タクシーを呼ぶのは、「流しを止める」「タクシー会社に電話する」以外に、タクシー配車アプリというジャンルがあり、スマホアプリ上からタクシーを呼ぶことができます。
これまでは、各タクシー会社がアプリを提供してきましたが、それではその会社のタクシーしか呼ぶことができません。
かつて筆者も、日本交通と東京無線のアプリを入れて、どちらかつかまる方に乗ったりしていました。
ユーザー視点からすると、当然、タクシー会社の区別なく、もっとも早く近くのタクシーを呼べるのが一番便利だというのは間違いないでしょう。
近年、このようなタクシー会社の区別なくあらゆる会社のタクシーが呼べるアプリが増えてきました。(もちろんすべての会社は入っていないのでしょうが)
その中でもおそらく一番話題になっているDeNAの「MOV」を何度か使ってみましたので、そのレビューです。
特徴は?
これは、やはり「0円タクシー」でしょう。
車体の内外を広告媒体として使ったタクシーが数十台あり、運良く捕まえることができれば、23区内であればタクシー代が無料になるというものです。
果たして0円タクシーを捕まえることができるでしょうか?
さっそくアプリの登録からしていきます。
最初に、携帯電話番号を入れて、認証コードを受け取るというおなじみの登録を行います。
認証が済んだら、氏名、性別、生年月日などを入力します。
氏名は、呼んだタクシーが乗車する客の本人確認をするためにひらがな入力です。
なお、「キャンペーンコード」については、下記を入力すれば割引クーポンが付与されます。
- インストールありがとうクーポン(これは自動付与されます)1000円OFF
- 初回限定特別クーポン(「tx10」〜「tx40」のいずれかを入れます)500円OFF
- MOVの東京サービス開始応援クーポン(「trcc」です)500円OFF
さて、登録すると、下記の案内が出ました。
都内に数十台しか走っていない「0円タクシー」である「どん兵衛タクシー」があるために、タクシー自体が捕まりにくくなっているとのこと。
プロモーションを行う側としては嬉しい状況だと思いますが、ユーザーからしたら不便ですね。
実際にタクシーを呼んでみる
早速使ってみましょう。
アプリへの登録が完了すると、下記のようなマップと、何分でタクシーが到着するかの表示が出ます。
ここで、周囲を走っているタクシーがリアルタイムに表示されて面白いのですが、ここにどん兵衛の「0円タクシー」がいれば、つかまえられる可能性があります。(どん兵衛は、あくまで現在のプロモーションなので、これが終わったら別のブランドで「0円タクシー」が開始される予定です)
地図をドラッグすると、タクシーに乗車したい場所を指定することができます。到着時間も、もちろん変わってきます。
(ただし、一定以上離れた場所へは呼べない仕様になっているようです)
場所を指定したら、「車内決済」と書いてあるボタンをタップします。
ここでネット決済を選択しないと、クーポンを使うことができません。
ネット決済を選択した場合、クレジットカード登録などをする必要がありますが、下記のように登録したクーポンを選ぶことができるようになります。
「ネット決済」以外は「車内決済」という、タクシーを降りるときに現金や電子マネーで支払う通常の決済です。
クーポンを利用するためだけでなく、スムーズな降車のためにも、「ネット決済」がおすすめです。
「行き先」は指定しなくても呼べますが、指定することで、目的地までかかる時間や料金の概算を表示してくれます。
「タクシー会社」をタップすると、下記の通り呼ぶタクシーの会社を指定することができます。
通常はあまり指定することはないと思いますが、ひいきの会社があれば選びましょう。
なお、クーポンを使うためには「ネット決済」を設定する必要があると書きましたが、「ネット決済」に対応していない会社は、このリストでグレーアウトされます。(上記では日の丸自動車と荏原交通です)
つまり、「ネット決済」を選ぶと、クーポンが使える代わりに、呼べるタクシー会社の選択肢が狭まり、捕まりにくくなるデメリットもあると言うことです。
さて、ここまで終わったら「タクシーを呼ぶ」をタップします。
すると、マップがぐるぐると3D回転し始めて、配車を開始します。
ただし!
上記にある「約〜〜分で到着」は、あくまでタクシーの配車に成功してから実際に到着するまでの時間です。
実際は、「タクシーを呼ぶ」を押してから、何度も何度も下記のダイアログが出てきます。
これに対し、「続ける」を何度も押していると、そのうち配車に成功します。
配車に成功してからは、リアルタイムにいま配車したタクシーがどの場所にいるか、何分後に到着するかを見られるので便利で面白いのですが、とにかくこのダイアログが何度も出てくるのは少々疲れます。
「本当に呼べるのか?」と何度も不安になります。
特に平日朝などは、まず捕まらないと思って間違いありません。
配車が完了し、タクシーに乗ると、下記の画面になって目的地まで現在位置を表示し続けてくれます。
「ネット決済」を選んだため、降りる時はとてもスムーズです。
何度か使ってみた感想
他のアプリや、アプリを使わない場合と比較して良い点としては、クーポンが使えることと、ワンチャン「0円タクシー」に当たるかもしれないという宝くじ的楽しさがあります。
また、UIは癖がなく、シンプルでわかりやすいです。アプリとしてはとても使いやすい部類かと思います。
悪い点としては、仕方ないのですが配車まで何度も「車両が見つからず」云々のダイアログが表示されることです。
(東京無線のアプリは、限界までがんばって探し続けている感じがあって良かったです(笑)
また、「ネット決済」に対応した会社がまだ少ないのか、クーポンを使おうとしたらなおさらつかまりにくいということもあります。
つかまりにくい背景として、そもそも、東京で「MOV」に対応しているタクシー会社は、2018年12月21日現在、下記6社にとどまります。
- 荏原交通株式会社
- 東都自動車株式会社
- 日の丸自動車グループ
- 平和交通羽田株式会社
- 平和自動車交通株式会社
- 第一交通産業グループ
ここには、いわゆる「大日本帝国」と略称される大和・日本・帝都・国際の最大手四社が含まれていません。
大手は、自社アプリを持っているためです。
そのため、配車アプリプラットフォームに大手が参入していない現在は、どうしても大和や日本交通など大手のオウンドアプリよりもつかまりにくいとなってしまうのかもしれません。
ユーザーからしてみたら、全タクシー会社をつかまえられる一つのアプリがあるのが一番便利なのですが、まだまだ道のりが長そうです。
おわりに
いかがでしたか?
今後、配車アプリプラットフォームが集約されていけば、利用できるタクシー会社も増え、大手も参入し、タクシーがつかまりやすくなり、より便利になっていくと思います。
こういった配車アプリや自動運転、あるいはUberのようなサービスなど、タクシーの世界はアナログと最先端が同居していて、変化を続けているため、様々な立場の人が色々な思いを持っていて、他人ごとで恐縮ですがとても面白いです。
運転手さんたちも、Uberや配車アプリについて聞くと、驚くほど多様な考えを持たれているようです。
結果としてみんながハッピーになるような方向に進めばいいなと思います。
おわり