【シリーズ往年のミニPC名機】W-ZERO3 [es]【早すぎたスマホ】

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「シリーズ往年のミニPC名機」とは
小さいPCが大好きなデイリーガジェット編集部が厳選した、ガジェット魂の琴線に触れるミニPCの名機を、機種の古今東西問わず紹介していく連載です。
[シリーズ記事一覧]

シリーズ第3回目は、シャープの端末、「W-ZERO3」です。

W-ZERO3にはいくつかのモデルがあるのですが、筆者がいまだに大切に所有しているのは、2006年7月に発売された「W-ZERO3 [es]」です。

このシリーズは、スライド式キーボードがつき、Windows Mobileが動くPHSで、タッチパネルやスタイラスペンが付属し、どこからどう見てもスマホなんです。

初代iPhoneが出たのが2007年1月であり、それよりずっと前に、シャープがローンチした本機を、名機と言わずしてなんと言いましょう。

まずは概要

スペックは、下記の通りです。

  • OS Microsoft® Windows Mobile® 5.0 software for Pocket PC 日本語版
  • CPU Intel® PXA270 プロセッサ 416MHz
  • 表示 640×480ドット、2.8型 65,536色 モバイルASV液晶(タッチパネル)
  • メモリー フラッシュメモリー 128MB(ユーザーエリア約60MB)/SDRAM 64MB(ワークエリア)
  • 通信機能 PHS(W-SIM)対応
  • カードスロット miniSD™カードスロット×1、W-SIMスロット×1
  • 接続端子 USBポート(miniABコネクター)、イヤホンマイク端子(平型)
  • 連続通話時間 約7時間
  • 連続待受時間 約500時間
  • カメラ有効画素数 約131万画素
  • 日本語入力システム Microsoft® IME、ATOK®
  • 外形寸法(mm) 幅 約56×高さ 約135×厚さ 約21
  • 質量(g) 約175(スタイラスペン、充電池含む)

液晶はなんと2.8型! それでもタッチパネルにも、スタイラスペンにも対応しています。

miniSDやUSBポートもあり、しっかりとした拡張性も備えています。

↑の写真の右から3つめのボタンは、画面の回転切り替えボタンです。

AndroidでもiOSでも、横画面・縦画面を切り替えられます。

ジャイロを使う昨今のスマホですと、寝転んだ状態では縦横が意図しない方に回転したりしますが、本機は物理ボタンで切り替えるという方式。

結構な人にとってはむしろ使いやすいのではないでしょうか?

↑真ん中ほどに見える黒いつまみをスライドさせると、スタイラスペンが出てきます。

そして、IMにはATOKを採用、ビジネスユースをがっちりと受け止める覚悟が見て取れます。

重量は175gと、昨今のスマホと同じか、むしろ軽いくらい。

そして何より、スライド式のキーボードが出てくるガジェット感が最高です。

↑キーボードを出した状態。

さすがにタッチタイプとはいかないが、打ちやすいカチカチボタンタイプです。

また、↓は背面ですが、バッテリーは入れ替えられるようになっています。

大きな魅力は、カスタマイズ性

以上で見たように、本機は、スマホなど存在しない時代に、すなわちモバイル端末の「お約束」がまだ確立していない時代に、シャープのエンジニアが試行錯誤しながら作り上げた非常にかっこいいスマートデバイスなのです。

画面の縦横切り替えボタンなどはその最たるもので、ジャイロセンサーを使ってかっこつけた結果むしろ使いにくくなっているiPhone以降のスマホよりもずっと使いやすいです。

そして、搭載されたOSがWindows Mobileであることから、Visual C++などを使って簡単にソフトを作って本機で使えることが、隠れた大きな魅力の一つでした。

↑はPower Pointですが、UIはまんま(昔の9x)Windowsです。

Visual Studioで開発ができたため、この小型端末で、自分で作ったソフトを動かし、どこへでも持ち運べ、世界中に配布することもできるという事実は、胸が熱くなるものがありました!

ハードは良くてもプラットフォームに恵まれず

大変魅力的なW-ZERO3[es]ですが、残念なことに、本サイトでも↓で書いた通り、Windows Mobile自体が尻すぼみプラットフォームであったことから、本機の実力は十分に発揮されることなく、後から出てきたiPhoneやAndroidに、スマートデバイスのデファクトスタンダードをあっさり奪われてしまいました。

Windowsのアプリストアやモバイル戦略が失敗し続けてきた理由

さらにシャープはこの後、液晶への投資に失敗し、鴻海精密工業の傘下に入るという、彼らにとっては間違いなく屈辱的な結末を迎えます。

しかし今後再び、かつてザウルスを出していた頃のような、先進的で面白い、物欲を刺激されるガジェットをたくさん出す唯一無二の会社として復活してほしいと切に願います。

おわり

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