GoogleのPixel Watchは他のスマートウォッチと何が違うのか

Googleが、かねてよりその登場を予告していたスマートウォッチ「Pixel Watch」を正式発表し、予約を開始しました。

全4色で、価格はWi-Fiモデルが税込39,800円、4G LTEモデルが47,800円です。

現在、Googleストアや↓のアマゾンなどのほか、ソフトバンクとKDDIでも採用され予約開始しています。発売は10月13日。

すでに複数販路でかなり売り切れのカラーが出ており、初期生産量は不明ながら好調なスタートを切っていることがうかがえます。

今回は、このPixel Watchが、他のスマートウォッチとは何が違うのか、Googleが公開した情報を元にまとめたいと思います。

レビューは、実機が届いたら配信します。

まずは結論

結論から言うと、Pixel WatchにできることはほぼすべてApple Watchにもできます。

ただ、Apple WatchはAndroidスマートフォンでは使えません。

ではAndroidユーザーにも使えるウォッチに以下の機能がついていないかといえば、個々の機能は対応しているウォッチがあります。

では、Pixel Watchを買う理由は無いのか?といえばそういうわけでもありません。

以下の機能”すべて”に対応したwearOS搭載ウォッチが存在しなかったためです。

GarminとFitbitとソニーのwena以外でSuicaに対応したものはありませんし、それら3メーカーのウォッチにはwearOSが搭載されていないのでGoogle系アプリは(ほとんど)ありません。

下記でレビューしたサムスンのGalaxy Watch5は完成度高いwearOS搭載スマートウォッチですが、心電図やSuicaには対応せず、純正のバンドも選択肢が少ないです。

今回は、サムスンの新型スマートウォッチ「Galaxy Watch5」をレビューします。 9月29日の発売と同時に購入し、数日間使い倒し...

というわけで、ようやくApple Watchとほぼ同等のフル機能を備え、アップルと同様にモバイルプラットフォームを運営する会社自らがその強みを活かして開発したAndroidユーザー向けの有力なスマートウォッチが登場したということになります。

製品概要

製品概要を見ておきます。

カラーは、ウォッチケースがブラック・シルバー・ゴールドの3色。それに、4色のバンドが組み合わさって全4カラバリ。

ケースはステンレスで、デフォルトのバンドは樹脂。サイズは41×12.3mmで、バンドを除く重量が36g。

SoCにはサムスンのExynos 9110を採用。OSはWearOS 3.5。2GB SDRAMに32GB eMMCストレージ。

センサ類は、コンパス、高度計、血中酸素、多目的電気センサ、光学式心拍数センサ、加速度計、ジャイロスコープ、周囲光センサを搭載。

ディスプレイは、カスタムの3Dゴリラガラス5で覆われた320ppiの有機ELで最大輝度は1,000ニト。常時表示にも対応。

通信はBluetooth 5.0、Wi-Fi 802.11 b/g/n、NFCのほかFeliCaにも対応。LTEモデルは4G LTEモバイルデータ通信対応です。Wi-Fiが2.4GHzのみとなっています。GPSもサポート。

母艦OSはAndroid 8.0以降でiOSには非対応。

294mAhバッテリーは最大24時間駆動。フル充電は80分。5ATMの防水対応です。

全体的に、フルスペックのwearOS対応スマートウォッチといったところです。

本体デザインは、↓のようにかなり丸みを帯びたものになっています。

他のスマートウォッチとの違い

ここからは、本題である他のスマートウォッチとの違いを見ていきましょう。

Google系サービスとの相性の良さ

まずはGoogle系サービスとの相性の良さです。

YouTube Musicで音楽を聴いたり、Googleアシスタントを使ってメッセージの送受信をはじめとした操作を行ったり、Googleフォトから好きな写真をウォッチフェイスに登録するなどのユースケースが紹介されています。

プラットフォーマーが展開するウォッチとして、ここは当然のように力を入れているようです。

もちろん、他のwearOS搭載ウォッチでも、Playストアからアプリを導入すれば同じことができるものも多いですが、通常のウォッチは自社母艦アプリでなるべく完結させ、ユーザー情報を集約させようとしてきます。

たとえばGalaxy WatchであればGalaxy Wearアプリ、GarminであればGarmin Connect、AmazfitであればZeppといった具合です。Google系の複数サービスを軸としてエクスペリエンスを組み立てているようなウォッチは他にありません。

そういう意味で、様々な有名アプリを多数展開しているGoogleが、自社アプリを軸に組み立てたエクスペリエンスというのは、多くのAndroidユーザーにとって魅力的なものになるでしょう。

Google PayでのSuica支払いに対応

FeliCaを搭載しており、Google Payに登録したSuica支払いに対応します。

Suica対応のウォッチはあるにはありますが、Googleに買収されたFitbit、ソニーのwena、Apple Watch、Garminの4社に限られます。Galaxy Watch含め、ほぼ非対応のものばかりです。

そういう意味で、モバイルペイメントのプラットフォーマーとしても大きなシェアを持つGoogleの強みが活かされています。

FitbitやwenaのSuica機能は使い勝手が悪く、Pixel Watchには、ここはぜひ改善してほしいと期待しています。

Fitbitのテクノロジー

Googleが買収したFitbitは、ヘルスケアやワークアウト系の機能で有名なウォッチやバンドを多数リリースしているアメリカのメーカー。

このFitbitの強みも、当然組み込まれています。

近頃は格安ウォッチでも、心拍数計や血中酸素計には(精度はともかく)対応しています。

ただ、Fitbitのテクノロジーを組み入れたPixel Watchでは、1秒ごとに心拍数の計測が可能。それを24時間ずっと収集してくれます。

また、Apple Watchにも搭載されて話題になったECG(心電図)機能も搭載。心臓に異常があった場合などに緊急通報をしてくれる機能や、来年には転倒検知機能も搭載される予定。ただし、日本ではまだ認証が得られておらず、ECGについては当分は使えない状態が続きそうです。

純正の専用バンド

20mmや22mmなど一般的な規格のバンドは無数にありますが、そのウォッチのデザインにビシッと合うようにデザインされた専用バンドの数は、Apple Watch以外は非常に少ないのが現状です。

Galaxy Watchでさえ、サムスン純正バンドはやる気がないのかと思うレベルの選択肢の少なさです。

その点、Googleはすでに5種類の素材でそれぞれに複数カラーのバンドを予約開始しています。また、来春にはメタルバンドも登場予定。

はじめから非常に力を入れており、Pixel Watchが一定のシェアを獲得すれば、サードパーティからも多数のバンドが展開されることが期待できます。

価格が安い

Wi-Fiモデルで税込39,800円というのは、Apple Watchでいえば廉価のSEラインと同等の価格です。

Apple Watch Series 8は、Wi-Fiで41mmの最廉価構成でも59,800円~です。Galaxy Watch5は48,800円~。

つまり、39,800円は、機能を考えれば破格ともいえる安さです。

以上、Pixel Watchが他のスマートウォッチとどう違うのかのまとめでした。

いずれにせよ、Androidユーザーにとっては非常に魅力的な選択肢が登場したことは間違いないでしょう。

デイリーガジェットも当然、即買いしました。ワクワク。

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