MWC2019のLenovoブースでは、モバイルディスプレイなどに並び、Xシリーズの新作である「ThinkPad X390」と「ThinkPad X390 Yoga」が展示されていました。
さて、このX390ですが、筆者を含めたモバイラーに根強いファンが多い、X200シリーズ(最新作はThinkPad X280)の後継と位置づけられています。
というのも、X200シリーズは伝統的に、12.5インチのディスプレイを搭載しており、厚みも重さも決して他社モバイルノートと比較して優位ではないものの、12.5型というその絶妙なサイズ感と打ちやすいキーボードで、何世代も買い続けるようなファンを生み出してきたのです。
今回のX390は、ディスプレイが13.3型になりました。
同じ筐体サイズでベゼルを狭めたのか!? 神か!? とワクワク期待しながらLenovoブースに向かったのですが、結果は少し残念なものでした。
なぜ本体を広げたのだー!
ThinkPadは、重さも厚さも関係ありません(独断)
その完璧なキーボードが、絶妙な本体サイズに収まっていればみんな幸せになれるのです(独断)
ですがこのX390、X280の後継と言われるわりには、本体サイズが広がっており、若干残念なものになっていました。
まず、神機といわれるX200シリーズの最新作、X280の本体サイズは下記の通りです。(タッチスクリーン非対応モデル)
- 307.7 x 209.8 x 17.4mm
はい、このサイズに、中毒性があるのです。
これに対し、X390のサイズは、
- 311.9 x 217 x 16.5mm
分かりますでしょうか?
幅が約4mm、高さが約7mm広がっています。
こうなると、
- 322 x 224.2 x 18.8mm
である、L390や、ほぼ同じサイズのThinkpad 13に近づいてきます。
これらは、何の面白みもない(失礼)13.3型のスタンダードノートです。
つまり、X390は、薄く軽く大きくなって、X200シリーズのアイデンティティーを少し失ってしまったのです……
現に会場で警備員や他の見物客を押しのけてX390をさわり倒したのですが、あのX280に感じる「私は他とはちょっと違います」みたいな存在感が薄れ、「よくできた重くも軽くもない13型ノート」のように感じました。
キーボードは、もちろんいつものThinkPadの打ちやすいものです。
トラックパッドも健在です。
確かに、厚みはさらに薄くなっていました。
下記スペック表弐あるとおり、一応12型のコンパクトなフットプリントに13型ディスプレイが搭載されていることをウリにはしています。
ただ、本体サイズを広げてしまうと、13型ノートと差別化が難しくなり、1.22kgという重さがネックになってきます。
12.5型であの本体サイズだったからこそ、1kgを超える重さでもモバイルノートという存在感があったと筆者などは思ってしまいました。
360度回転のYogaも
また、同じサイズで、ディスプレイが360度回転する「ThinkPad X390 Yoga」も展示されていました。
こちらは1.32kgとさらに重くなっており、もはやモバイルノートのカテゴリの中ではかなり重い部類に入ってしまいます。
折りたたんだら、このような形になります。
おわりに
いかがでしたか?
モバイルノートのカテゴリというのは、数mm、数cm、数gで、使う人の印象や使い勝手が大きく変わってくる世界です。
X200シリーズは、その中でも独特のポジションを持っていました。
というのも、モバイルノートが薄型・軽量化を指向する中、薄型・軽量化をガン無視(とまでは言いませんが)し、その絶妙なサイズ感とキーボードの打ちやすさでファンを獲得していたからです。
そういう中で今回のThinkPad X390は、X200シリーズが「普通の」13.3型ノートに近づいたようで、筆者は少し残念に感じました。
むしろここ数年は、XシリーズはX1 Carbonに強く惹かれております。
みなさまはどう感じましたでしょうか?
おわり