Snapdragon 8cx登場で7〜8インチUMPCは「化ける」か

Snapdragonを搭載した2-in-1やノートPCのニュースを見たことがあるかもしれません。

2017年以降、Lenovoなどからチラホラ出ています。

ただ、「動作が重い」や「思ったほど軽くない」など、あまり評判は芳しくないようです。

また、メーカーの作り込みを見ても、あまりやる気を感じられません。おそらくプラットフォームが熟していないと考えているのでしょう。

ただ、今年出るSnapdragon 8cxは、最大の課題だった処理速度を大幅に改善させ、5G常時接続にも対応します。

実は、SnapdragonなどのARMチップセット搭載は、デイリーガジェットでずっとご紹介してきた7インチ〜8インチクラスの超小型PC(UMPC)でこそ、その真価を発揮すると考えられます。

そもそもSnapdragonて?

Qualcommのチップセットは、スマホに搭載されているSnapdragonが有名です。

2019年5月現在の最新版はSnapdragon 855で、各キャリアから発売される夏モデルのスマホのうち、ハイエンド機に搭載されます。

現在、このSnapdragonのPC向け対応の開発が進んでいます。

IntelやAMDと比べて、Snapdragonを使うメリットのうち、もっとも分かりやすいのは下記2点です。

  • バッテリー駆動時間が延びる
  • 常時接続LTEが標準搭載される

Snapdragonは「チップセット」と呼ばれます。「CPU」ではない理由として、Snapdragonの中には、CPUもGPUもモデムも詰め込まれているのです。

VAIOやSurfaceなど一部ノートPCでLTE版が出ていますが、とても少ないですし値段も高いです。

その理由は、LTE通信モジュールを組み込むことの設計上の難しさとコストにあります。

現在では、上乗せコストに見合う売上が見込めないと考えるメーカーが多いのでしょうし、ユーザーもノートPCでネットワークを使うのはWi-Fiという前提で動いています。

Windowsが搭載されたノートPCでもSnapdragonを使えば、スマホやタブレットのように、格安SIMを刺しただけでLTEの常時接続が可能になり、1日使っても大丈夫なバッテリー駆動が実現し、さらにはSnapdragon X55 5G modem搭載のチップセットを使えばなんと5Gの常時接続が可能になります。

ただ、デメリットもあります。それは、唯一かつ最大の弱点です。

  • 動作が遅い

理由は明らかで、Windowsのx86/x64アプリはSnapdragonなどのARMベースのチップにネイティブで対応していないのです。

そのため、リアルタイムで命令セットの読み替えを行っており、これが動作が遅い最大の理由です。

現在、一部メーカーからSnapdragon 850搭載のノートPCや2-in-1が出ていますが、どれもパッとしないのは、動作が遅いからです。

ざっくり言えば、Core iシリーズの中くらいの価格で、下レベルの性能、といった感じです。

Snapdragon 8cxで変わるかも

この状況はQualcommももちろん認識していて、従来からのSnapdragonとは異次元の性能を持った8cxをMWCで発表しました。

7nmのプロセスサイズで製造され、4Kのダブル出力や、CPU、GPU性能など、全世代よりも各種の性能が大きく向上しているようです。

そして、2019年中に、LenovoからSnapdragon 8cx搭載の5G接続対応ノートPCが発売される予定です。

また、ARMにネイティブで対応したWIndowsアプリも増えてきています。

UMPCはどう変わる?

さて、昨今密かにブースとなっているのが、深圳系メーカーによるUMPCです。

見た目は小さなMacBookのようで、おおむね7万円〜13万円のレンジで、7〜8インチの小型軽量で必要十分なスペックを持っています。

GPD Winシリーズ、GPD Pocketシリーズ、OneMixシリーズ、Falconシリーズなど、数多くのモデルが登場しています。

2019.8.14追記:「OneMix X」ほか、情報をアップデートしました。 2019.6.25追記:「OneMix3/3s...

さて、今後、これらUMPCに、Snapdragonが搭載されるとします。

すると、まずバッテリー駆動時間が延びます。

これは歓迎ですね。

現在では、公称数値こそ6〜10時間が多いですが、どのモデルも実質3〜5時間です。

これが、実質10〜15時間に伸びることが期待されます。

そして、LTE常時接続が可能になります。

これにより、格安SIMをUMPCに刺して、いつでもどこでもスマホのようにネット接続されているという状態が実現できます。

また、性能に関しては、Amber Lake-Y世代のCore m3を搭載している現在と比較して、それほど高くはならないかもしれません。

ですが、UMPCで実際に使う用途を考えると、それほど問題にはならないでしょう。

現在のUMPCは、処理スピードはほとんど不満が出ないほどに成長しました。

今後重要性の高い進化は、バッテリー駆動時間と本体サイズ・重さ、ネットワーク常時接続です。

これらがすべて実現する可能性のあるSnapdragon 8cxが搭載されたUMPCは、おそらくUMPC各社は当然検討しているはずです。

ユースケースを考えると、通常の13インチ以上のノートPCよりも、むしろUMPCで、Snapdragonの恩恵は大きくなります。

まさに、スマホ・タブレットとノートPCの「いいとこ取り」としてのUMPCが誕生するかもしれません。

楽しみに待ちたいですね!

おわり