アマゾン売れ筋上位のwebカメラ全部買ってみたら全然違ったので全比較レビュー【オススメと地雷】

テレワークが一般的になってからというもの、webカメラがバカ売れしています。

PCで動画チャットをやるためのカメラですね。

ノートパソコンにはディスプレイ上部に付いていることが一般的ですが、デスクトップを使っている方が多いのか、アキバのお店でも売り切れたという声が多数。

これまで地味な存在でしたが、今や一番ホットなガジェットの一つになっています。

一眼などと異なり、その用途の性質から高性能なイメージセンサが搭載されていることはほとんどなく、売れ筋は2,000円~3,000円程度のUSB接続のものです。

ドライバインストールも不要で、USB Type-Aポートに挿してそのままTeamsやZoomで使えます。

そしてアマゾンでは案の定、謎中華メーカーのwebカメラがわんさか登場し、サクラレビュー合戦でほぼ全部星4.5のような状況になっているわけです。

(ただしバッファローとロジクール除く。今回の比較対象のうち、この2社だけはサクラチェッカーでもサクラ度ゼロです)

というわけで今回は、調査開始時点でアマゾンのwebカメラ売れ筋上位10台のうち、4,000円以下だった6台を実際に購入して、その実力を詳しく比較しました。

結果、本当に高コスパなものから控えめに言ってゴミとしかいいようのないものまで、想像以上に性能はピンキリでした。

アマゾンのスペック表だけ見ても分からない内容です。(センサはほとんどが2MPですが映り方や集音性能は全然違いました)

どれも価格はだいたい同じ、レビューは星4.5以上(バッファローとロジクール除く)だったので、改めてアマゾンのレビューは信用できないと思った一方で、もしかするとその一台しか買っていないから本当の意味での善し悪しが分からない状況でレビューを投稿している人もいるのではないかとも思いました。

2021/1/12:2Kについてはドロップしました。ご指摘いただいた皆様、どうもありがとうございました。 -- 昨今、中...
昨今、アマゾンには格安で買える中華ガジェットが溢れています。 コスパ良く面白い商品もありますが、地雷も非常に多くなっています。 ...

というわけで見ていきましょう。面白いよ!

まずは結論

下記に、まず結論を書いておきます。

オススメレベルはA~Cで、A/Bなら買って後悔はありません。Cは地雷です。各品質項目は×△○◎の4段階。

商品名 オススメ
レベル
撮影
品質
マイク
品質
フォーカス
品質
暗所撮影
品質
画角の
広さ
Tinzzi WC11
3,795円
B
eMeet C960
2,999円
A
Tonglisheng X-Kim
2,550円
C × × × ×
TAWARON HDC1
2,980円
B
BUFFALO BSW505MBK
2,980円
B 検証不可
Logicool C270n
2,430円
B

それでは詳しく見ていきます。

対象機種とスペック・価格

まずは、今回の6機種それぞれの外観・スペック・価格を書いておきます。

Tinzzi WC11

エントリーナンバーワンは、TinzziというブランドのWC11というwebカメラ。

↓のように税込3,795円で販売されています。

webカメラ本体のほかに、↓のようにミニ三脚が付属しています。

レンズにスライド式のフタができ、カメラは左右方向に360度回転できます。

センサは200万画素、動画は1080p/30fps、マイク付きという標準的なスペック。

ケーブル長は1.8mです。

eMeet C960

続いてはアマゾンで売れ筋上位によく上がるeMeetのC960です。

価格は2,999円↓

同梱物は特になく、カメラとマニュアルのみというシンプル構成。

左右首振りはありませんが、上下に可動域が広く取られています。

200万画素でマイク付き。1080pで30fpsです。

ケーブル長は記載がありませんでしたが、実測で約1.8m。

Tonglisheng X-Kim USB25:地雷注意

3台目は、Tonglishengというブランドのwebカメラ。

Tonglishengという名称はアマゾンのページに出ておらず、商品名も不明。

今回、実際に使ってみて本機は全方位で圧倒的に低品質で完全な地雷でしたが、星4.7で絶賛レビューが並んでいます。

ただサクラチェッカーではサクラ度10%と出ていますので、サクラチェッカーのアルゴリズムの裏をかいているのでしょう。

↓で税込2,550円です。

マニュアルと三脚がついています。箱はTinzziとほぼ同じという謎仕様。

スペックはセンサが200万画素、1080pで25fpsです。マイクも搭載。

ケーブル長は記載されていませんでしたが、実測で約1.4mと一番短いです。

左右首振り可能で、上下にも少しだけ動きます。

TAWARON HDC1

4台目は、自撮り棒などを出しているTAWARONというブランドのHDC1です。

↓で税込2,980円で販売されています。

同梱物は本体とマニュアルのみです。「レビュー書いたら500円あげるよ」カードが入っていましたが、書けば星1でも全員もらえる(多分)みたいなので悪質度は低いでしょう。

500万画素で30fps、マイク付きとスペックは一番高いです。ケーブル長は1.5m。

上下左右に首振り可能で、可動域も一番広くなっています。

BUFFALO BSW505MBK

続いてはバッファロー製のwebカメラで、価格は2,980円。

こちらはカメラを隠す可動式のフタがついています。

200万画素で1080p、30fps。マイク付き。ケーブル長2.0m。

上下左右に首振り可能。

120度広角が売りで期待していたのですが、開けたら↓のようにネック部が折れており、マイクも壊れていました。残念。でも6ヶ月保証がついています。

logicool C270n

最後は、webカメラシェア世界一位のlogicool。

最廉価モデルで売れ筋のC270nで、↓のように2,430円。

バッファロー同様にマトモ感溢れるパッケージング。

720p、30fpsと解像度は一番低いですが、マイク性能は今回の中でピカイチでした。

ケーブル長1.5m。2年保証がついています。首振りは上下のみです。

撮影したシーンと比較項目

今回は、対象6モデルで、下記項目を比較しました。

  • 画質(静止画・動画)
  • マイク性能(前面・背面)
  • フォーカス
  • 低光量撮影品質

これらの善し悪しが分かれば、購入判断にあたって困ることはないでしょう。

また、↓のような配置で撮影しました。すべてのカメラで、同じ位置から同じシーンを、同じ角度と高さで撮影しています。

フォーカス性能については、真ん中あたりに見える豆乳コーヒーのパックを、カメラ前1cm~奥の壁まで移動させていって検証しました。

低光量は、ブラインドを閉め、蛍光灯を全部消した昼間の屋内です。

では、さっそく見ていきましょう!

その1.画質(動画・静止画)

まずは最重要な画質を比較していきます。

Tinzzi WC11

Tinzziは、今回の中でも比較的鮮やかめに映っています。

ただし、周縁部のゆがみは強めです。

eMeet C960

続いてeMeet C960です。

鮮やかさはTinzziに劣り、少しくすんだ色味になっていますが、きめ細かい写り方。

周縁部の魚眼ゆがみはTinzziよりも抑えられています。その代わり、若干上下に潰れてずんどう気味です。

また、右端ライターの文字がぼやけているように、近い場所のピントは合いづらい模様。

Tonglisheng X-Kim USB25

コチラはひどいです。上2機種と同じ1080pで200万画素と書いてありますが、これだけ昔のガラケーレベルの画質です。

色味は不自然、100度を謳っているはずの画角も非常に狭く、上のTinzziやeMeetと見比べたら分かると思いますが、半分以下の範囲しかキャプチャできていません。

TAWARON HDC1

こちらは500万画素だけあって、画質は今回の中ではナンバーワンです。

周縁部は少し魚眼ゆがみがありますが、Tinzziほどではありません。

BUFFALO BSW505MBK

バッファローは少し暗くなっています。その代わり、画角すなわち撮影範囲は、今回の中で一番広くなっています。

色味も、鮮やかではありませんが違和感を感じる画にはなっていません。

logicool C270n

ロジクールは唯一720pと解像度が低いため、画角が狭く画質は粗めになっています。

ただし、周縁部のゆがみはなく、今回の中では一番ありのままに近いカタチを捉えています。

その2.マイク性能(前面・背面)

マイクは、webカメラの前方と後方からそれぞれ同じ声量で録音し、比較しました。

Tinzzi WC11

Tinzziは悪くない音質です。

ノイズリダクションも効いており、不満を感じる音質ではありません。

ただし、この後のeMeetやLogicoolと比べると、若干チープさを感じます。

eMeet C960

eMeet C960のマイクは素晴らしいです。Logicoolと同格の集音性能。

ノイズはかなり低減されており、音声はクリアに入ります。

Logicoolよりも気持ち音量が低くなりますが、今回の中では十分トップクラス。

Tonglisheng X-Kim USB25

続いては地雷のTonglishengさんです。

こちら、画質だけでなく集音性能もゴミです。

たとえば今回の中で一番良かったLogicoolの音声が↓です。

それに対して、Tonglishengさんの音声は↓です。

まず音が満足に拾えていません。

もちろん設定や声量などは合わせているのにこれほどの差が出ています。

TAWARON HDC1

画質は圧倒的ナンバーワンだったTAWARONですが、マイク性能は残念です。

Tonglishengのような粗大ゴミ感はありませんが、ノイズをかなり拾います。静音環境下でも、シャーーーというノイズが入ります。

ノイズリダクションがついていないんですね。

音自体は大きく拾いますので、声が聞こえないみたいなことはありません。

BUFFALO BSW505MBK

コチラは初期不良で壊れていたので検証不可。残念です。

logicool C270n

Logicool C270nは、マイク性能はナンバーワンです。

ノイズをキレイに消してくれますし、拾う音声はクリアで、音量も十分。

その3.フォーカス

検証第3弾はフォーカス性能です。

パック飲料を遠ざけたり近づけたりして、フォーカスをちゃんと合わせられるのかをチェックしました。

Tinzzi WC11

こちらはまんべんなくピントが合って、近接状態も最遠方でもキレイに見えました。

eMeet C960

画角広めで、最遠方ではTinzziと比べてかなり小さくなりますが、フォーカスは問題なく合います。

ただし右端ライターの文字はずっとぼけています。

Tonglisheng X-Kim USB25

続いてはぶっちぎり劣等生のTonglishengさんです。

もちろんフォーカス性能も最底辺です。一番遠ざけたら潰れています。

あと、近づけたり遠ざけたりという動きが入ると、たまに映像が一瞬だけ消えることがあります。

ダメすぎてウケる。サクラレビューを信じて買った人がかわいそうです。

TAWARON HDC1

TAWARONは、解像度が高いだけあって、遠ざけたときも文字が結構ちゃんと読めます。

手前から奥まで、ピントはまんべんなく合っています。

BUFFALO BSW505MBK

BUFFALOもフォーカスは問題なし。あと、映像の動きはなめらかです。

logicool C270n

Logicoolも画素数は低いながら、なめらかに無難なキャプチャができていました。

その4.低光量撮影品質

最後は、会議室の電気を全部消して、ブラインドを閉めた状態の昼間の屋内での撮影品質を見ました。

昼間の薄暗い室内、といった光量。

Tinzzi WC11

Tinzziは多少の補正が入って、実際よりは明るく見えます。

いろいろな意味で、Tinzziは平均的な生徒でした。

eMeet C960

eMeetは、明るい場所とあまり違わず撮れました。今回の中では、暗所には一番強いです。

Tonglisheng X-Kim USB25

Tonglishengさんはもちろん暗所もゴミです。

15年くらい前のガラケーを思い出して思わず微笑んでしまうレベルです。

こいつ本当に200万画素あるんでしょうか。

TAWARON HDC1

画質ナンバーワンのTAWARONは、暗所でもきめ細かい撮影が可能です。

ただ、eMeetほどは補正がかからず、光量多いシーンよりは暗く映ります。

BUFFALO BSW505MBK

BUFFALOも、少し暗く。

logicool C270n

Logicoolは元々が暗めなので、違いは他ほど大きくはありませんが少し暗くなります。

結論

以上、いろいろ見てきました。

では今回の結論として、どれが一番良いのかを発表します。

バランス1位:eMeet C960

映像、集音、暗所など、どれもバランス良く一定以上のクオリティだったのが、eMeet C960です。

周縁部は上下に潰れてずんどうに映りますが、映像は暗い場所でも明るい場所でもキレイに映り、マイク性能はLogicoolに迫る優れたノイズリダクション性能と集音性能を持っていました。

というわけで総合1位を選ぶとすればeMeet C960でしょう。↓

画質1位:TAWARON HDC1

画質はTAWARON HDC1がダントツ1位です。

そもそも500万画素なので他よりも倍以上画素数が多く、映像のキレイさは群を抜いています。

ただし、マイク性能が残念でした。

webカメラのマイクは使わない、声はヘッドセットを付けるという方は、TAWARON HDC1を買うのが良いでしょう。↓

音質1位:logicool C270n

マイク性能は、logicool C270nがナンバーワンです。

ノイズを消してくれて、音声をキレイに拾ってくれます。音量も十分。

画素数は一番低く、720pと他よりも劣ります。映像は暗く、画角も狭いです。

ただ、映像も使えたもんじゃないというレベルではありません。形状はゆがみがなく一番自然にキャプチャしてくれます。

遠隔会議で画質にこだわらないのであれば、部屋の余計な場所まで映らず、むしろ好都合かもしれません。

何よりwebカメラシェアナンバーワンの安心感があります。↓

画角1位:BUFFALO BSW505MBK

今回唯一の日本企業であったバッファローは、残念なことに初期不良でした。

ネックが折れてマイクが使えなかったため、今回の検証では不利な立場でした。

ただ、ガジェッターであれば1台は持っているであろうブランドの圧倒的な安心感と、画角の広さはナンバーワンです。

画質も平均的。悪くありません。

大人数での会議で使う場合などは、これが良いでしょう。↓

結論表は冒頭に書いた下記の通りです。

商品名 オススメ
レベル
撮影
品質
マイク
品質
フォーカス
品質
暗所撮影
品質
画角の
広さ
Tinzzi WC11
3,795円
B
eMeet C960
2,999円
A
Tonglisheng X-Kim
2,550円
C × × × ×
TAWARON HDC1
2,980円
B
BUFFALO BSW505MBK
2,980円
B 検証不可
Logicool C270n
2,430円
B

以上、アマゾンで売れ筋のwebカメラを実際に買って比較検証でした。

こうして使ってみると、Tonglisheng以外は買って後悔するようなレベルではありませんでした。

ただ、それぞれに強み・弱みがあるので、今回のレビューを参考にして、自身の使い方に一番ピッタリなのを選ぶ参考にしてもらえたらと思います。

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