ASUS会長がスマホ新機種の投入停止を示唆、AIスマートグラスへ注力か!ZenfoneやROG Phoneの将来と2025年以降の戦略

ASUSのスマートフォン部門に大きな転換期が訪れようとしています。

ASUSのジョニー・シー会長は、今後新たなスマートフォンモデルの投入を停止し、AI技術を活用したスマートグラスやロボティクス分野へ注力する方針を明らかにしました。これは、「Zenfone」や「ROG Phone」といった人気シリーズの後継機が見送られる可能性を示唆するものです。本記事では、AIブームに伴うASUSの戦略変更の背景と、既存ユーザーへの影響、そして同社が目指す次世代デバイスの展望について解説します。

スマートフォン事業からAIスマートグラス・ロボティクス分野への転換

台湾メディアの報道によると、ASUSのジョニー・シー会長は1月16日の年末祝賀会にて、「ASUSは将来的に新しい携帯電話モデルを追加しない」と発言しました。この発言は、長らく噂されていたスマートフォン事業の縮小・撤退説を公式に裏付けるものとなります。

ASUSはこれまで、コンパクトハイエンドの「Zenfone」シリーズや、ゲーミングに特化した「ROG Phone」シリーズを展開し、ニッチながらも熱心なファン層を獲得してきました。しかし、今後は経営資源を急速に成長するAIセクターへと集中させます。具体的には、「AIロボットおよびロボティクス」と「AIグラス(スマートグラス)」の2つの分野が新たな開拓領域として挙げられています。

この戦略転換の背景には、同社の財務状況が大きく関与しています。2025年の財務報告では、前年比で26.1%の収益増を記録しましたが、この成長の大半はAIサーバーの展開拡大によるものでした。ハードウェア市場全体がAI中心へとシフトする中、ASUSもまた、より収益性の高い分野へのピボットを決断したと言えます。

Snapdragon Xプロセッサの採用拡大とメモリ価格高騰への対応

ASUSの技術戦略も変化の兆しを見せています。スマートフォン向けSoCで実績のあるQualcommとの関係は継続・強化される見込みですが、その適用範囲はモバイル端末からPCやロボットへと移行します。

今後はSnapdragon Xプロセッサを搭載したノートPCのラインナップ拡充や、自律型ロボット開発に不可欠なQualcommのDragonwingプラットフォームの活用が予想されます。

また、シー会長は現在進行しているメモリ不足の問題についても言及しました。RAM価格の上昇に伴い、ノートPCやデスクトップPCなどの製品価格が上昇する可能性を認めています。ASUSはすでに一部製品の希望小売価格(MSRP)を引き上げていますが、「デザイン思考とサプライチェーンの連携」によって影響を最小限に抑える方針です。当面は手持ちの部品在庫を活用し、さらなる価格上昇の遅延を図るとしています。

既存モデルのサポート継続と次世代AIデバイスへの期待

ZenfoneやROG Phoneの新規開発が停止される一方で、既存モデルを使用しているユーザーへの配慮も示されています。シー会長は、移行期間中においても既存モデルへのサポートを継続することを確約しました。これにより、直ちにセキュリティアップデートや修理対応が打ち切られるといった事態は避けられる見通しです。

スマートグラス市場は、過去にGoogleやAppleが参入を試みたものの、メインストリームとしての普及には至っていないのが現状です。しかし、ASUSはAI技術の進化がこの状況を打破し、ニッチな製品から一般消費者向けのデバイスへと昇華させると確信しているようです。スマートフォン市場で培った小型化技術と、好調なAIサーバー事業の知見を融合させたASUS製の次世代ウェアラブルデバイスが、いつ市場に姿を現すのか注目が集まります。