Allwinner A733はHelio G99の代替になるか?Teclast P50AIレビュー

今回は、多数の廉価タブレットやノートパソコンをリリースしているTeclastから新登場したAndroid 15タブレット「Teclast P50AI」の提供があったのでレビューします。

今回のタブレット、Teclast社はAI機能を訴求していますが、デイリーガジェットとして最大の注目点はAllwinner A733を搭載しているという点です。

商品紹介欄の↓にあるとおり、同社はAllwinner A733はHelio G99に匹敵する性能だと訴求しています。

本機はアマゾンのこちらのページで、税込20,900円で販売中で、よく1万円台でセールされます。

もしHelio G99級の性能があるのだとすれば、Helio G99タブレットは3万円台が一般的なので、格安タブレットの世界ではゲームチェンジャーということになります。

というわけで、見ていきましょう!

外観とスペック

まずは同梱物から。↓のように本体のほか、マニュアル類、USBチャージャー、USBケーブル、SIMピンとなっています。ただし、SIMには非対応で、microSDスロットもなく本体に直接メディアを挿すタイプなので、ピンは使いません。

続いて本体を見ていきましょう。

まずスペックですが、SoCのAllwinner A733はARM Cortex-A76@2.0GHz x2とCortex-A55@1.8GHz x6のオクタコアで、GPUはIMG BXM-4-64で3TOPs演算処理のNPUプロセッサ搭載。

ほか6GB LPDDR5 RAM、128GB UFS2.1ストレージ、11インチ(1280×800)IPSディスプレイ、最大90Hzリフレッシュレート、7,000mAhバッテリー、リア13MPフロント5MPカメラ、Android 15という構成。

通信はWi-Fi6とBluetooth 5.4、生体認証は顔認証をサポートし、ほかUSB Type-C/microSD/3.5mmイヤホンジャック/デュアルスピーカーを搭載しています。

widevineはL1で、センサ類は加速度・光・近接を搭載しています。

背面は↓の通りメタル外装。2眼に見えますが、カメラは1眼です。

技適番号も貼られています。↓

サイドには電源・音量ボタン。

底部にはデュアルスピーカーを搭載。

隅には3.5mmイヤホンジャック、USB Type-Cが2つ、microSDカードスロットとなっています。

こちら側には何も付いていません。

厚さは実測で8.2mm。廉価機としては標準くらいですが、昨今は廉価機でも7mm台が増えてきていますので、若干厚め。

重量は、実測で539gです。10インチ機としては重くなっています。

実際の使い勝手

まず初期設定を終えたホーム画面は↓の通り。

プリインアプリは必要最小限。このあたりは評価高。

設定アプリも至極シンプル。

さて、AIですが、↓のような機能がついています。

たとえば「AIビデオアップスケーリング」機能は、↓のディスプレイ項目で設定できます。

「デモモード」をONにすると、動画再生中にしばらくアップスケーリングON/OFFでの比較ができる表示になります。

スクショを撮ると消えてしまうので載せられないですが、確かにそのデモを通じてYouTubeを見ると、アップスケーリングによりクリアな表示に変わっています。

ただ、機能をOFFにして動画をみると、デモでアップスケーリング前とされている表示よりも綺麗に表示されているので、おそらくデモモードではアップスケーリング前の表示にぼかしを入れているのではと思います。(厳密に検証したわけではありませんが)

その他も含めて、あまりAI機能による恩恵というのは実感できませんでした。(少なくとも私は)

また、タブレットの動作はキビキビしていますが、ディスプレイ表示品質が低いのが気になります。

1万円ちょっとのタブレットくらいのエクスペリエンスでした。

ベンチマークスコア

さて、最大の関心ポイントであるAllwinner A733の性能を見るべく、ベンチマークスコアをチェックしましょう。

Geekbench 6は、↓の通り。

GPUスコアは↓です。

参考までに、最近レビューした機種のシングルコア・マルチコアスコアは↓の通り。

  • UNISOC T606(Alldocube iPlay60 Lite):375/1324
  • UNISOC T606(Alldocube iPlay50 mini):379/1372
  • Helio G85(Redmi Pad SE 8.7):385/1345
  • Snapdragon 680(Redmi Pad SE):419/1453
  • UNISOC T616(Headwolf FPad3):453/1545
  • Snapdragon 685(AvidPad S80):474/1499
  • UNISOC T620(Teclast T50Plus):500/1501
  • Allwinner A733(Teclast P50AI):633/1499
  • Helio G95(POCO M5s):683/1842
  • Helio G99(Alldocube iPlay50 mini Pro):708/1867
  • Helio G99(Blackview A200 Pro):732/2049
  • Helio G99-Ultra(POCO M6 Pro):733/1977
  • UNISOC T820(Anbernic RG556):871/2470
  • Snapdragon 695 5G(dtab Compact d-52C):882/1966
  • Snapdragon 6 Gen 1(Alldocube iPlay 60 mini Turbo):939/2902
  • Dimensity 7050(Lenovo Tab P12):954/2353
  • Dimensity 7050(Cubot Kingkong X):967/2474
  • Snapdragon 7s Gen 2(POCO Pad):1034/3010
  • Dimensity 8020(Blackview BL9000):1111/3140
  • Dimensity 8300-Ultra(POCO X6 Pro):1191/3951
  • Snapdragon 870(Xiaomi Pad 6):1304/3289
  • Snapdragon 870(Lenovo Legion Y700):1306/3507
  • Google Tensor G2(Pixel 7 Pro):1341/3044
  • Apple A12 Biocnic(iPad mini5):1343/2973
  • Snapdragon 8+ Gen 1(Zenfone 9):1809/4559
  • Snapdragon 8s Gen 3(POCO F6):1874/4828
  • Snapdragon 8 Gen 2(Xperia 1 V):2023/5235
  • Apple A15 Bionic(iPad mini6):2067/4894
  • Dimensity 9300+(Xiaomi 14T Pro):2096/6902
  • Snapdragon 8 Gen 3(Xperia 1 VI):2213/6686
  • Snapdragon 8 Gen 3(ROG PHONE 8):2280/7252

GPUスコアは↓の通りです。

  • Allwinner A733(Teclast P50AI):204
  • Snapdragon 680(Redmi Pad SE):346
  • Snapdragon 685(AvidPad S80):382
  • UNISOC T606(Alldocube iPlay60 Lite):445
  • UNISOC T606(Alldocube iPlay50 mini):448
  • UNISOC T616(Headwolf FPad3):506
  • Helio G85(Redmi Pad SE 8.7):544
  • UNISOC T620(Teclast T50Plus):597
  • Helio G99(Alldocube iPlay50 mini Pro):1272
  • Helio G99(Blackview A200 Pro):1305
  • Helio G99-Ultra(POCO M6 Pro):1305
  • Snapdragon 6 Gen 1(Alldocube iPlay 60 mini Turbo):1307
  • Snapdragon 695 5G(dtab Compact d-52C):1346
  • Snapdragon 7s Gen 2(POCO Pad):1789
  • Helio G95(POCO M5s):2142
  • UNISOC T820(Anbernic RG556):2218
  • Dimensity 7050(Cubot Kingkong X):2257
  • Dimensity 7050(Lenovo Tab P12):2335
  • Snapdragon 870(Xiaomi Pad 6):3274
  • Snapdragon 870(Lenovo Legion Y700):3365
  • Dimensity 8020(Blackview BL9000):4328
  • Google Tensor G2(Pixel 7 Pro):4464
  • Dimensity 8300-Ultra(POCO X6 Pro):4707
  • Snapdragon 8+ Gen 1(Zenfone 9):6136
  • Snapdragon 8 Gen 2(Xperia 1 V):7138
  • Snapdragon 8s Gen 3(POCO F6):8821
  • Apple A12 Bionic(iPad mini5):8,863
  • Dimensity 9300+(Xiaomi 14T Pro):12367
  • Snapdragon 8 Gen 3(Xperia 1 VI):14099
  • Snapdragon 8 Gen 3(ROG PHONE 8):14486
  • Apple A15 Bionic(iPad mini6):19373

これを見ると、確かにCPUスコアはUNISOC T600系よりは高くなっています。ただ、Helio G99には及ばず、UNISOC T620とHelio G95の間くらいになっています。

さらにGPUスコアが何度計測してもかなり低くなっていて、ゲームは厳しいパフォーマンスです。

1万円タブレットを買った方がいいかも

以上、「Teclast P50AI」を見てきました。

CPUパフォーマンスは確かに廉価機としては中の上くらいあるので、通常操作はキビキビしています。ただGPUパフォーマンスが低く、ゲームには向きません。

また、AI機能もあまり実感としてメリットを感じることが少なく、なにより2万円タブレットとしてはディスプレイ表示品質の低さの方が気になってしまいます。

というわけで、1万円台であれば検討して良いかも、という感じでした。

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