今回は、先日3月3日にドコモから発売になった8.4インチ小型Androidタブレット「dtab Compact d-52C」を購入したのでレビューします。
デイリーガジェットをご覧いただいている方々にはおなじみと思いますが、デイリーガジェットはiPad miniサイズの「使える」小型Androidタブレットを常日頃探し求めて買いまくっています。
買いまくっているから分かるのですが、8インチクラスAndroidタブレットは使い物にならないロースペックのものばかりです。iPad miniのようなハイエンドチップセットを搭載した小型Androidタブレットはほぼ存在しません。
そんな中、ドコモからは(ハイエンドではないですが)8インチクラスのそこそこスペックのAndroidタブレットが定期的に出ています。
従来機はファーウェイが製造していましたが、同社が実質撤退して以降、今回発売になったd-52Cはレノボが製造しています。(ソニー!またXperia Tablet Compact作って!中華じゃなくてソニーがいい!)
ドコモブランドの安心感やeSIM対応、Snapdragon 695搭載でミッドレンジ級の処理性能があります。
一方で、購入には通信契約が必要です。端末単体では購入できません。ドコモはデバイスメーカーではなく通信キャリアなので、そこは仕方ないでしょう。(スマホは単体で購入できますが)
価格は本体代金が一括で税込64,790円。2年で返却する残価設定ローンである”いつでもカエドキプログラム”を適用すれば31,416円になります。
というわけで、ちょっと特殊になる買い方を含めて、本機を紹介していきます。
見ていきましょう!
外観とスペック
同梱物は、タブレット本体とスタンド、クイックスタートガイド、SIMピンです。充電器やケーブルは同梱されません。
スペックは、SoCにSnapdragon 695。8.4インチWUXGA高解像度TFTディスプレイ、Android 12、4GB LPDDR4x RAM、64GB UFSストレージ、バッテリー容量は5,000mAh。最大1TBのmicroSDカードスロットと、通話非対応ながらeSIMによる5Gモバイルデータ通信が可能。IPX3/5X等級の防水・防塵に対応し、ワイドFM対応。
Snapdragon 695は、Cortex-A78 x2とA55 x6のオクタコア。GPUはAdreno 619です。600シリーズなのでミッドレンジど真ん中ですが、695は後述するようにゲームも動画視聴も結構快適です。
サイズは201x129x8.3mmで重量は実測317gです。充電はPD2.0対応のUSB2.0 Type-C。ほか、リア8MPフロント8MPカメラ、3.5mmイヤホンジャックを搭載しています。生体認証は、指紋と顔。
後ほど比較しますが、ベゼルはiPad mini 6とほとんど同じ厚さです。
iPad mini 6よりも縦長なので、片手で持つには便利。カラーはミスティブルーとストームグレーがあり、今回はミスティブルーを購入。レノボロゴはなく、中央にドコモロゴ、下の方にdtabロゴが薄くプリントされています。
背面は光沢あるプラスチックで、安っぽさはありません。指紋は付きやすいですが、外観は品のあるデザイン。
上部には3.5mmイヤホンジャックとスピーカー穴。
下部にはUSB Type-Cポートとスピーカー穴です。横向きに使うと、左右からステレオサウンドになります。スピーカー穴がカメラがある上部に寄っているため、横持ちでもスピーカー穴を塞ぎづらくなっているのは○。
サイドにはmicroSDカードスロット。セルラーですがeSIMなのでSIMスロットはありません。
逆サイドには指紋認証を兼ねた電源ボタンと音量ボタン。
なお、本機にはスタンドが付属します。↓のように縦向き・横向きに立てかけておけます。
重量は実測で317g。iPad miniとほぼ同じ。
スタンドは255gあります。ズシリと安定感あり。
購入方法・初期設定
さて、本機はドコモ製品ということで、回線契約が必要です。
すでにギガホなどの契約をしていればデータシェアで買えるのですが、ドコモ回線を持っていないとか、ahamoしかないという場合は、ドコモの回線契約が必要になります。
5Gギガホプレミア、ギガホプレミア、5Gギガライト、ギガライトの4種類、もしくはU15。年齢制限があるU15を除けば、一番安いギガライトで月1GBしか使わなくても3,150円かかります。
私はahamoしか契約がなかったので、本機を購入するために新たにドコモ回線を契約しました。そういう変態を除けば、実質はドコモの回線契約を持っているユーザーが、タブレットも持ちたいという場合に購入する機種ということです。
昔と違って、オンラインでdアカウント作成や新規の回線契約、端末の購入まで15分もあれば全部できますし、2日ほどで到着するので便利にはなっています。(ただ、相変わらずドコモサイトの使いにくさ・わかりにくさは健在ですが)
購入はドコモオンラインショップのこちらのページからになります。
最初に電源を入れてからWi-FiやAndroidの設定をするのは一般的なタブレットと同じですが、その後でeSIMの設定に入ります。
まずは↓の規約に同意。
すると、Wi-Fi経由でeSIM情報を読み込んでくれます。
dアカウント情報などを入れる必要はなく、箱に書いてあるEIDの下4桁を入力するだけで自動でeSIM設定をしてくれます。
SIM情報がインストールされるのを待ちます。
初期設定完了後、なぜかSIMが使えなかったのですが、再起動したら使えるようになりました。
ドコモのホームアプリです。dメニューなど、おなじみの削除できないドコモ系プリインアプリが一通り入っています。
ドコモのホームアプリはあまり慣れていないので、マイクロソフトのLauncherをインストール。Launcherは設定も細かくできる、結構よくできたホームアプリです。
ただ、やはりソニーのXperia Homeや、サムスンのOneUIの方が使いやすいです。
日本語入力は、デフォルトではiWnnが導入されています。
ベンチマークスコア
まずはベンチマークスコアを見ておきましょう。
Geekbench 6は、シングルコアが882、マルチコアが1,966でした。スナドラ695だけあり、安い中華タブレットよりも2~3倍高速です。ただ、iPad mini 6のスコアはこれの倍くらいあります。
ストレージはUFSなので、読み書き速度もそこそこ。
UNISOCやRockchipを搭載してeMMCストレージが載った2~3万円の中華タブレットよりはだいぶ快適に動いてくれます。
ただ、iPad mini 6と比べると、半分くらいの性能です。
実際の使い勝手
8インチでFullHD以上の解像度があるので、高精細です。ただ、TFTなので、色の鮮明さはいまいちなのと、輝度は暗め。リフレッシュレートは60Hzなので流れるようなスクロールではありませんが、追従は悪くありません。
YouTubeで16:9の動画を横向きに見ると、上下に黒帯が入ります。スピーカー音質は良好です。音量は控えめで低音の迫力もありませんが、そこそこ上品な音が鳴ります。
原神はグラフィック中で30fpsならスムーズにヌルヌル動いてくれます。ガチでなくカジュアルユースであれば、ゲーム用でもある程度耐えられるでしょう。
指紋認証は、電源ボタンに触れて1秒ほどでホームが表示されます。一呼吸置いて立ち上がる感じなので、高速ではありません。ストレスに感じるほどではありませんが、爆速認証に慣れている方は気になるかもしれません。
iPad mini 6との比較
皆様気になっているであろうiPad mini 6と比較していきます。
まず背面は↓の通り。本機の方が細長くなっています。片手で握る使い方なら、本機の方が握りやすいでしょう。
画面を見比べるとその違いがより顕著に。ベゼルの厚さは似通っています。
厚さは、本機の方が1mmほど厚くなっています。
重量は、iPad mini 6が実測316gなので、ほぼ同じです。
マンガは、iPad miniの方が広く表示してくれます。あと、やはり本機は輝度が低めです。輝度を上げてもiPad miniよりは暗いです。TFTなので鮮明さも劣ります。
雑誌も同様、iPad miniの方が若干広く表示してくれます。このあたりはアスペクト比によるもの。
活字本は、同じ文字サイズにしたら本機の方が表示文字数は多くなりました。
電子書籍用であれば、iPad miniの方が広く綺麗に表示してくれます。
音質についても、両者を聞き比べると、やはりiPad miniはスピーカーでも低音が迫力ある鳴り方で、音圧も大きめ。
両機はよく似てはいますが、ハイエンドチップセットを搭載して極上スペックに仕上げられているiPad mini 6の方が、全方位レベルが高いと感じます。
iPad mini 6の64GBは、Wi-Fi版が税込78,800円、Cellular版は102,800円。
本機はCellular対応で、端末価格が一括で税込64,790円。
Cellular必須なら4万円近くの差がありますが、Wi-Fiで良いというならその差は15,000円ほど。それなら、iPad miniを買った方が幸せになれるでしょう。
結論:泥タブの中ではマシだけど、iPad miniの方がいい(涙)やはりソニーに期待
以上、見てきましたが、タイトルの通り結論は「Androidタブレットの中ではマシな方だけど、iPad mini 6の方がいい」です。
8インチクラスでマトモに使える非常に希少なAndroid機種という点は素晴らしいです。
ただ、中身は、中華タブレットにドコモのプリインアプリと回線契約が抱き合わされているものですし、ディスプレイはTFTでスナドラ600系のミッドレンジスペックということで、iPad mini 6の完成度には及びません。
やはり、8インチクラスのAndroidタブレットとしては、↓のXperia Z3 Tablet Compactのようなソニーの神機が再来してほしいものです。
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