2025年は、WindowsノートPCを購入するユーザーにとって選択肢がかつてないほど豊富な年になりそうです。QualcommのSnapdragon X、AMDのStrix Point、そしてIntelのArrow LakeやLunar Lakeといった新世代CPUが勢ぞろいし、選ぶ楽しさがある反面、混乱も生じています。
特に注意が必要なのがIntel製CPUのラインアップです。
2025年のプレミアムノート向け製品群として「Core Ultra Series 2」が展開されていますが、実際にはその名称とは裏腹に、中身は非常に分かりづらい構成となっています。
2025年のIntel Core Ultraシリーズは以下の4種類:
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Intel Lunar Lake(Core Ultra 200V)
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Intel Arrow Lake U(Core Ultra 200U)
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Intel Arrow Lake H(Core Ultra 200H)
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Intel Arrow Lake HX(Core Ultra 200HX)
このうち、HXは大型・高性能ノートに限定されますが、残る3種(Lunar Lake、Arrow Lake U、H)はいずれも薄型・軽量ノートPCで採用されており、同じ製品でCPUの選択肢が異なるという現象が発生しています。
その典型例が「Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」。2024年12月の発売当初はLunar Lakeのみでしたが、2025年4月以降、Arrow Lake UおよびHを搭載したモデルも登場し、消費者は「どれを選べば良いのか?」と迷う状況に。
特に問題視されているのが「Intel Arrow Lake U(Core Ultra 200U)」です。名前上は最新CPUのように見えますが、実態は2024年モデルのMeteor Lake(Core Ultra 100U)のマイナーチェンジにすぎず、基本的なアーキテクチャや機能は変わっていません。製造プロセスがIntel 3に進化したとはいえ、効率性やパフォーマンスにおいてLunar LakeやArrow Lake H(どちらもTSMC 3nmを採用)と比べると明らかに見劣りします。
このため、「Arrow Lake U」は本来「Meteor Lake Refresh」と呼ばれるべきだという指摘も。
もしこのCPUを搭載したノートPCの購入を検討しているのであれば、価格が下がっている2024年モデルのMeteor Lake搭載機種も視野に入れて検討すべきでしょう。