2026年初頭、スマートフォン市場は深刻な不安定局面に直面しています。主要な要因はメモリチップ価格の急激かつ持続的な高騰です。
著名なリーカーDigital Chat Station氏の情報によると、この影響は既に製品ラインナップ全体に波及しており、コストパフォーマンスに優れたミドルレンジ機が市場から姿を消す危機にあるほか、次世代フラッグシップモデルの開発が中断される事態にまで発展しています。

本記事では、部品コスト(BOM)の上昇が引き起こす各メーカーのロードマップ変更と、今後の製品展開への影響について詳細に解説します。
部品コスト増大によるロードマップの混乱と発売延期
メモリ価格の高騰は、単なる製造原価(BOM)の上昇にとどまらず、各ブランドの製品ロードマップそのものを根底から揺るがしています。SamsungやSK Hynixといった主要サプライヤーがLPDDRメモリの価格を最大100%引き上げたことで、AndroidメーカーのみならずAppleでさえもその圧力を受けていると報じられています。
この影響により、2025年後半に発売された一部のコストパフォーマンス重視のデバイスは、当初の計画よりも早く販売終了となる可能性があります。また、その後継モデルについては発売時期が2026年半ば以降へと延期される見通しであり、実際に発売される際にも価格上昇は避けられない状況です。一部の社内プロダクトチームは、新規スマートフォンの立ち上げ自体を「高リスクな財務的負債」と見なしており、複数のブランドが次世代フラッグシップモデルの開発を一時停止するという異例の事態に陥っています。
最も影響を受けるミドルレンジ帯とストレージ構成の変化
特に深刻な影響を受けているのが、2,000元から2,500元(約275ドル〜345ドル)の価格帯に位置するミドルレンジセグメントです。Digital Chat Station氏は1月下旬の投稿で、この価格帯が最も脆弱であると指摘しています。
市場では既に具体的な変化が現れており、Snapdragon 8 Eliteシリーズを搭載した初期のスマートフォンは発売直後の割引キャンペーンを静かに終了させています。さらに、512GBモデルと256GBモデルの価格差は400元(約58ドル)以上に拡大し、大容量となる1TBモデルは市場から姿を消しつつあります。発売からわずか数週間で生産量を削減する機種や、プロトタイプ段階で開発が中止されるケースも散見され、2026年はスペック競争以上に「企業の存続」が問われる年となりそうです。
利益率低下による市場撤退リスクと今後の展望
価格変動と利益率の低下が重なり合う中で、各メーカーは損失を食い止めるために特定の地域市場からの完全撤退を検討する懸念も高まっています。これまでのスマートフォン市場は機能や性能の革新性を競う場でしたが、2026年はメーカーがいかにして収益性を維持し、生き残るかというフェーズへ移行することが予想されます。
ユーザーにとっては、魅力的なミドルレンジ端末の選択肢が減少し、ハイエンドモデルの価格がさらに上昇するという厳しい一年になることが考えられます。今後、各メーカーがどのような価格戦略と製品構成でこの「メモリショック」に対応していくのか、慎重に注視する必要があります。






