中華ガジェットによくある”要注意”な表現や記載まとめ。こういう表記には気をつけろ!【優良誤認】

2021/1/12:2Kについてはドロップしました。ご指摘いただいた皆様、どうもありがとうございました。

昨今、中国の新興メーカーによる格安ガジェットがたくさん販売されています。

品質が良いモノももちろん多くあり、そういった商品は驚きのコストパフォーマンスです。また、荒削りでもユニークな商品、ワクワクする商品もたくさんあります。そういった商品はもっと増えてほしいと思っています。

ただ一方、長い期間ビジネスを営んでいる大企業であれば社内のレギュレーションに引っかかって外には出ないような、忌憚なく言えば「詐欺的」な商品訴求が中華ガジェットには多くあります。

アマゾンでも中華ECでも、そういった優良誤認を招く訴求が氾濫している状況ですが、現状、消費者保護が実現される実効的な規制運用や自浄作用はあまりありません。

というわけで、日々中華ガジェットを購入しまくったりレビューしまくっているデイリーガジェットとして、非常によくある「詐欺的」記載をまとめておきます。

購入の際には参考にしてみてください。

ベゼル詐欺

これは一番有名な「詐欺的」記載だと思います。

商品写真で、ベゼルすなわちディスプレイ周りのフチを、実際よりも狭く見せることです。

ベゼルレス化はスマホ・タブレット・ノートPCなどのトレンドで、同じ画面サイズでもベゼルがなくなれば筐体サイズが小さくできますし、何より見た目にモダンです。

新興メーカーだけでなく、ファーウェイのような大企業もこの「ベゼル詐欺」をやっていますし、海外のスマホショップに行けば、展示品とはまるで異なるベゼル幅で表現された商品写真がデカデカと掲示されていたりします。

たとえば↓の写真(武士の情けでメーカー名は消してます)

さて、このベゼルが本当であれば、とても魅力的なデザインです。これで4万円!?欲しくなります。

では、実際のベゼルはどうでしょう?

ベゼルを確認するのは簡単です。

スペック表にある筐体サイズ(縦x横)とディスプレイ解像度をもとに、三平方の定理と連立方程式を解けば小学生でも出せます。

パワポを50秒ほどいじれば、上記写真の商品が、実際にどの程度のベゼルなのかが視覚的に分かります。

それが↓(ピクセル縦横比は1:1と仮定)

えええええええええええええええ!?!?

って感じですね。

実際、本機をレビューした動画(出典)からキャプチャした写真が↓です。うん、パワポの図形そっくり!

薄さ詐欺

これも「ベゼル詐欺」によく似たタイプ。

筐体の薄さを訴求するにあたり、実際よりも薄く見せることです。

これも非常によくある手。

上記「ベゼル詐欺」で出した写真は、「薄さ詐欺」にも該当しています。スペック上は厚さが1.3cmです。上記写真が正しいとすると、だいぶ巨大な手が映っていることになります。

HDR

安いノートPCやモバイルモニターで「HDR」という記載があっても、ほぼHDR非対応だと思ったほうが良いです。

テレビとカメラでまた色々と違ったりしますが、モニタでHDR(High Dynamic Range)といった場合は輝度と明暗差の規格です。とても簡単に言えば、映像の明るい部分も暗い部分も階調がはっきりしていて鮮やかに見える技術です。

HDRはコンテンツ側もHDR対応である必要があります。どんな動画を見てもHDRクオリティになるわけではありません。NetflixやAmazon Primeビデオでも、HDR対応コンテンツはごく一部に限られます。

本物のHDR搭載デバイスは、画面は非常に鮮やかですが高額です。

たとえばソニーのXperia XZ Premiumというスマホは本当に4K HDRに対応しているのですが、これはかなり特殊な化け物です。技術的にもコスト的にも、格安帯に搭載できるものではありません。

一方でUHDといった場合、それは単に解像度の話です。垂直解像度2160p、3840 x 2160ということです。

前置きが長くなりましたが、特にモバイルモニタやノートPCの世界では「HDRじゃないのにHDRと記載する」という「詐欺」が横行しています。

これは、「HDR」という名称から連想される「色鮮やかなイメージ」を利用したものです。

たとえば↓をご覧ください。

この格安モバイルディスプレイは、当然HDR非対応です。

ですが、4K HDR対応であるかのように書かれています。4K HDRのロゴも横に伸びていていかにもコピペです。

言い分は「これは4K HDRと書かれた画像を表示しているだけ。このモニターが4K HDR対応とは書いていない」らしいです……。

↓も同様です。HDR非対応なのですが、なぜか4K HDRを訴求しています。えええぇぇ

感動の4K HDR視聴環境は、格安では入手できない、と肝に銘じましょう。

手の大きさが自在に変わる

これは、筐体のコンパクトさと、キーボードの入力しやすさ、の2つを同時に訴求するような商品で顕著な「詐欺」です。

たとえば↓のBluetoothキーボードをご覧ください。

この写真の下の2枚を見ると「コンパクトなのに、入力は窮屈じゃなく快適なんだなあ」というなんとなくのメッセージが伝わってきます。

ただ、2つの写真の縮尺を、見えているキーボードの画像を元に合わせると、本当に上記の撮影をしようとすれば実際の手の大きさは↓のようになります。

上と下、同じ大きさのキーボードを操作している同じ縮尺の手です。

不気味すぎますね。

この上と下の手が同じ世界に存在するとは考えにくいです。

というわけで、商品の大きさ・小ささを訴求するために「手」が映っている商品イメージは要注意です。

比較対象を書かない

「処理速度が20%アップ!」と言っただけでは、当たり前ですが情報として何も言っていないに等しいです。

何と比べて、何が、何%アップなのか、といった情報が少なくとも必要になります。

たとえば↓は、オクタコアCPUによってパフォーマンスが上がったことを訴求していますが、比較対象がないので何もわかりません。数字が並んでいますが、「とにかくすごいんです!」と書くのと何も変わりません。

小さい文字でも、何と比較したのかが書いてあればいいのですが、何も書いてありませんでした。

こういう、矢印やパーセントだけでなんとなく「すごくなった!」みたいな表現も非常に多いので注意しましょう。

前モデルとの比較であれば良心的な方で、ほとんど使われなくなったような型落ちCPUと比較していることが少なくありません。

賢く楽しもう

以上、中華ガジェットによくある「要注意」表現まとめでした。

あまりに疑心暗鬼になってクレーマーになるのも生産的ではありませんが、このジャンルに詳しくない方が優良誤認して買って後悔するというのも避けないといけないでしょう。

ある程度の知識があれば、多くのリスクは事前に把握・対処できるのですが、特にネット購入ではこのような訴求がそのまま氾濫してしまっているため、損害を被っている方も多いと思います。

少なくとも現在では、消費者が賢くなるほかはないと思いますので、一助になればと普段から損害を被りまくっているデイリーガジェットからの情報提供でした。

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