スマートフォン背面に装着可能なコンパクトさと、69ドルという低価格で注目を集める電子書籍リーダー「Xteink X4」。そのハードウェア的な魅力とは裏腹に、標準搭載されたソフトウェアの機能不足が課題とされていました。
しかし、発売からわずか数ヶ月で活発なユーザーコミュニティが形成され、このほどX4の機能を大幅に拡張するオープンソースの代替ファームウェア「CrossPoint Reader」が登場しました。

本稿では、標準ソフトウェアの弱点を克服し、より快適な読書体験を提供するこの新たなツールについて解説します。
Xteink X4の課題を解消する「CrossPoint Reader」の機能
Xteink X4は、4.2インチのE Inkディスプレイを搭載し、ESP32マイクロコントローラーで動作する超小型デバイスですが、出荷時の標準ソフトウェアにはいくつかの制限が存在します。

標準ではDRMフリーのEPUBやTXTなど限られたフォーマットのみのサポートに加え、フォントサイズは「中」と「小」の2種類しか選択できません。また、タッチスクリーン非搭載のため物理ボタンでの操作が必須となりますが、画面ごとに機能が変化する操作体系は直感的とは言えませんでした。
こうした課題に対し、有志によって開発された「CrossPoint Reader」は、ユーザー体験を向上させるための多くの改善を含んでいます。主な特徴として、テキストフォーマットや電子書籍レイアウトの最適化、フォントサイズや設定項目の拡充、そしてメニューシステムの刷新が挙げられます。さらに、電子書籍データの転送ツールが改善され、多言語サポートも追加されています。これらにより、ハードウェアのポテンシャルをより引き出すことが可能となります。
ESP32搭載の超小型eReaderとしてのハードウェア仕様
ソフトウェアの進化に加え、Xteink X4自体のハードウェア仕様についても改めて確認しておきましょう。本体サイズは114 x 69 x 5.9mm、重量わずか74gという驚異的なコンパクトさを実現しており、スマートフォンの背面にマグネットで吸着させて持ち運ぶことが可能です。4.2インチのディスプレイは解像度480 x 800ピクセル(220ppi)で、最新のハイエンド端末(300ppi)には及びませんが、可読性は確保されています。
内部にはESP32マイクロコントローラーを採用し、650mAhのバッテリーにより最大2週間の駆動時間を実現しています。ストレージには32GBのmicroSDカードが付属し、USB Type-Cポート、WiFi、Bluetoothといった現代的なインターフェースも完備されています。ただし、バックライトは非搭載であるため、暗所での読書にはクリップライト等の外部光源が必要です。
開発途上のファームウェアと充実する周辺ツールの展望
「CrossPoint Reader」は現時点で開発段階にあるプロジェクトであり、カスタムフォントの追加やEPUB内画像の表示といった機能は今後のアップデートで実装予定とされています。しかし、発売後間もない段階でこのような代替ファームウェアが登場したことは、開発コミュニティの熱量の高さを物語っています。
また、ファームウェアの完全な書き換えを行わずとも、Android端末からXteink X4を管理するアプリや、PC用電子書籍管理ソフト「Calibre」を用いたEPUBファイルの最適化ツール、漫画やコミックをX4向けに変換するツールなど、サードパーティ製のユーティリティも充実しつつあります。これらのエコシステムが拡大することで、Xteink X4は単なる「安価なガジェット」の枠を超え、カスタマイズ性の高いユニークな読書端末としての地位を確立していくでしょう。










