Snapdragon 7c gen2は、QualcommのPC向けチップのエントリーラインです。
これ以外に上位ラインの8cxがあり、いずれも後継となる第3世代の8cx gen 3と7c+ gen 3が同社より発表済み。
強みはモバイルで培ったWi-Fi接続の信頼性やLTE対応、消費電力の低さ。課題はパフォーマンス。第3世代機はまだ出ていませんが、第2世代機については複数のChromebookが出ています。
ここに来て複数メーカーから、第2世代の7cを搭載した軽量で廉価なWindows 11機が発表されています。価格とパフォーマンスのバランスがちょうど良くなったのかもしれません。
いずれもタブレットをベースに着脱式キーボードがセットになった2-in-1タイプ。
主に教育向けとしてデザインされていますが、一般向けであってもChromebook的使い方でWindowsアプリが動くということで、一定のニーズはありそうです。
初代7c Windows機のパフォーマンスが低かったことから懐疑的な方も多いかもしれませんが、第2世代は未知数。あと数ヶ月もすれば、パフォーマンスのレポートが出てくるでしょう。
ということで、発表済みのモデルをご紹介。
Lenovo 10w
レノボから発表されているLenovo 10wは、主に学生向けに設計された一台。
高い堅牢性と、着脱式キーボードを備えた2-in-1 Windows 11機です。
スペックは、Snapdragon 7c、最大8GB LPDDR4x RAM、最大128GB eMMCストレージ、10.1インチFullHDディスプレイ、背面8MP+フロント2MPカメラ。輝度は400ニト。
30Whバッテリーで、重量はタブレット単体が573g、キーボードセットで約1.1kg。かなりの軽量さです。
キーボードセットで329ドルからという価格の安さも魅力。4月にアメリカで発売予定。日本投入は不明です。
ASUS ExpertBook B3 Detachable
ASUSからは、Surface Go系統の小型Windows 11タブレットPC「ExpertBook B3 Detachable (B3000)」が発表されています。価格や投入市場は不明。
10.5インチと小型で、↓のようにペン収納型になっています。
スペックは下記の通り。
- CPU:Qualcomm Snapdragon 7c Gen 2
- GPU:Qualcomm Adreno GPU 618
- RAM:4GB/8GB LPDDR4
- ストレージ:64GB/128GB eMMC
- ディスプレイ:10.5インチ(1920×1200)10点タッチ
- OS:Windows 11 Pro
- カメラ:リア13MP、フロント5MP
- 通信:Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0
- サイズ:26.03 x 17.21 x 0.89cm
- 重量:630g(タブレット単体)、245g(キーボード)、172g(スタンド)
CPUにはSnapdragon 7c Gen 2、メモリは最小構成4GB/64GBで、最大8GB/128GB。
重量は単体で630g、キーボードやスタンドをすべて含めて1kgほどとなっています。
ほか、MIL-STD 810H準拠で耐久性も高くなっています。
キーボードにはタッチパッドも搭載。↓のようにマグネット着脱式で、スタンドは背面に別途装着するタイプ。
以上、いずれも軽量で魅力的です。
あとはパフォーマンスですね。現実的なスピードでWindows 11が稼働し、バッテリー駆動時間も長く、通信の信頼性も高いとなれば、大きく化ける可能性があるジャンル。
これまでWindowsタブレットは2種類でした。一つがバッテリー持ちは良好ながらパフォーマンスが著しく低いAtomやCeleron搭載機。もう一つは、パフォーマンスは現実的ながらバッテリー駆動時間や本体重量が重くなりがちで高価なUシリーズCore i搭載機。
モバイル分野を牽引してきたQualcommのPC向けSnapdragon 7cシリーズが進化すれば、上記トレードオフを克服し、その両者の良いとこどりができる可能性があります。
Qualcommがまさに狙っているところでしょう。
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コメント
何年か前にマイクロソフト社とクアルコム社がPC/AT互換CPUに代わるRISC系CPUの開発研究やってたから、実用レベルに達したらクアルコムがリリースすると予想はしていたけど。
メモリが8ギガバイトだとネット検索とオフィスで頭打ち。(PCゲームソフトは動かすだけで8ギガバイト占有するから、ゲーミングPCは軒並み16ギガバイト積み込んでる。開発側はその2倍。)
10年選手の経験則になるけど、Windows系とLinux系はメモリサイズがオペレーティングシステムサイズの2倍までだとオフィスソフトやネット検索で限界を迎える。ビジネスの営業や事務には十分だけど、開発系には非力。すみわけにはなりそうだが。