2022/12/14追記:本記事のモバイルバッテリーについて、実際の容量を計測した記事を追加しました。こちらもあわせてご覧ください。
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「一番軽い10,000mAhモバイルバッテリーが欲しい」
今回は、そう思って開始した企画です。
軽さだけであれば5,000mAhやそれ未満のものでも良いのですが、スマホを複数台持っていたり、タブレットやイヤホンも充電したいとなると、やはり10,000mAh欲しくなります。
これまで2,000mAh~25,000mAhまで様々な種類のものを持ち運んできましたが、サイズや重量と容量を加味して、最も使い勝手が良かったものは10,000mAhでした。
ひとえに10,000mAhのモバイルバッテリーといっても、様々な形状・重量・サイズのものがあります。
今回はアマゾンで軽さをメインに訴求していたり、公称190gを切っている10,000mAhのモバイルバッテリーを片っ端から購入しました。
それが↓の7機種。
「モバイルバッテリーは危険だ!軽いものなんて危険だ!」
と言いたい気持ちは分かるのですが、今回の商品はすべてPSEマークが本体についており、このジャンルの技術者ではない素人としては、PSEマーク以上の判断基準を持ち合わせていません。
(PSEマークがついていないモバイルバッテリーの販売は個人売買でも違法です)
「Ankerが安心!中華は危ない」
という声も聞こえそうですが、Ankerもブランディングや宣伝は上手い気がしますが中華メーカーですし、パナソニックやソニーやアップル級にブランドだけで安心できるレベルのメーカーではありません。
売れているので良い製品が多いのだとは思いますが、優秀な製品を作る中華メーカーはたくさんありますし、実際にこれまで大量に中華製品を使ってきた中でAnker製品だけが他社と比べて際立って優れているという印象もありません。ので、ブランドも判断基準になりません。
となると実際に買って比べるしかない!というわけで今回は、PSEマークがついていて一番軽い10,000mAhモバイルバッテリーを探したいと思います!
まずは登場選手と実測重量をざっとご紹介!
今回の7機種について、それぞれざっと紹介して実測重量を計りまくっていきます。
Anker「PowerCore 10000」
まずは一番有名なアンカーさんから。アマゾンをざっと見た限り、PowerCore 10000というのがAnkerの10,000mAhで一番軽そうだったのでそれを購入。(アンカーでもっと軽い10,000mAhがあれば教えてください)
2020年12月時点では10,000mAh以上で世界最小最軽量とのこと。これは期待できる!
価格は↓で3,490円。記事執筆現在はブラックフライデーセールで2,792円になっています。
外観はよくある典型的なデザインのモバイルバッテリーといった感じ。
付属品はマニュアルとUSB Type-A to microケーブル。
ポートはUSB Type-Aとmicro USBです。microにドン引きしたのですが、今回7台買ってみて分かったのが、意外とmicro搭載のモバイルバッテリーは世の中に存在するようです。
出力は12w。入力はmicroで10w。micro USBケーブルがないと本機を充電できないというのは不便です。
サイドにボタンがついており、↓のように全4つのライトでバッテリー残量を表示してくれます。
実測重量は183.5gでした。
株式会社CIO「SMARTCOBY DUO」
続いては、今回の中で唯一の日本メーカーである株式会社CIOの「SMARTCOBY DUO」です。
CIO製品は多く使っていますが、高品質な製品が多く期待大。
↓のようにスティック系統です。
価格は↓で3,938円のところ、現在ブラックフライデーセールで2,780円になっています。
付属品はマニュアルのみです。
他社製品がプラスチッキーなものがほとんどの中、本機はマットな外装で高級感があります。
CIOロゴもメタルで、見た目は一番カッコいいです。細長形状も持ち運びやすそうでグッド。
ポートはUSB Type-Cが2つ。側面は↓のようにヘアライン加工のメタルで、これまた良い風合い。
単ポート20w、2ポート同時充電で合計40wなので、2ポート同時利用でも出力が下がらないのが強みです。また、バッテリーを充電しながらデバイスに給電できるパススルーにも対応しています。
充電を始めると、↓のようにデジタル表示で残量を表示してくれます。
重量は実測で189.9gでした。↓
Veektomx「VT103」
続いてはVeektomxというブランドのバッテリーです。
本体は薄く、手に取ると「おっ」と思うほど軽いです。これは期待できます。
↓のページで2,899円で販売されています。
付属品は、USB Type-C to Cケーブルとマニュアルです。
本体上部に、USB Type-C、USB Type-A、micro USBの3ポートがついています。
入力(モバイルバッテリー自体を充電する)にはmicro USBもしくはUSB Type-Cを使います。出力(他の機器を充電する)には、USB Type-AもしくはUSB Type-Cを使います。つまり、USB Type-Cポートは、入出力両方に使えます。
単ポート出力最大20wです。
前面に残量ディスプレイがついています。充電を始めたり、サイドのボタンを押すと表示されます。
重量は実測で166.6gでした。初の170g切り!こりゃ軽いわけだ。
TNTOR「モバイルバッテリー」
無骨な名前ながら、厚さ8.8mmと今回もっとも薄い選手です。
↓のページで3,480円のところ、現在2,544円になっています。
付属品はUSB Type-A to microケーブルとホルダーリング。
この薄さは異次元。光沢あるプラスチック製です。右上には、リングを引っかける穴が開いています。
ポートはUSB Type-C、micro USB、USB Type-Aの3つ。Veektomxと同じく、USB Type-Cとmicro USBで入力、USB Type-AとUSB Type-Cが出力です。最大12w出力。
サイドのボタンを押すと、4つのインディケーターで残量を表示してくれます。
重量は実測で158.9g。170g切りのVeektomxに感動したのもつかの間、いきなり160gも切ってきた!言うまでもなく無茶苦茶軽いです。
MOXNICE「モバイルバッテリー1043」
続いてはMOXNICEというブランドの、これまた無骨な名称のモバイルバッテリー。
箱から出した瞬間に、異次元の小ささ・軽さを直感しました。際立っています。これまでで一番期待できますよこれは。
↓のページで、通常2,990円のところ現在2,272円で販売中。
付属品は、USB Type-A to microケーブル、マニュアル、収納用ポーチです。
天板と底面がマット仕上げのブラック、サイドがシルバーというオシャレデザイン。CIOと並んで見た目も良好です。
ポートは、USB Type-Aが2つと、micro USBという3ポート構成。
入力はmicro USBで、USB-Aはいずれも出力用。2ポート同時出力対応。出力10.5wです。
サイドボタンで4インディケーターが光り、残量を知らせてくれます。
実測重量はなんと!!146.1gです!衝撃の150g切り。5,000mAhでもおかしくないレベルの軽さです。
ZENDURE「SuperMini」
続いては今回唯一のアメリカメーカーであるZENDUREです。CIOやAnkerと同様、大手家電量販店でも売られているブランド。
特徴的なデザインが売りのようなのですが、ずんぐりむっくりしたアタッシュケースのような見た目は正直あまりカッコいいとは思いませんでした。でもまあそれは好みです。
↓のページで通常5,490円のところ、現在4,392円で販売中。今回最高値です。
付属品は、マニュアルとUSB Type-C to Cケーブル、そして謎のステッカーです。
アメリカのメーカーはなぜかステッカーが好きですね。
ステッカーのデザインを見るに、旅やらアウトドアやらが好きなメーカーのようです。一応犬小屋に貼っておきました。
ポートは、片側にUSB Type-Aと、
逆側にUSB Type-Cです。入力はUSB Type-Cからで、出力は両方からできます。USB Type-Cで最大20w。
CIOのSMARTCOBY DUOと同様に、本機に蓄電しながら機器を充電出来るパススルー充電に対応しています。
↓のボタンを押すと、4つのインディケーターで残量表示です。
重量は実測で179.5gです。AnkerやCIOよりは若干軽いのですが、MOXNICEの後ではだいぶ重く感じます。
Aoomsi「PS-157」
Aoomsiというメーカー(おそらく)の、白いモバイルバッテリーです。箱から取り出してみての印象は、”普通”です。Ankerと同じ印象。
↓のページで2,499円のところ1,999円で販売中。値段は一番安いですね。唯一の特徴は値段の安さといえるでしょう。
付属品はUSB Type-C to Aケーブルとマニュアル。
ポートは2つ。側面に↓のUSB Type-Aと、
逆側面に↓のUSB Type-Cです。ZENDUREタイプですね。ただ、パススルーには非対応。USB Type-Cが入出力に、USB Type-Aは出力に対応。出力は18wです。
ボタンを押すと、残量が表示されます。
重量は実測で174.7gです。
アマゾンの説明ページに、↓のように「世界最mini最軽量」という謎記載がありますが、残念ながら“世界最mini”でも”最軽量”でもありません。MOXNICEに謝罪してください。
以上、今回の7機種をすべてご紹介しました。
ここからは、7機種を比較していって、最終的にどれが一番良さそうか?見ていきましょう。
軽い順に並べて形状比較
↓は、実測結果で左上から右下に向けて軽い順に並べたものです。
最軽量の左3つ、MOXNICE/TNTOR/Veektomx(名前の読み方が謎な3つでもあります。もっくすないす?)が薄さでも際立っていることが分かります。
フットプリントは↓の通り。自称”世界最mini最軽量”のAoomsiとアウトドア派のZENDUREはフットプリントは小さいですね。ただ、端っこにあるのでわかりにくくなっていますが、CIOも負けず劣らずコンパクトです。
充電スピードを比較
それぞれ公称の最大ワット数がありますが、実際の充電速度はどうなんでしょうか?
手元にあった最近お気に入りのASUS Zenfone 9とPixel 7 Proを実際に充電して電力を計測してみました。
USB Type-Cがある場合はType-Cで、なければUSB Type-Aで充電。Type-Aが2つあるMOXNICEパターンは、出力の大きいUSBバージョンが新しい方のポートを使います。
まずは最軽量MOXNICEから。これはどちらのスマホもだいたい7wです。
次に軽いTNTORは、両機種6wでの出力。
3番目に軽いVeektomxは両方12wです。
自称”世界最mini最軽量”のAoomsiは10-11w。
ZENDUREは9-11w。
Ankerは7w。
CIOは10-11wです。
というわけでまとめますと、公称出力が20wのもの(Veektomx/Aoomsi/Zendure/CIO)はだいたい10w前後、それ以下の公称10-12wのもの(MOXNICE/TNTOR/Anker)は7w前後の出力での充電となることが分かりました。
一番軽いモバイルバッテリーベスト3
2022.12.15追記 このパラグラフについては、冒頭の容量計測の記事をあわせてご覧ください。
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では、当初の狙いであった「一番軽い10,000mAhモバイルバッテリーはどれだ!」に対する答えを出します。
結果は↓のMOXNICE、TNTOR、Veektomxの3機種です。200g前後が一般的な10,000mAhモバイルバッテリーの世界において、これらはそれぞれ146.1g、158.9g、166.6gという驚異的な軽さを実現していました。
また、本体がもっとも薄い3機種でもありました。
「一番軽いのがいい!」といっても、この3機種それぞれ異なった強みがあるので、そこを踏まえておきましょう。
まず↓のMOXNICEの強みは、最軽量であるという点。唯一の150g切りで、軽さは圧倒的です。
また、外装もマットブラック+メタルシルバーで悪くありません。
欠点は出力が実測7wなのと、入力がmicro USBのみ対応なこと、USB Type-Cポートがないことです。入出力周りは残念と言えるでしょう。
とにかく一番軽いやつ!軽ければ他はすべて妥協できる!という方向けの商品です。
続いて、軽さNo.2のTNTORです。こちらは軽さNo.2であると同時に薄さNo.1でした。
MOXNICE同様に7w前後の出力でしたが、MOXNICEと比べた時の強みは入出力ポート周りです。
USB Type-Cで入力・出力両対応できます。micro USBが激減してゆく昨今、入出力対応のUSB-Cポートがある方が圧倒的に便利でしょう。
続いて軽さNo.3のVeektomx。外観は一番普通のプラスチッキーな一台。
ですが、上の2機種にない強みは、出力が20w対応である点です。実測でも10w出ていましたので、上2機種よりも早く充電できます。
また、TNTOR同様にUSB-C搭載で入出力対応なので、ポート周りも○です。
というわけで、
という選び方ができそうです。
7台使ってみて、今後も使っていくものはどれ?
最後に、実際に上記7台を色々と使ってみて、では最終的に毎日持ち運んで使うものとしてどれを選んだか?について書いておきます。
いわば一番のオススメです。
一番軽いモバイルバッテリーを探すために始めた企画でしたが、使い勝手が最も良く、現在常用しているのはCIOのSMARTCOBY DUOです。
外観がかっこいいですし、2ポート同時出力でも急速充電可能、かつスティック形状でガジェットポーチへの収まりも良かったためです。日本メーカーというのももちろん魅力的です。
スマホとタブレットなど、複数デバイスを充電することが多かったり、モバイルバッテリーを充電しながら他デバイスを充電したかったりという場面が多く、2台同時急速充電機能やパススルー機能もニーズにハマりました。
小型・軽量さを大きく訴求しているものばかりを選りすぐった今回の7機種の中では一番重かったですが、それでも190gを切っているのは一般的な10,000mAhモバイルバッテリーとしては十分軽量です。
もちろん、上述した”軽さベスト3”に入った3機種もそれぞれに魅力的だったので、あとは皆さんの使い方次第でしょう。
というわけで、モバイルバッテリー選びの参考にしてみてください。
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