昨今、Windowsを搭載した格安ラインの2in1タブレットPCのコスパが非常に高まってきました。
従来、いわゆる「中華タブレット」と呼ばれるカテゴリは、低速なAtomやCeleronが搭載されており、正直あまり使い物にならなかったのですが、Core m3-8100YとCeleron N4100の2つのCPUが搭載されるようになってからは、かなり「使える」速度になりました。
RAMやストレージが十分であれば、メールやブラウジング、動画視聴はもちろんのこと、画像編集やゲームなども、そこまでヘビーなものでなければ十分使えるようになってきています。
今回は、その中でも代表格の「Teclast X4」をご提供いただきましたのでレビューします。
ご覧の通り、キーボードカバーとキックスタンドがついたSurfaceライクな端末です。
大手ガジェット系オンラインストアのBanggoodで、こちらのリンクにある通り3万円で購入でき、日本へは送料無料で発送してくれます。
まずは開封
キーボードカバーとペンは別売りですが、実質セット品のような位置づけで、ほとんどのユーザーが購入するでしょう。
内容物を並べると、↓のようになります。
本体、キーボードカバー、ペン、充電用ACアダプター(US/TW/JP変換プラグ付)ですね。
為替の影響で多少変動しますが、下記のようにセットで購入しても4万円です。
スペックは下記の通りです。
- CPU:Intel Gemini Lake N4100(最大2.4GHz/クアッドコア)
- GPU:Intel UHDグラフィックス600
- OS:Windows 10 Home
- RAM:8GB
- ストレージ:256GB SSD
- ディスプレイ:11.6インチ(1920×1080)
- カメラ:リア5MP/フロント2MP
- Wi-Fi:802.11b/g/n
- Bluetooth 4.0
- インターフェース類:USB 3.0 x2、USB Type-C、MicroSDカードスロット、MicroHDMI、DCポート
- バッテリー容量:26,600mWh
- 重量:840g
- サイズ:290x179x8.9mm
- 同梱物:本体、USBケーブル、充電器(キーボードカバーとペンは別売り)
Celeron N4100、8GB RAM、256GB SSDと、この価格帯にしてはハイスペックで、後述するように普段使いでストレスを感じる場面はほとんどありません。
ポート類も十分です。
↓はキーボードカバーを閉じた状態で立てた状態ですが、右側面にはUSB Type-C、USB 3.0、micro HDMI、DCポート、そして上部にmicroSDカードスロットがあります。
左側面には、↓のように3.5mmイヤホンジャック、USB 3.0がもう一つです。
カメラはフロントと背面に2つ搭載されており、電源と音量ボタンは↓のように上部の端にまとめられています。
本体は安っぽさがなく、金属製ならではの高級感を感じさせます。
キーボードカバーは、充電やペアリングが不要のマグネットタイプです。iPad Proなどと同じですね。
↓のように、フルキーボードに加えて、タッチパッドもついています。
カバー背面は、ブルーのツルっとしたPUレザー調で、こちらもメタリックな本体と同様に高級感があります。↓
キックスタンドは角度調整が可能で、一般的な↓はもちろんのこと
スタイラスでのメモに便利そうな、↓のようにかなりフラットな部分まで倒せます。
重量ですが、タブレット本体のみでは、↓のように実測約815gです。
キーボードカバーとセットでは、↓のように約1.13kgです。
一般的なモバイルノートパソコンと同じくらいです。
ちなみに、ペンは電池込みで約18gです。↓
また、アダプターを持ち運ぶ場合は、↓のように約192gあります。これは少し残念ですね。ただし、USB Type-CでのUSB PD充電に対応していますので、PD対応チャージャーがあれば持ち運び不要です(コメントいただいた方、どうもありがとうございました!)。
本体は、↓のように片手で難なく持てる重量です。
キーボードカバーの使い勝手
キーボードカバーは、US配列になっています。Alt+~で日本語入力です。
肝心の使い勝手ですが、まずこの手の格安2in1にありがちな、ペコペコ感やたわみはまったくありません。
むしろ、非常に剛性のある作りになっています。
そのため、Surface Goなどで顕著な、タイプするごとに「バコバコ」と安っぽい音がする、ということがありません。
キーボードカバーの作りがかなりしっかりしていることは、本機最大のサプライズだったかもしれません。
11.6インチで左右いっぱいに配列がされていますので、ピッチも問題なく、もちろんタッチタイプができます。
また、こちらもSurface同様、キーボードは↓のように少し傾斜がかかりますので、地面ベタ付けよりも入力しやすくなっています。
以上のようにキーボードについてはかなり満足度が高いのですが、タッチパッドは少し残念です。
アスペクト比が16:9の横長のため、幅は問題無いのですが、縦方向がとても狭くなっています。
そのため、MacBookのように広々と使う、というわけにはいきません。
無いよりはマシ、といった感じでしょうか。
純正スタイラスペン
スタイラスについては、↓のように至極一般的なデザインです。
2ボタンがついており、↓のように単6乾電池駆動です。
単6は家電量販店に行かないと売っていませんので、ここはバッテリー駆動にして欲しかったですね。
サイズ感をApple Pencilと比較すると↓の通り、少し短くなっています。
持ち心地は良好です。
また、遅延についても、ほぼ感じることはなく、素早い動きにもちゃんと追従してきてくれます。
2つあるボタンは消しゴムや右クリックとして仕え、2.5秒のオートパワーオフ機能も搭載しています。
筆圧検知はありません。
難点があるとすれば、Apple Pencilなどのモバイルデバイスのペンに慣れた方は、はじめは少し違和感を感じるかもしれません。
理由は、モバイルデバイスのペンは画面に触れるとタップになるのですが、本機のペンはそこから一段軽く押し込んで初めてクリックになるためです。
PCのお絵かき用スタイラスによくある作りですが、画面から数mm離してもカーソルが追従してきて、先端部を押し込むとクリックになります。
そこは慣れかもしれません。
iPadとのサイズ感比較
Apple PencilとSmart Keyboardに対応した最新の第7世代無印iPadと比較してみます。
まず画面サイズは、11.6インチの本機は、10.1インチのiPadよりはもちろん大きくなっています。↓
特に本機は16:9という動画などによくあるアスペクト比なので、横にワイドなのが特徴です。
FullHDなので、液晶の鮮明さは目で見て違いは感じません。どちらもとても鮮明です。
ベゼルの厚さも同じくらいです。
次に本体寸法です。
↓のように並べるとよく分かりますが、幅はほぼ同じ、高さが2-3cmほど本機の方が長くなっています。
厚みについては、本機が2mmほど厚くなっていますね。↓
キーボードカバーも、本体サイズを反映して本機の方が広々としています。また、キーボードカバーの仕組みがiPadのような折りたたみではないため、フットプリント全体を使えることから、面積が広くなっています。
と、細かい違いは色々とありますが、ざっくり言うと「サイズ感はよく似ていて、iPadより若干大きいくらい」という印象です。
ただ、カバー付きの重量は300g違いますので、印象はかなり異なります。重量感は、iPadというよりSurfaceですね。
ベンチマークスコア
ベンチマークを見ていきましょう。
CINEBENCH Release 20では、CPUスコア407ポイントでした。↓
第5世代Core i5より若干下くらいです。
Atomだと100台なので、それよりは体感速度はだいぶ速いです。
また、ストレージは下記の通りです。
こちらはSSDなので高速ですね。
初期状態で、ストレージは85%が空いている状況です。
総評:3万円PCもここまで来たか
もちろん気になる点はいくつかあります。
本体が横長なのでタッチパッドが少し窮屈、カバー付きだと1.1kgとそれなりの重量、あたりでしょうか。
ただ、本体重量については、1.1kgはノートパソコンと比較すればこのインチサイズでは一般的ですので、許容範囲です。
何より、Surfaceライクなキックスタンド・キーボードカバー・ペン対応の2in1PCで、多くの用途で問題無いスピードで動いてくれるマシンが3万円台というのはやはり驚きです。
格安PCもここまで来たか、と感じます。普通に使えます。
画面も綺麗で動きもなめらかなので、コスパは非常に良好だと思います。
無駄なプリインアプリなどが入っていない点も好印象です。
現在、3月末までセール中ですので、気になる方はぜひ↓をチェックしてみてください!
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コメント
PD対応充電器で普通に充電できていますよ。
PDのほうがスマートだし外出時もモバイルバッテリで充電できるので重宝しています。
まだ、M.2 (Type2280)までのSSDに換装できるの更に大容量での運用も可能です。
あずきんちょさん、コメントありがとうございます!
PD対応していますね!記事を修正し、その旨追記いたしました。
どうもありがとうございます!今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。