「メモリ・スーパーサイクル」が招く部材高騰のメカニズム
今回、アナリストらが警鐘を鳴らしているのは、メモリ需要の爆発的な増加サイクル、いわゆる「メモリ・スーパーサイクル」の到来です。主な要因として、AIサーバーへの投資集中、AI処理能力を有する「AI PC」の普及、そしてWindows 10のサポート終了に伴うハードウェア更新の需要増が挙げられます。これらが複合的に作用し、DRAMおよび関連コンポーネントの需給バランスが逼迫しつつあります。
Lenovo、Dell、HP、Acer、ASUSといった主要なグローバルOEM各社も、市場環境の厳しさを認識しています。サプライヤー側では、2026年下半期から供給契約の見直しとともに、約15〜20%の価格引き上げを準備しているとの情報もあり、これが最終製品の価格に転嫁される可能性は極めて高いと言えます。
自作PCおよびゲーミングハンドヘルド市場への深刻な影響
この価格高騰の影響範囲は、一般的なノートPCやデスクトップPCにとどまりません。スマートフォンやグラフィックカード、さらには近年市場を賑わせているゲーミングハンドヘルド(UMPC)においても、メモリ不足によるコスト増が予測されます。
特に影響を強く受けると見られるのが、個別のパーツを調達する自作PCユーザーです。大手OEMはスケールメリットを活かして価格上昇をある程度抑制できる可能性がありますが、カスタムPC市場ではコンポーネント単位での価格上昇がダイレクトに反映されるためです。 また、Microsoftの「Copilot+ PC」要件など、AI機能の実装には大容量かつ高速なメモリが不可欠ですが、供給難によりメーカー側がメモリ容量を抑制したモデル構成を余儀なくされる懸念もあります。これは、リッチなスペックを求めるハイエンド志向のユーザーにとって、選択肢が狭まることを意味します。
買い替え検討層は「早期決断」が合理的となる2026年の市場展望
IDCは、2026年の世界のPC出荷台数が約4.9%減少すると予測しています。もしメモリ不足が深刻化すれば、この減少幅はさらに拡大するでしょう。メモリメーカーの生産能力が、利益率の高いAIサーバー向け製品に優先的に割り振られる傾向が強まっているため、コンシューマー向け製品の供給はどうしても後回しになりがちです。











