デイリーガジェットで何度かお伝えしてきた、Chuwi社のSurfaceライクな2in1WindowsタブレットPCである「Chuwi UBook Pro」
今回は、本機をしばらくフル活用してみた結果のレビューです。
そもそも、本機を使う前から、一つの疑問がありました。
それは
「なぜ2in1である必要があるのか?(普通のノートパソコンじゃダメなの?)」
ということです。
これは、Surfaceが流行して以降、ずっと疑問に思っていたことでした。
普通のノートパソコン(いわゆるクラムシェル)でいいのでは?
UBook Proのような、Surfaceライクな2in1の特徴としては、
- キーボードカバーと本体を分離できる
- キックスタンドがついている
- 本体だけで、タブレットとして使うことができる
- スタイラスペンに対応しているので、お絵かきにも便利
などがよく取り上げられます。
ただ、正直に言えば、Windows PCをタブレットとして使いたいユーザーがどれくらいいるでしょうか?
タブレットとして設計されていないWindowsは、タブレットとして使うには正直とても使いにくいものです。
それであれば、iPadのように、OSから別のものを用意するのが筋なのではないか?と思っていました。
また、ペン入力にしても、もちろんイラスト制作やお絵かき、手書きメモを頻繁にする人には良いのですが、それ以外の多くのユーザーには無用の長物でしょう。
しかも、本格的なイラストを描くには、Illustratorのようなソフトウェアが必要で、それを満足に動かすにはそれなりに高いスペックが必要になります。
なおさら、タブレット形状はふさわしくないのではないか?
また、キーボードカバーは、膝に置いて使うには不便で、クラムシェルタイプのように安定しません。
軽いともいわれますが、クラムシェルで1kgを切るようなモバイルノートパソコンもたくさん出てきています。
つまり、2in1は、多くのユーザーにとって無用な機能が付加され、ノートPCとしてはむしろ少し使いづらくなっているだけなのではないか?
そんな疑問を持ち続けてきました。
しかし、とても重要な事実として、Surfaceはヒットしています。
発売からずっと、売れ筋パソコンの一つとして、マイクロソフトのPCシェアは上がり続けてきました。
これはつまり、「Surface(2in1)は良いものだ」と多くのユーザーが感じたということです。
そして、今回取り上げるUBook Proのような、SurfaceライクなPCというのは一つのカテゴリーとして確固たる地位を築き上げています。
今回、しばらくUBook Proを使ってみて、その理由(2in1、Surfaceがヒットしている理由)というのが少しわかった気がしました。
まずは基本のおさらい
Chuwi UBook Proの基本スペックや基本的な使い勝手などは、↓をご覧ください。
Core m3-8100YモデルとCeleron N4100モデルがあり、いずれも5万円前後と圧倒的なコスパの高さが特徴になっています。
- CPU:Core m3-8100Y もしくは Celeron N4100
- グラフィックス:Intel UHD Graphics 615 もしくは 600
- RAM:8GB LPDDR3 もしくは LPDDR4
- ストレージ:256GB SATA SSD
- ディスプレイ:12.3インチ(1,920 x 1,280)
- タッチ:10点マルチタッチ
- アスペクト比:3:2
- カメラ(リア/フロント):5MP/2MP
- OS:Windows10 Home 64bit
- ポート類:USB Type-C、USB Type-A、3.5mmイヤホンジャック、microSD、HDMI、DC
- サイズ:292.2 x 207.9 x 9.9 mm
- 重量:780g
購入については、Chuwi社より、デイリーガジェット特別割引セットとして、UBook Pro本体と専用キーボードカバー、スタイラスペンのセットを↓のとおりご用意いただいており、これが一番安いです。
Chuwi UBook Pro (Indiegogo)デイリーガジェット特別割引
※売り切れたので追加していただきました。
また、こちらに日本語のプロモーションサイトがあります。
やはり良いと思った点
上記のファーストインプレッションと同じことを繰り返しても仕方ないので、今回はしばらく使ってみて、やはり良いと思った点を書きます。
まず、デザインです。
背面は、↓のようにフラットなシルバーで、シンプルで上品です。
また、専用キーボードカバーはスウェード調で、手触りもよいです。側面にペンが収納できるのも〇です。↓
フレームタイプのキックスタンドについては、会議室の長机で引きずったときのキーキー音はかなり辛いものがありますが、機構としてはしっかりしています。↓
また、アスペクト比3:2のディスプレイも、作業効率をかなり高めてくれます。
近年、16:9の横長ディスプレイが増えているのですが、それよりも正方形に近い3:2では、↓のように縦方向の情報が多いことが特徴です。
作業をすることが多いWindowsは、やはり縦方向というのは重要です。
また、ディスプレイの発色もきれいです。↓
そろそろ本題、2in1を選ぶ理由
冒頭で書いた、「なぜ一般的なノートパソコン(クラムシェル型)ではなく、2in1PCを選ぶのか」ですが、本機を使っていて分かってきました。
それは、「取り回しで感じるスリムさ」にあるのです。
まず単純に、SurfaceもUBook Proも、クラムシェルに比べて本体が薄くなっています。
UBook Proは本体が9.9mm、Surfaceですと8mm台です。
キーボードカバーが5mm程度なので、それを加えても13~14mmになります。
もっとも薄いMacBookである12インチと比較しても、↓のように本体だけではこちらのほうが薄くなります。(最厚部比較)
キーボードカバーをつけると、同じくらいか、若干厚いくらいです。↓
表面積はUBook Proのほうが縦横数mm~約1cmずつ大きくなっています。↓
厚み1mmというのは、表面積と掛け合わせて体積としてはかなり大きくなるため、実際に手に持ってみると想像以上に厚く感じるものです。
とんでもなく分厚いと悪名高かったXperia XZ2 Premiumも、iPhoneと比較して厚み自体は3mm程度しか変わりません。
また、MacBookを含めた多くのノートパソコンやスマホは、縁に向かうほど薄くなっていきます。
これは厚みを感じさせない工夫なのですが、SurfaceやUBook Proはタブレット形状のため、厚みが一定です。
薄さが全面にわたって続いていると、一番薄いMacBook 12インチと比較しても手に持った時には想像以上にスリムに感じます。
書類などと一緒に手軽に持ち運びができる、と感覚的に思わされる魅力が、2in1にはあるのです。
また、2in1はクラムシェル型と比較して、画面を開く動作が異なります。
キーボードカバーはマグネットでくっついてはいますが、そこを外すとあとは自然にキーボード部がパカッと開きます。
一方のクラムシェルは、最初から最後までヒンジの力に抵抗して力を入れ続けないといけません。
これは小さく感覚的なことですが、実際に何度も画面を開く作業をしていると、2in1の画面を開く気軽さというのは、どこか解放感すら感じます。
全面にわたり薄い板のような本体、画面を開くときの解放感。
マイクロソフトが「Surface(表面)」というブランドネームを採用した理由がよくわかる気がしました。
また、この解放感は、クリエイティビティを刺激するようです。
Appleが「What’s computer?」プロモーションで行ったiPad Proのクリエイティビティ訴求にもつながりますが、2in1の画面に対する解放感は、ペンやキーボードによって何かクリエイティブな活動(絵を描いてみようか?とか、物語を書いてみようか?とか)をしたいと思わせる刺激があります。
以上が、2in1の魅力です。
これらは、スペック比較だけでは分からないもので、使ってみて初めて感じました。
UBook Proのいまいちな点
使っていると、もちろんいまいちな点も見えてきます。
まずキーボードです。
US配列というのも使いにくいですし、何より入力時のたわみは非常に気になります。
入力するごとに「バコッバコッ」というたわみを感じます。
また、ペンがサイドに収納できるのは良いのですが、結構キツめにはまるため、気軽に取り出して使う、というようにはなりません。
この辺りはマグネットを利用してほしかったですね。
バッテリー駆動時間についても、ある程度使いこんでいると、3~4時間程度しかもちませんので、これは使い方にもよりますが一日中使いたいという方にはデメリットです。
USB Type-CによるPD急速充電に対応していることは救いです。
以上、Chuwi UBook Proの使い倒しレビューでした。
いろいろ書きましたが、このスペックで5万円前後というコスパの高さはやはり驚異的ですので、2in1を使ってみたい方は検討してみてもよいのではないでしょうか。
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※売り切れたので追加していただきました。
おわり
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